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コーポレートガバナンス

経済的パフォーマンス

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考え方・目標

なぜ「経済的パフォーマンス」が重要課題なのか
理由と背景の解説

横浜ゴムグループは2024年より新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」をスタートしました。
前中期経営計画「YX2023」では、既存事業における強みの「深化」と自動車産業を取り巻く大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を全ての事業領域において力強く推進し、商品開発・生産・販売の強化はもちろん、買収や事業再編などにより市場競争力の強化に取り組みました。特にタイヤ事業では収益性の高いOHT(オフハイウェイタイヤ)事業を強化するため、4:1だった当社のタイヤ消費財とタイヤ生産財の売上構成比を市場規模に合わせて1:1に適正化する「大戦略」を実行し、事業構造を変える大きな変革を成し遂げました。また、資産の効率化を図るため、事業および子会社の売却や政策保有株式、遊休資産の売却などを着実に実行し、これによって得た資金を成長による企業価値向上のための戦略投資に活用しました。こうした前中期経営計画「YX2023」での取り組みをさらに強力に推進することで、更なる企業価値向上を目指しています。

目指す姿(達成像)/目標

中期経営計画「YX2026」では2021年度から2023年度までの前中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」から推進してきた既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、「次世代に負の遺産を残さない」という強い意志を持って変革の「総仕上げ」を行います。
YX2026では、企業価値向上の基本方針を「成長戦略」と位置づけ、これまでのような微増に甘んじることなく、各事業で定めた成長戦略を断行し、「Hockey Stick Growth」(「うなぎ昇り」の成長)を果たすことを目指しています。
2026年度の経営目標として、売上収益1兆3,000億円、事業利益1,800億円、事業利益率14.5%、ROE (自己資本利益率)10%超を掲げています。

2026年における定量目標

売上収益 1兆3,000億円
事業利益 1,800億円
事業利益率 14.5%
自己資本比率 50%を目安
ROE 10%超
営業CF 3,850億円
(3年間累計)
設備投資 減価償却以内
(除く戦略投資)
タイヤ事業の大戦略(グランドデザイン) 当社は持続的な増収増益の実現するため、10年以上にわたり「タイヤ事業の大戦略(グランドデザイン)」を推進してきました。世界のタイヤ市場は、乗用車用タイヤなどの「消費財」と、トラック・バス用、農業機械用タイヤなどの「生産財」の2つに分かれており、1ドル=152円換算で、それぞれが約15兆円とほぼ同じ市場規模になっています。以前の当社は消費財に偏った商品構成にいましたが、2016年のATG、2023年のTWS、そして2025年のグッドイヤー社OTR事業の買収を通じ、消費財と生産財の比率を世界市場と同じ1:1としました。これらの買収事業はいずれも高い収益性を有し、投資規律に合致する上、買収後の適切な投資と経営改善により、減損を計上することなく、着実に成果を上げています。その結果、当社は「OHTの会社」として認知・定義されることが少なくありませんが、OHT事業のM&Aはあくまでも手段であり、タイヤ事業の「大戦略」が本質的に目指したのは、Tier1トップメーカーに並ぶ商品ラインアップを揃えることで、彼らに代わって選ばれる「Best Alternative(最善の選択肢)」となり、全品種での増収増益を達成することです。
Best Alternative戦略 2025年2月のグッドイヤー社OTR事業買収によって商品のフルラインアップ化が完成し、業界で唯一、Tier1トップメーカーに並ぶ商品ラインアップを実現し、彼らの「Best Alternative」としての地位を確立することができました。これにより、「さまざまな品種のタイヤを1社からまとめて仕入れることで、複数社に発注する手間を省き、インセンティブの金額を増やしたい」という主要市場の販売先の約6割を占める独立系のタイヤディーラーのニーズに応えることが出来る数少ないタイヤメーカーとなり、買収してきたOHT事業のみならず、既存の乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤも含め引き合いが大きく増加しています。その結果、近年の「Hockey Stick Growth(「うなぎ昇り」の成長)」を力強く牽引しているのは、買収したOHT以上に既存タイヤ事業の成長であるのが事実です。
唯一無二の「Best Alternative」という独自のポジションは、競合他社が容易に模倣できない強力な参入障壁となり、買収した事業のみならず、既存のタイヤ事業を含む全品種で増収増益のモメンタムを力強く支えており、これこそがタイヤ事業の大戦略によって導き出された最大の成果と言えます。
タイヤ消費財

高付加価値商品比率の一層の強化

プレミアムカーへの新車装着や、グローバルでのモータースポーツ活動などのブランド価値向上策を行い、「商品・地域事業戦略」をさらに深化させます。各地域の市場ニーズの取り込みによる販売本数の伸長および、高付加価値商品である「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」(AGW)や「18インチ以上」の増販を計画しています。これにより、2026年度は、タイヤ消費財全体に占めるAGW比率を47%まで高め、さらなる収益率の向上を図ります。

「1年工場」への挑戦

高付加価値商品比率の最大化を積極的に推進することで収益率の向上を目指す一方で、台頭する中国や新興国のタイヤメーカーとのコスト競争に対抗する必要があります。YX2026では、抜本的な低コスト・高効率化を目指す「1年工場」に挑戦します。
この取り組みを体現した中国・新杭州工場においては、2025年11月より、当初計画より1カ月前倒しの11カ月で試作タイヤの生産をスタートしました。メキシコ新工場についても、2026年に建物が完成、同年後半には試作開始を見込むなど、順調に進捗しています。
タイヤ生産財

【OHT事業】
市場地位の向上と業容の拡大

2025年2月に完了したグッドイヤー社OTR事業の買収により、小型フォークリフト用から超大型鉱山車両用タイヤまでOHT全製品群のフルラインアップ化を実現。幅広い製品群を最大限に活かし、お客様の多様なニーズに的確に応え、さらなる事業成長を目指します。
農業・林業機械用タイヤ : 「Trelleborg」「Mitas」「Alliance」「Galaxy」と多様な価格帯のブランドを持ち、それぞれに最適化した生産体制を構築し、景気に合わせて商品構成をアジャストすることで収益とシェアの最大化を目指します。
産業・港湾車両用タイヤ : 世界中に専門エンジニアを配置し、メンテナンスサービス網「Interfit」を拡大・強化。お客様の車両の稼働を止めることがないよう迅速で的確なサポートを提供することで収益性を伴った成長を目指します。
建設・鉱山車両用タイヤ : 新たに加わったグッドイヤー社OTR事業の統合において、高コストなグッドイヤー社の工場から、当社グループ内の低コスト生産拠点への生産移管を進め、収益構造の改善を図ります。

【TBR事業】
適正な価格が維持された国・地域での販売強化

中国のタイヤメーカーが生産量・輸出を拡大する中で、欧米政府はアンチダンピングや相殺関税といった保護政策を実施しており、そこに需要の隙間が生まれています。こうした措置により適正な価格が維持された国や地域での販売強化を図り、収益を伴った成長を実現します。
MB事業

前中期経営計画で整備した経営基盤を土台に成長戦略にシフト

MB 事業は前中期経営計画で整備した経営基盤を土台に成長戦略にシフトします。YX2026 ではホース配管事業を成長ドライバーと位置づけ、さらなる成長のための改善を断行します。工業資材事業は、収益体制の安定化に向けた改善を完遂させます。こうした取り組みにより、2025 年度の事業利益率は当初目標の10%を上回る10.5%となり、目標を1年前倒しで達成しました。
ホース配管事業では、引き続き構造改革と徹底したコストダウンを推進し、収益力の向上を図る一方、工業資材事業は、高付加価値製品のさらなる増販に努め、2026年度は事業利益率11.5%の達成を目指します。
技術・生産 「よいものを、安く、スピーディーに」
YX2026では「よいものを、安く、スピーディーに」をモットーに、グループ全体の基盤強化を行います。「よいもの」では次世代プレミアムカーの新車装着を強化し、「安く」では他社に負けない抜本的コストダウンを、「スピーディーに」では「1年工場」への挑戦とタイヤ開発スピードの向上に取り組みます。
これを実現するグローバル生産体制として、乗用車用タイヤではインドのヴィシャカパトナム、メキシコおよび中国杭州に新工場を立ち上げ、コスト競争力を強化します。日本およびフィリピンの既存工場では、生産ミックスを改善し収益の向上を図ります。また、OHT 事業においては、高コストなグッドイヤー社工場でのOTR生産を新設するインドやメキシコのOTR工場も含む当社グループの低コスト拠点での生産に切り替え、収益構造の改善を進めます。MBでは、北米生産拠点の再編を進め、メキシコのホース配管工場を拡張することで生産コストの抜本的な改善を図ります。
サステナビリティ

収益と脱炭素・循環型社会貢献の両立

サステナビリティ活動は企業の成長に資するものであるべきとの考えのもと、過剰な投資により将来の経営に負担を負わせるのではなく、環境投資においても当社の通常の投資回収規律に従い、企業収益との両立を図ります。
温室効果ガス排出量の削減については、買収前のY-TWSの排出量実績を含め、2019年比で2026年に30%削減、2030年に40%の削減を目標に設定し、2050年のカーボンネットゼロ達成に向けた取り組みを継続します。また、サステナブル原料の利用拡大については、サーキュラーエコノミーへの貢献と温室効果ガス排出量(Scope3)の削減を目指し、2030年に再生可能・リサイクル原料比率40%、2050年にサステナブル原料比率100%を目標として取り組みを加速させます。
経営基盤:「財務戦略」
「YX2026」では「Hockey Stick Growth」を目指す積極的な戦略投資によって企業価値を高めていきます。資産効率化では政策保有株式売却をさらに推進し、資本構成では事業構造に合った最適な資本バランスの実現(自己資本比率50%を目安)に取り組みます。また、PER(株価収益率)向上では、経営陣によるIRイベントを拡充し、情報発信と対話の強化を通じて資本コスト低減や期待成長率の向上に努めます。キャピタルアロケーションでは、3年間累計のキャッシュイン約6,150億円のうち、約4,500億円を戦略投資および経常投資に充てる予定です。株主還元については、こうした持続的な利益成長に向けた投資を積極的に実施する中においても、当社の「将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を図りつつ、安定した配当を継続する」といった基本方針に則り、安定的かつ継続的に増配していくことを目指します。
新中期経営計画YX2026

2025年度の活動レビュー

ステークホルダーへの経済的価値分配

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  分配額(百万円) 金額の算出方法
ステークホルダー 2025年度 2024年度 2023年度
取引先 362,825 341,630 310,055 売上原価+販管費(人件費を除く)
従業員 57,465 55,662 53,574 売上原価+販管費(人件費)
株主 15,861 15,429 10,767 配当金の支払額
債権者 8,353 5,487 6,155 支払利息
政府・行政 57,125 60,021 24,284 法人税等の支払額
社会 53 39 76 寄付(交際費)その他<高校・大学研究室>
企業内部 84,073 110,033 68,285 当期利益-配当支払額
合計 585,755 588,301 473,196  
  • 上記「債権者」「政府・行政」は連結、それ以外は横浜ゴム単体を示します。

政府から受けた相当の財務的支援

国、地方自治体から受けた税金や補助金の財務的支援の額は2,002百万円でした。