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コンプライアンス

コンプライアンス

コンプライアンスの基本的な考え方

グローバル化に伴うリスクの拡大に対応するため2017年7月、横浜ゴムグループ競争法順守ポリシーと同贈収賄禁止ポリシーを取締役会の承認を受け制定しました。これを国内外に宣言し、ポリシーを具体化した規則・要領を定めて構成員に示すことで、競争法・贈賄罪に抵触するのを防止する狙いです。
2018年2月から導入を開始したグローバル内部通報制度とこれを組み合わせ、各国各地域の子会社に展開することで横浜ゴムグループのコンプライアンスレベルをもう一段高いものにする考えです。

コンプライアンス体制

横浜ゴムはコンプライアンス担当取締役を委員長とするコンプライアンス委員会、およびその実行部門としてコンプライアンス推進室を設置し、委員会を年4回開催、当社グループのコンプライアンスに関わる諸施策を継続して実施するとともにその活動状況を取締役会、監査等委員に報告しています。横浜ゴムグループの企業理念と行動指針は海外も含めたグループ会社に周知され、掲示などを通して各社の取締役・従業員の職務執行の指針となっています。横浜ゴムの全ての部門には「コンプライアンス推進室兼務者」を配置し、職場内の教育啓発活動の進捗や関連情報の共有を図っています。国内・海外のグループ会社においても、それぞれに「コンプライアンス推進責任者」が配置され、同様の活動を展開しています。

内部通報制度

コンプライアンス・ホットラインは公益通報者保護法にのっとった匿名の通報にも対応する制度です。窓口の電話番号、メールアドレスは国内の当社グループの事業所で働く構成員全員に配布される「コンプライアンス・カード」に記載されています。ホットラインの窓口は社内、社外の二つがあり社外は弁護士事務所に設置しており、独立性を確保しています。
また、コンプライアンスに関して疑問に思ったことを、構成員であれば誰でも相談できる記名を原則とした「何でも相談室」を設置しています。2023年度はホットラインと何でも相談室合計で242件の通報・相談がありました。
海外子会社については、社外窓口を通して競争法違反・贈収賄行為および現地法人幹部による違反行為を横浜ゴムコンプライアンス推進室が直接把握する「グローバル内部通報制度」を設け、2018年2月に中国統括会社・タイヤ販売会社へ初めて導入しました。2022年までに中国、フィリピン、タイ、ベトナム、北米への導入は一部事業所を除き完了しました。2023年11月より、インドネシアの生産拠点への導入に着手しています。
欧州では、欧州統括会社が内部通報システムを提供する会社と契約し、傘下の8社と共有の内部通報制度を導入しました。統括会社含む9社の内部通報制度であるとともに、通報内容により横浜ゴムコンプライアンス推進室が直接把握する「グローバル内部通報制度」として機能します。2021年1月より稼動しています。

内部通報制度(フロー)

グローバル内部通報制度、国内内部通報制度の運用に際しては、通報者保護規定を織り込んだ横浜ゴムグループ内部通報規則、ならびにグローバル内部通報規則を制定しており、違反行為を通報したことで不利益を被らずに通報できることを明文化しています。

マンスリー・レポートによるコンプライアンスの徹底

国内外のグループ会社に84名の「コンプライアンス推進責任者」が配置されています。職場や外部との取引などさまざまな場面で発生する事案について、コンプライアンス推進室と連携を取って、適切に対応しています。
各推進責任者はマンスリー・レポート(月報)をコンプライアンス推進室に送り、問題点を事前に把握できるように努めています。
中国の統括会社の推進担当者
黎 旭(れい きょく)
(優科豪馬橡膠有限公司;Y-CH)
日本のタイヤ販売会社の推進責任者
石島勉
(ヨコハマタイヤジャパン;YTJ)
日本の工業品販売会社の推進責任者
遠藤誠一
(横浜ゴムMBジャパン;YMJ)
海外子会社のコンプライアンスに関する状況を適切に把握することが課題であり、現在実施している定期報告と、導入を開始したグローバル内部通報制度を活用し、海外拠点ごとのコンプライアンスの課題が把握できる状況に近づけたいと考えています。

コンプライアンス監査

監査室による業務監査を毎年行っています。その中では、経理業務から安全・環境・産業廃棄物管理およ及び行動規範やコンプライアンスに至る11項目にわたり、規則、要領に従い業務遂行されているか監査手続書に基づき監査を実施し、改善の勧告・提言を行い不正・過誤の防止に努めています。2023年度は20事業所の監査を実施し、495件の勧告・提言を行いました。

2023年度の活動レビュー

教育啓発活動

社内で起きたコンプライアンス問題を題材に、広く従業員に知ってもらいたい一般的な内容と、特定の部門・役職に絞った内容にわけ、方法も教材配布・職場のグループ学習と集合教育に使い分ける工夫をしています。
2023年はハラスメントや品質不正に関する教育を継続するとともに、個人情報保護、有給休暇、労働災害などをテーマとしました。
2023年職場学習
1月 個人情報保護
2月 通報に対応できないケースがあります
3月 有休がとれない
4月 業務要領を守るということ
5月 ハラスメントとしての対応が採られなかった例
6月 営業秘密の持ち出し
7月 飲酒運転
8月 労災について
9月 押印・サインについて
10月 身だしなみ
11月 品質に関する不正防止
12月 通報窓口の設置とお願い

腐敗防止に関する取り組み

横浜ゴムグループ行動指針は「6. 法令のみならず社会規範を守ります」を掲げ、「競争法違反行為や贈賄行為はもとより、法令・ビジネス慣行を逸脱した行為を行いません。」「国の内外を問わず政治・行政と健全な関係を維持し、贈賄を行いません。不当な利益を得る目的でビジネスパートナーに接待、贈答、金銭の供与を行いません。」と宣言し、公務員のみならずビジネスパートナーに対する行為にも言及しています。
また贈収賄防止ポリシーには、対象に「商業贈賄の対象となる民間企業の役員及び従業員その他一切の贈賄罪の客体となりうる者」を加え贈収賄行為を禁止しています。
また、デリケートな取引(贈呈品、接待など)の承認手順に関しても、同ポリシーの「金銭等支出時の留意点」および「金銭等の収受時の留意点」に則って処理しています。
これらについて、横浜ゴムグループの構成員に周知・教育、並びに第三者である取引先にはCSR調達ガイドラインを通じて、周知・啓発することにより、遵守する働きかけと管理・ 監督を行っています。
グローバル内部通報制度は「競争法違反行為」とともに「贈収賄」を防止するため外部窓口を設けてそのような行為を迅速に把握することを目的にしています。
そのため海外の導入予定子会社には、全従業員を対象に事前に教育を実施することにより、制度の実効性を高めるように努めています。

教育実績(2023年度)

(単位:名)
研修機会 人数
独占禁止法研修(カルテル防止) 2,718
独占禁止法研修(優越的地位の濫用規制) 3,399
海外赴任前研修 23
海外拠点長赴任前研修 5
新任管理職研修 21
総計 6,166

従業員の個人情報保護

従業員の個人情報については、使用目的に同意を得て利用し、厳重に管理しています。従業員の個人情報の重要性を認識し、適切な取り扱いをするとともに、情報を保護していくための取り組みを継続して行っている旨を社内イントラネットで従業員に周知しています。

不正行為に対する措置

  • 独占禁止法違反により制裁措置を受けたことはありませんでした。
  • 不正会計、職場での差別、不正行為により制裁措置を受けたことはありませんでした。
  • 環境規制の違反により制裁措置を受けたことはありませんでした。
  • お客さまのデータを紛失してクレームを受けたことはありませんでした。