アニュアルレポート2020

CFOメッセージ

財務の健全性と成長投資の調和を図り、
横浜ゴムグループの持続的成長を支えていきます

松尾 剛太

取締役常務執行役員

健全な財務体質の確保が使命

CFOに求められる役割は会社の状況に応じて多岐に渡りますが、私が一貫して重視しているのが財務の健全性の確保です。成長投資に向けた資金を安定的に調達しつつ、その負担を吸収し、将来的な様々なリスクを最小化していける強固な財務基盤を構築・維持することが重要だと考えています。そのため、バランスシートの健全性の確保、各事業単位でのキャッシュ・フロー創出の最大化に取り組んでいます。また、当社は世界120カ国以上で事業を展開していますので、グローバルでのキャッシュマネジメント体制の確立を進め、横浜ゴムグループ全体での資金の効率化を推進しています。

ATG買収前のD/Eレシオ0.6倍を達成

2019年度は財務面では有利子負債の圧縮を強化し「GD2020」の目標に掲げたD/Eレシオ0.6倍を1年前倒しで達成することができました。この数字は当社最大規模の買収案件であった2016年のATG買収前と同水準です。2016年は私が経理部長に就任した年で、買収により悪化した財務バランスを短期間で買収前のレベルまで戻すことが私自身に課したミッションでした。想定よりも早く財務体質を改善できたことは大きな手応えを感じています。

D/Eレシオの推移

D/Eレシオの推移

※2015年度は日本基準に準拠した数値を記載

次の打ち手への基盤が整う

2019年までに「GD2020」の位置づけである「2020年代における更なる飛躍に備える」に向け、新たな成長の打ち手を実施するための財務基盤は整ってきたと実感しています。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で厳しい事業環境となりますが、当社の健全な財務体質をもってすれば決して乗り越えられない危機ではありません。手元流動性の確保とキャッシュアウトの削減を徹底するとともに、2019年までに確立したグローバル・キャッシュマネジメント体制を進化させ、各地域の状況に応じて最適かつタイムリーな資金分配を行うことで、当社グループの持続的成長を支えてまいります。