アニュアルレポート2021

中期経営計画「YX2023」

横浜ゴムグループは2023年までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」の下、次世代の成長に向けた「変革」に取り組んでいます。

目指す姿:「深化」と「探索」

自動車産業を取り巻く環境はCASE、MaaS、DXなど大変革時代を迎えています。こうした中「YX2023」では既存事業における強みの「深化」と大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、次世代の成長に向けた「変革」を目指します。これにより、2023年度に過去最高の売上収益7,000億円、事業利益700億円を達成します。さらに2025年度には売上収益7,700億円、事業利益800億円とし、過去100年の集大成とすることを目指します。

過去100年の集大成

過去100年の集大成

財務目標

売上収益 7,000億円
事業利益(率) 700億円(10%)
D/Eレシオ 0.4倍
ROE 10%
ROIC 7%
営業キャッシュフロー 2,500億円(3年間累計)
設備投資 減価償却費以内(除く戦略投資)

考え方:「タイヤ消費財の生産財化が進行」

乗用車用などのタイヤ消費財とトラック・バス用、農業機械用などのタイヤ生産財の市場規模はほぼ同等と見込んでいます。今後はCASEやMaaSなどの普及により個人消費の車の減少と人や物の移動を支えるインフラ車両の増加により、タイヤ消費財が「生産財化」していくと予想しています。こうした考えの下、タイヤ消費財事業では「高付加価値商品の販売拡大」に向けた取り組みの「深化」を、タイヤ生産財事業では市場変化の取り込みを「探索」します。

考え方:「タイヤ消費財の生産財化が進行」

タイヤ消費財:「高付加価値品の比率を最大化」

高付加価値商品の主力である「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」の販売比率の最大化を目指し、3つの取り組みを強化します。2023年度には2019年度比「ADVAN」で150%、「GEOLANDAR」で115%、「ウィンタータイヤ」で120%、18インチ以上サイズで155%の販売伸長を計画し、3ブランド合計の販売比率を現在の40%から50%にします。

UHP
 

SUVピックアップ
トラック

WINTER
 

  1. ADVANとGEOLANDARの新車装着の拡大

  2. 補修市場でのリターン販売強化とウィンタータイヤを含む商品のサイズラインアップ拡充

    ブランド力や技術力の証明となる世界的なプレミアムカーへの新車装着に引き続き注力。さらに開発体制の強化や世界トップレベルのモータースポーツ活動への参戦を継続する。

  3. 各地域の市場動向に沿った商品の販売を強化する「商品・地域事業戦略」

    北米では「GEOL ANDAR」、日本ではスタッドレスタイヤ、欧州では「ADVAN」とウィンタータイヤなど各市場動向に合った商品を拡販する。

タイヤ生産財:「市場変化を取り込み、事業をさらに強化」

〈タイヤ生産財の考え方について〉

運輸・物流業界では車両の電動化・無人運転に伴い、運行距離や使用状況に応じて多様な品種のタイヤが求められることが予想されます。例えば人の手に荷物が渡るラストワンマイルでの車両にはノーパンク、ソリッドタイヤが採用される可能性があります。この物流の変革に向けてトラック・バス用タイヤからソリッドタイヤまで当社の強みである幅広い商品ラインアップをさらに拡充し、市場での優位性を確立します。

現在

現在
運転の無人化

将来

将来
  1. コスト

    インドの乗用車用タイヤ工場を「横浜ゴムグループで最も安くタイヤを作る工場」と位置づけ低コストモデルの確立を目指す。タイのトラック・バス用タイヤ工場も低コストモデルでの増産を検討する。

  2. サービス

    タイヤ単体だけではなくサービスのセット提供を推進するため、全国の販売・物流ネットワークを活用してサービスカーの導入を拡大しサービス体制を強化する。

  3. DX

    先進タイヤセンサー開発を加速化し、機能の追加で段階的にサービスや顧客を拡大することで新たな付加価値サービスを創出。この実現に向け異業種とのアライアンス体制を構築する。

  4. 商品ラインアップ

    車両の電動化・無人運転に伴う物流の変革に向け、当社の強みである幅広い商品ラインアップをさらに拡充し市場での優位性を確立する。

〈OHT事業:「さらなる成長ドライバー」として強化〉

横浜ゴム、ATG、愛知タイヤ工業の事業統合とマルチブランド戦略、および積極的な増産投資によりさらに事業を強化し、2025年度に全社利益の3割を占める売上収益1,400億円の事業に育てる。

OHT事業 売上収益 計画

OHT事業 売上収益 計画

〈TBR事業:成長に向けた事業基盤の強化〉

米国ミシシッピ工場の安定供給の確保に努めるとともに増産投資を計画し2025年度に売上収益1,000億円を目指す。

TBR事業 売上収益 計画

TBR事業 売上収益 計画

MB事業:「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」

強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中し、安定収益を確保できる体制を構築。ハマタイト事業は得意分野への集中による事業体質の改善、航空部品事業は構造改革を断行し、時代に見合った事業展開を目指します。

リソース集中による強化・拡大

ホース配管
成長ドライバー

工業資材
安定収益化

事業再構築

ハマタイト
得意分野集中

航空部品
構造改革

経営基盤の強化:「人事戦略」「ESG経営」

〈人事戦略〉

人事制度の変革による経営・管理職層のレベル強化、拠点統合による強い組織作り、働き方改革などを推進します。

1.さらなる成長を実現する人事制度

2.本社・平塚統合によるスピーディな意思決定

生・販・技・物の拠点統合

3.働き方改革

「場所・時間」にとらわれない在宅・フレックス勤務の拡充

〈ESG経営〉

環境配慮商品やカーボンニュートラルへの取り組みに加え、地域社会支援活動、コーポレートガバナンス強化、働きやすい職場作りを図ります。

超軽量化コンセプトタイヤ

超軽量化コンセプトタイヤ

水素充填用ホース

水素充填用ホース

「YOKOHAMA千年の杜」植樹活動

「YOKOHAMA千年の杜」植樹活動