2017 JRX – Japan Rallycross Exhibition Match (2)

日本で初めての、本格的なラリークロス競技会として開催された「ジャパン・ラリークロス – JRX」。このページでは本大会に参戦した選手に、ご感想や将来への期待などをお聞きしました。


新井敏弘 選手 (ラリー)

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ラリーの世界で2回の世界チャンピオンに輝いている新井敏弘選手は、その活動をラリーに留めることなく幅広いモータースポーツカレゴリーへの挑戦を続けている。そのうちのひとつがラリークロスであり、2016年にGRC(グローバル・ラリークロス)への参戦を果たして、現時点で日本人では唯一のメジャーなラリークロスを経験した選手である。そんな新井選手に、まずは今回のJRXエキシビジョンマッチについての感想をお聞きした。

「日本で初めての本格的なラリークロスでしたが、面白かったですね。ラリー以外のカテゴリーを戦っている選手と、同じ土俵で競技をする機会はほとんどありませんから新鮮でした。ただ、真面目に勝とうとすると、車両も含めてもっと真面目にやらないと難しいでしょうね」

今回は、“借り物”の車を駆っての参戦となったことから、あまり無理は出来なかったという新井選手。さらにセットアップなども煮詰めているわけではないので、完全に自分が思うようにコントロ―ル出来なかった部分もあっただろう。

ところで新井選手は、前述のようにGRCへの参戦経験を有する。本場のラリークロスも戦った新井選手に、日本におけるこれからのラリークロス発展に向けたアドバイスもお聞きした。

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「規則を細かい部分まで、詰めていく必要はあるでしょう。車両のイコールコンディション化を図る事でバトルがさらに生まれると思うので、難しいところではありますが検討すべき課題かと思います。今回は、ちょっとパワーの差が大きかった感じがありますね」

厳しいながらも率直な意見を語ってくれた新井選手。もちろんラリークロスの今後には大いに期待しているという。

「今回はちょっとパッシングが難しいコースだったので、そこも修正していけばさらに迫力ある内容になるでしょう。いずれにしても、今回参加してとても面白かったのは事実です。いろいろなカテゴリーから挑戦する人が出てくれば大いに盛り上がるでしょうから、ラリークロスは“アリ”だと思いますよ」



平峰一貴 選手 (レース)

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SUPER GTなどを戦う平峰一貴選手は、末永直登選手が全日本ダートトライアル選手権で使っているトヨタ・86を駆って参戦した。なによりも注目を集めたのは、グラベル区間での平峰選手の走り。最初こそ探っている感じを隠せないドライビングだったが、走行を重ねる毎に飛躍的にタイムアップ。ファイナルを制して表彰式では“平峰劇場”と紹介されていた。

「“平峰劇場”なんて紹介していただきましたが、一発目からスピンをしてしまって……。自分ではやるつもりは無かったのですが、みなさんにとってドラマティックな展開になったのなら有り難いですね」

やはり気になるのは、グラベル路面を競技として走った事があるのかという点。これについてお聞きしてみると……。

「まったくそんな経験はありません(笑)。前日のフリー走行が初めてでしたが、走ってみたら目茶苦茶楽しいですね!! ヨコハマタイヤの特性も熊久保選手から教わっていたので、大いに参考になりました。実際のところはいくつか持ってきたタイヤの中で、ユーズドを装着しました。こういうタイヤを使うタイミングなんかも、勉強させてもらえましたね」

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初めてのグラベルも走った競技だったが、タイヤの使い方も含めて戦略もじっくり練って挑んだ平峰選手。ラリーやダートトライアルを戦う選手が多い中で優勝を飾った事は、レーシングドライバーの面目躍如と言えるだろう。

「ありがとうございます。僕としては結果も嬉しいですし、自分が大好きなヨコハマタイヤを使って優勝を飾れたのは幸せなことです。ラリークロスは舗装路面だけではなく、砂利をどう攻略するのかが勝負どころでもあるので、本当に面白いですね!!」



次回(12月22日掲載予定)は、参加した選手の声・後編をお届けします。