【SUPER GT 第2戦 / 富士スピードウェイ】

初の450kmレースは決勝で二度の赤旗が提示される波乱の展開、予選ではGT500のヨコハマタイヤ勢が速さを見せてフロントローを独占した!!

SUPER GT Round 2

開催日 2022年5月3日-4日
開催場所 富士スピードウェイ
(静岡県)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝距離 100周
(1周=4,563m)
※最大延長時間に達したため、62周で終了
参加台数 43台
(ヨコハマタイヤ装着車 17台)

ゴールデンウィークど真ん中の富士スピードウェイにおいて、SUPER GTの第2戦が開催された。過去2年間は新型コロナウイルスの感染拡大予防から、無観客であったり、入場制限があったりしたが、今年はかなり緩和されて行動制限もなくなったことで、賑わいも取り戻すこととなった。

公式予選でGT300クラスのヨコハマタイヤユーザーは、A組から3台、B組から2台がQ1突破に成功。続いて行われたQ2では、やや苦戦を強いられ、「weibo PrimezランボルギーニGT3」の小暮卓史選手の8番手が最上位で、「グッドスマイル初音ミクAMG」の片岡龍也選手が9番手で続くこととなったが、予選より決勝レースを重視したタイヤを選んでいたこともあり、それぞれ激しい追い上げに期待がかかることとなった。

GT500クラスでは、「リアライズコーポレーションADVAN Z」の佐々木大樹選手が4番手で、そして「WedsSport ADVAN GR Supra」の国本雄資選手が8番手で、前回に続いて揃ってQ1突破を果たす。

続くQ2においては、それまで青空が広がっていた上空に雲が浮かぶようになり、温度が若干下がったことに、それぞれのドライバーがきっちり対応。ライバルの多くが計測3周目からアタックする中、さらにウォームアップを1周加えてからコースを攻め立てた「WedsSport ADVAN GR Supra」の阪口晴南選手がトップに浮上し、もう1周のアタックでわずかながらもタイムアップを果たしてダメ押しに成功。阪口選手にとっては自身二度目の、そしてチームにとってはゴールデンウィークの富士では2年連続、そして昨年の第7戦もてぎ以来となるポールポジションを獲得した。さらに「リアライズコーポレーションADVAN Z」の平手晃平選手が2番手につけて、やはり昨年の第7戦以来となる、ヨコハマタイヤユーザーによるフロントロー独占となった。

今回の決勝は、初の450kmレースとして開催され、途中2回の給油を伴うピットストップが義務づけられている。例年、この時期に行われるレースより50km短いだけながら、その分、攻めのレース展開が要求され、またドライバー交代やタイヤ交換に関する制約はない。さらに言えば、ピットの義務づけによって1スティントを極端なショートとすることも可能。したがってチームの採る戦術や、タイヤの特性が普段のレース以上に重視されるレースとなるはずだった。

ポールポジションに陣取った「WedsSport ADVAN GR Supra」のスタート担当は阪口選手で、2番手グリッドの「リアライズコーポレーションADVAN Z」は佐々木選手が担当。ウォームアップ特性の違いから、それぞれオープニングラップのうちに順位を落としはしたが、そこから先のペースはライバルと遜色なく、きっちりコンスタントに周回を重ねていたのは明らかだった。

他の車が比較的早めに最初のピットストップを行う中、「リアライズコーポレーションADVAN Z」は34周目に平手選手と交代。そして「WedsSport ADVAN GR Supra」に至っては、41周目までピットストップを遅らせ、トップに返り咲いたところで国本選手にスイッチ。ここからが腕の見せどころになるはずだった。

ところが、それから間もなく43周目にFCY(フルコースイエロー)が導入され、次の周にはセーフティカー(SC)が、そして49周目には赤旗が出されてしまう。GT300車両のクラッシュが発生し、ドライバーは無事だったものの、コースサイドのタイヤバリアがひどく損傷したため、修復に時間を要するためだった。この時は20分強の中断で済んだのだが……。

レースは50周目からSCの先導で再開、53周目にグリーンシグナルが灯される。この時点で国本選手は10番手で、平手選手は12番手だったが、2周後にはそれぞれ1ポジションアップ。着々と狙いどおりの展開となっていたはずだった。だが、59周目のストレートで、またもアクシデントが発生。ペースを落として走行していた車両を、トップ争いを繰り広げていた車両が避けきれず、1台がスタンド側のガードレールに激しくヒットしてしまったのだ。これで二度目の赤旗中断が。ドライバーは骨折もなく、無事だとアナウンスが流され、場内が一様にホッと胸を撫で下ろすも、再びガードレールの修復に長い時間を要することに。

この2回目の中断は実に1時間半近くにおよび、再開された時には最大延長時間も迫り、残り10分のレースはSC先導のまま62周目にチェッカーが振られることとなった。そして、上位2台にペナルティが課せられたことにより、「WedsSport ADVAN GR Supra」は6位、「リアライズコーポレーションADVAN Z」は8位で、不完全燃焼な状態でレースを終えた。なお、規定周回数の75%を満たしていなかったこともあり、今回はハーフポイントとなる。

GT300クラスは早いチームで1周目から、4~5周目には数台が最初のピットストップを済ませ、いわゆるアンダーカットを敢行するなど、GT500クラスよりも積極的な作戦が採られていた。「グッドスマイル初音ミクAMG」もその一台。片岡選手のまま、給油だけを行ってコースに送り出されていた。

一方、「weibo PrimezランボルギーニGT3」は2番手に浮上した35周目に、セオリーどおりの展開でピットに戻るも、元嶋選手のまま。再びじわりじわりと順位を上げることが期待されたが、結果的には二度の赤旗中断によって、本領発揮はままならず。5位でのゴールに留まった。また予選14番手からスタートの「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」の藤波清斗選手とJ.P.デ・オリベイラ選手は、7位まで順位を上げたことにより、ランキングトップを守り抜いた。

Drivers’ Voices

国本雄資 選手 (WedsSport ADVAN GR Supra)

【今回の成績 : GT500クラス 6位】

今日はすごく荒れたレースで、僕のスティントは赤旗2回で、ほとんど走らないまま終わってしまいました。大きなクラッシュがありましたが、ドライバーは無事で、大きな怪我がなかったことは不幸中の幸いだったと思います。ポイントを持ち帰ることができたので、そういった意味では良かったですし、予選ではポールポジションも獲れて、ファーストスティントも良いペースで走ってくれていたので、いい戦いができたと思っています。

阪口晴南 選手 (WedsSport ADVAN GR Supra)

【今回の成績 : GT500クラス 6位】

第1スティントを担当して、ウォームアップは厳しいだろうなと予想していました。なんとか堪えようとしてセクター2まで行けたのですが、セクター3で抜かれて順位を下げてしまったのは、すごく反省です。自分でも何かできたことはあったと思うので、そこは次戦に向けての課題だと思っています。レースが落ち着いてきてからのペースは良かったし、前から遅れることはなかったので、そこはプラスとしてとらえています。レースはすごく荒れてしまって、ドライバーは無事で本当に良かったですが、次戦以降はしっかり走り抜いて、今度こそ良い結果を残せるように頑張りたいと思います。

小暮卓史 選手 (weibo PrimezランボルギーニGT3)

【今回の成績 : GT300クラス 5位】

こういうレースで、いろいろバタバタしていたので、僕はほとんど乗っていないんですよ。ただ、元嶋選手がスタートしてペースも最初は良くて、その後は厳しそうな感じもあったのですが、とりあえず左前後輪2本だけ交換してペースもまた上がって、僕に交代というところで終わっちゃいました。開幕戦はポイントを獲れなかったので、その分、この後どんどんポイントを積み重ねていきたいですね。

元嶋佑弥 選手 (weibo PrimezランボルギーニGT3)

【今回の成績 : GT300クラス 5位】

小暮選手のおかげです。全然乗っていないんですけどね(笑)。順当にいっても、うまく行けばこのへんなのかなと思っていたので、うまくまとめられたと思っています。タイヤは、決勝ペースではそんなに負けている感じはしませんでした。僕らのタイヤもすごく改善してくれたので、今後まだまだ引き出しはあると思いますので、今日のレースペースの良さに予選の速さが加われば、まだまだ可能性はあるんじゃないかと思っています。

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