2020 Super-FJ Overview

Super-FJとは

日本のフォーミュラ・レースにおいてボトムレンジに位置しているSuper-FJは、1980年に創設されたFJ1600を前身として長い歴史を刻んでいる。2007年、FJ1600で使われていたエンジンの部品供給が難しくなったこともあり、新たに企画されたのがSuper-FJ。3シーズンの混走による移行期間を経て、2010年からJAF地方選手権として独立開催されるようになり現在に至っている。

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全国各地の主要サーキットでシリーズは開催されており、東北のスポーツランドSUGOから九州のオートポリスまで7サーキットが会場となり各シリーズが組まれる。ただし2020年は、富士スピードウェイで東京オリンピックの開催予定があったことから、富士シリーズは筑波サーキットのシリーズと合同開催のスケジュールで行われる。

各シリーズが終わった後には日本一決定戦が開催され、全国のシリーズを戦ってきた猛者たちが“Super-FJ遣い日本一”の座をかけて競い合う。

また、2019年からは「Super-FJ JAPAN CHALLENGE」と題して、各シリーズ戦を横断的に戦う企画を展開。各シリーズ戦の中から指定された大会を対象に、各大会賞金に加えて独自のポイント集計を行い、シリーズ年間賞も設定される。この企画は各地を転戦することでのスキルアップ向上に寄与するもので、横浜ゴムではドライバー支援として強力なサポートを行っている。

MACHINE =車両概要=

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Super-FJは入門フォーミュラとして、コストと安全性などが巧くバランスされたマシンであると言えるだろう。エンジンはホンダのL15A型、排気量1,500ccの4気筒SOHCで二代目のフィットなどに搭載されてきたものである。

鋼管スペースフレームと鉄板によるセミモノコックのフレームに、このL15A型エンジンや戸田レーシング製のHパターン・ドグミッションを組み合わせたSuper-FJ。そして前身のFJ1600との大きな違いが前後にウイングを備えていることで、これは断面プロフィールを統一してイコールコンディション化を図るとともに、主に若手ドライバーのセッティング能力向上に寄与している。

車両は、ウエストレーシングカーズ、東京アールアンドデー、自動車工房MYSTといった複数のコンストラクターが手がけており、全国各地のシリーズでしのぎを削りあっている。



Super-FJとヨコハマタイヤ

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2007年からJAFの地方選手権シリーズが発足したSuper-FJだが、2010年から現在に至るまでヨコハマタイヤがワンメイクサプライヤーをつとめている。

タイヤはドライ用スリックとウェット用の2種類で、ともにサイズはフロントが150/575R13、リアは170/605R13。規則によりドライ用タイヤ1レースにおいて予選と決勝を通じて1セットのみ使用可能となっており、参戦コストの抑制に加えて、ドライバーのタイヤマネージメント能力向上にもつなげられている。

ヨコハマタイヤでは安定したコントロールタイヤの供給に加えて、前述の「JAPAN CHALLENGE」開催などもサポート。トップカテゴリーから入門カテゴリーまで、幅広くモータースポーツのさらなる発展を支えている。