2018 FIA WTCR China(Wuhan) Report

【FIA WTCR 中国/武漢】

二週連続の中国ラウンドはストリートコースが戦いの舞台、
アウディ勢が速さを見せる展開に週末に!!

FIA WTCR China(Wuhan)

開催日 2018年10月6日-7日
開催場所 武漢国際ストリートサーキット
(中国)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝周回数 Race 1 : 20周
Race 2 : 18周
Race 3 : 23周
(1周=2,984m)
参加台数 25台
2018 FIA WTCR China(Wuhan)

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アジア・ラウンドに入っているFIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)は、中国で二週連続開催というカレンダー。前戦は寧波国際スピードパークという新しいサーキットコースで開催されたが、今回は武漢の市街地を舞台とするストリートバトル。今シーズンこれまでにもモロッコのマラケシュやポルトガルのヴィラ・レアルといったストリートコースでの戦いも行われてきたが、ともにセーフティカー導入もある波乱の展開となっている。

さて、ヒュンダイの圧勝となった前戦だったが、この結果を受けて補正ウェイトが変更されヒュンダイを除く各車のウェイトが大幅に軽減された。ヒュンダイの+60kgに対して主なライバルを見ても、フォルクスワーゲン・ゴルフは+50kgから+20kgへ、ホンダ・シビックは+50kgから+10kgへ、アウディ・RS3は+50kgが+0kgへと軽減されている。

この効果を遺憾なく見せつけたのがドイツ車勢、中でもアウディはフリープラクティス1回目でトップ6に4台が名を連ねた。続く2回目ではフレデリック・バービッシュ選手がトップを奪うと、トップ10に6台が入って速さを見せた。

レース1のグリッドを決する予選でもアウディの速さは不変、ジャン・カール・ベルネイ選手がポールポジションを奪うと、4番手から6番手にもズラリとアウディが並んだ。そんな中で気を吐いたのは2番手グリッドを獲得したセアト・クプラを駆るペペ・オリオラ選手、WTCC時代に最年少デビューを果たしWTCRでもスロバキアの第1レースを制している24歳と、カートやフォーミュラで経験を積んできた30歳のベルネイ選手、いずれが1コーナーを制するかが注目を集めることとなったレース1。

レッドシグナルが消灯、スタートでオリオラ選手をしっかりおさえて1コーナーを制したのはベルネイ選手。その後方ではいくつかの接触もあったが、トップグループには影響無くオリオラ選手はベルネイ選手に食らいついていく。しかし4周目に接触からコース上にストップしたマシンが生じ、セーフティカーが導入された。

仕切り直しのリ・スタート、ここもベルネイ選手がきっちり決めるとラップを重ねる毎にマージンを拡大。そのままベルネイ選手がトップでチェッカー、オリオラ選手、ゴードン・シェデン選手(アウディ)という表彰台の顔ぶれになった。

レース1から一夜明けた日曜日は、ノックダウン方式の公式予選が行われた。Q1こそ2番手にホンダのマー・チンホワ選手が食い込んだが、トップ5でアウディ以外を駆っていたのはマー選手一人だけ。Q2、Q3はトップ4をアウディが独占、最終的なリザルトの最上段にはゴードン・シェデン選手がその名を刻んだ。

レース2はリバースグリッド、ポールポジションはメルディ・ベナニ選手(フォルクスワーゲン)、2番手はマー選手というフロントロー。しかし好スタートを見せたのは3番手から勢い良く前に出たオーレリアン・コンテ選手(プジョー)で、一寸トップを奪う勢いでマー選手を交わして2番手につけてベナニ選手を追走する。

11周を終えてベナニ選手とコンテ選手は1.341秒差、コンテ選手はチャージして背後にピタリとつけてプレッシャーをかけていく。テール・トゥ・ノーズで迎えた最終ラップ、誰もが固唾をのんで見守る中、シケインで両者は接触。ベナニ選手は押されるかたちで姿勢を崩しポジションをドロップ。しかし接触の影響もあったか、その後のバックストレートエンドでコンテ選手が大きくふくらみ再びベナニ選手がトップを奪うと今シーズン初優勝を飾ることに成功した。

レース3は、レース2でスタート直後にクラッシュを喫したシェデン選手がマシンの修復も叶ってポールポジションからレースをスタート。1コーナーへの進入で後方からヒットされる場面もあったが、トップを守ったまま走り続ける。その後方からは5番手スタートのエスティバン・グエリエリ選手(ホンダ)が2番手にジャンプアップ。ところが2台の接触に起因するアクシデントでコース上にマシンがストップ、レース3は早々にセーフティカーが導入されてしまう。

長いセーフティカーランが終わり9周目からレースは再開、しかしグエリエリ選手は序盤の接触による排気系トラブルでポジションを4番手にダウン。シェデン選手、デニス・デュポン選手、バービッシュ選手のアウディ3台がトップグループを形成していくが、11周目にデュポン選手がコーナーリングをミスしてインカット防止のタイヤバリアの衝突、弾かれたバリアがデュポン選手のマシンにヒットしてしまう。

コース上に転がったバリア改修のために、2回目のセーフティカーが導入。リ・スタート後はシェデン選手が、2番手に浮上したバービッシュ選手を振り切ってフィニッシュ、3位にはデュポン選手が入ってアウディ勢が表彰台を独占した。

DRIVER VOICE

ゴードン・シェデン 選手 [Audi Sport Leopard Lukoil Team]

【今回の成績 : Race1 3位、Race2 完走せず、Race3 優勝】
WTCRでの勝利は、決して容易なものではありません。今朝は予選でポールポジションを獲得しましたが、レース2ではアクシデントからステアリングラックを破損するという、大きな浮き沈みがありました。しかしチームが素晴らしい仕事でマシンを修復してくれました。ポールポジションからレース3を戦えると、思っていませんでしたから。レース3はとても難しいものでしたが、デュポン選手はエキサイティングでしたね。結果として私はWTCR初優勝を得て、さらに表彰台をアウディで独占したことで、本当に素晴らしい一日になりました。