2018 FIA WTCR China(Ningbo) Report

【FIA WTCR 中国/寧波】

週末を通じて速さを見せたヒュンダイ勢が優勝を独占、
テッド・ビョーク選手が2レースを制してランキング争いが激化!!

FIA WTCR China(Ningbo)

開催日 2018年9月29日-30日
開催場所 寧波国際スピードパーク
(中国)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝周回数 Race 1 : 13周
Race 2 : 13周
Race 3 : 17周
(1周=4,010m)
参加台数 25台
2018 FIA WTCR China(Ningbo)

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7月中旬に行われた前戦のスロバキアを終えて、長い夏休みに入っていた2018年のFIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)。2ヶ月ほどのインターバルを終えて戦いはアジアラウンドへと移り、その皮切りとして中国の寧波国際スピードパークを舞台とした一戦が行われた。

寧波国際スピードパークは浙江省に造られた新しいサーキットで、昨年はWTCC(世界ツーリングカー選手権)も開催された。しかし決勝は悪天候に祟られてしまい、オープニングレースこそ豪雨の中で成立したが、メインレースはセーフティカースタートから赤旗中断で終了、不成立となっている。

さて、スロバキアまでの戦いを終えた時点でのドライバーポイントランキングをおさらいすると、トップは大ベテランのガブリエレ・タルクィーニ選手で、これを僅か3点差で追うのがイヴァン・ミューラー選手と、WTCC時代を彷彿とさせるトップドライバー同士の競り合いが繰り広げられている。そして3位はノルベルト・ミケリス選手と、ここまでのトップ3をヒュンダイ・i30 N TCR勢が独占している状態だ。4位はホンダ・シビックTCRのヤン・エアラッシ選手、5位がアウディ・RS3 LSMのジャン・カール・ベルネ選手となるが、優勝回数を見てもこれまでの18戦中9戦をヒュンダイが制して強さを見せている。

WTCRでは成績に応じて性能調整が行われ、重量、最低地上高、エンジン最高回転数といった要素でバランスがとられる。ヒュンダイは各項目で他車よりも厳しい設定とされているが、そんなハンデをものともしない速さをフリープラクティスから披露した。

フリープラクティス1回目はトップ2、2回目ではトップ3をヒュンダイ勢が独占。予選でもQ2でエスティバン・グエリエリ選手(ホンダ)がトップを奪った以外は全てヒュンダイが上位を占め、Q3はテッド・ビョーク選手とミケリス選手のワン・ツーとなった。

9月29日(土)のレース1はビョーク選手がポールポジションからスタート、オープニングラップから快走を見せる。一方、2番手スタートのフレデリック・バービッシュ選手(アウディ)はコース中盤にある直線からの左タイトコーナーで3番手スタートのグエリエリ選手にインを奪われてポジションを入れ替えた。

このバトルを尻目に、ビョーク選手は悠々とラップを重ねてウィニングチェッカー。ポルトガルのレース3以来となる今シーズン3勝目を飾り、グエリエリ選手とバービッシュ選手が続いて表彰台を獲得した。

一夜明けて30日(日)のレース2、スターティンググリッドはQ2の上位10台をリバースとして配するためポールポジションはメルディ・ベナニ選手(フォルクスワーゲン)、2番手にミューラー選手というフロントロー。注目のスタートはミューラー選手が貫祿の速さでターン1でトップを奪った。このままミューラー選手は後続を寄せつけない走りでフィニッシュまで運び、レース1に続いてヒュンダイに勝利をもたらした。

ミューラー選手の先行を許したベナニ選手は、2番手のポジションを堅守してフィニッシュ。そして3位表彰台を獲得したのは8番手からスタートしたグエリエリ選手、5番手にポジションを上げると先行する2台の後ろにつけて隙を伺って行った。そして最終ラップに入ったターン2で前の2台が接触してコースオフ、この間に両者をかわしたグエリエリ選手がレース1に続いて表彰台を獲得することに成功した。

ここまでの2レースよりも長い周回で競われるレース3はビョーク選手がポールポジション、2番手はミケリス選手でヒュンダイ勢がフロントローからスタート。オープニングから激しい接近戦が繰り広げられ、軽い接触を伴いながらも3番手スタートのグエリエリ選手がミケリス選手をかわし、ヒュンダイ勢の間に割って入った。しかしその直後にグエリエリ選手はコースオフして、戦線離脱を余儀なくされてしまう。

ミケリス選手も混乱の中でドロップ、替わってポジションを上げたのはタルクィーニ選手とデニス・デュポン選手(アウディ)の二人だった。しかし9周目、縁石の一部に大きな段差が生じたことから、インカットを防ぐための措置をとるためにレースは赤旗が提示されて中断となる。

セーフティカー先導からローリング方式でのリ・スタートとなったが、ビョーク選手はここもしっかり決めてトップを譲ることなくフィニッシュ。レース1に続いて勝利を飾り、2位のタルクィーニ選手とのポイント差を縮めることに成功した。また、3位はデュポン選手となり自身初のWTCR表彰台獲得となった。

DRIVER VOICE

テッド・ビョーク 選手 [Mracing – YMR]

【今回の成績 : Race1 優勝、Race2 7位、Race3 優勝】
レース1はポールポジションからスタートしたことで、素晴らしい内容となりました。仮にポールで無かったとしたら、グエリエリ選手とバービッシュ選手の二人から難しい戦いを強いられたことでしょう。しかし、早い段階で二人を引き離すことが出来たので、彼らのバトルとの間隔を保つことが出来ました。レース3も、スタートから素晴らしいレースになりました。中断はありましたが、リ・スタートも心配することなく前半と同じようなペースで走りました。車のセットアップも完璧でしたし、昨年のWTCCで豪雨の中を走った経験も活かすことが出来ました。