【FIA WTCR スロバキア/スロバキアリンク】
FIA WTCR Slovakia
開催日 | 2018年7月13日-15日 |
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開催場所 | スロバキアリンク (スロバキア) |
天候 | 晴れ |
路面 | ドライ |
決勝周回数 | Race 1 : 11周 Race 2 : 9周 Race 3 : 13周 (1周=5,922m) |
参加台数 | 26台 |
4月に開幕したFIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)は、ヨーロッパラウンドの締めくくりとなる大会がスロバキアを舞台に開催された。この第6大会、当初はアルゼンチンでの開催が予定されていたものだが、6月にFIA(国際自動車連盟)が中止を正式に決定。その代替として、スロバキアリンクでの開催となったのである。
スロバキアリンクは2009年にオープンした全長5,922mの国際公認コースで、WTCRの前身となるWTCC(世界ツーリングカー選手権)が2012年に初開催された。以降、2016年まで5シーズンに渡って開催され続けたコースであり、WTCC時代からのファンにとってはお馴染みと言えるだろう。
7月13日(金)に行われたフリープラクティス、1回目はトム・コロネル選手、2回目はヤン・エアラッシ選手がそれぞれトップタイムをマーク、ホンダ勢が速さを見せる結果に。しかし夕方の予選では、ヒュンダイのガブリエレ・タルクィーニ選手が唯一の2分09秒台でトップに立った。2番手はオーレリアン・コンテ選手のプジョー、そして3番手はセアト・クプラのペペ・オリオラ選手というオーダーになった。
開幕のモロッコで2勝、続く第2大会のハンガリーでも1勝を挙げたタルクィーニ選手がポールポジションからスタートする、14日(土)の昼に行われたレース1。タルクィーニ選手に注目が集まったが、スタートでコンテ選手とオリオラ選手の後塵を拝し、ターン1へのアプローチで3番手にドロップした。
2周目に入り、ターン2でオリオラ選手がインからコンテ選手をかわしトップに立つと、ターン4では3番手に浮上していたアウディのジャン・カール・ベルネ選手がアウトから仕掛けてコンテ選手とサイド・バイ・サイド状態に。この後、タルクィーニ選手も含めて激しい2番手争いが繰り広げられる中、オリオラ選手がトップを守ってクプラにとってもWTCR初となるウィニングチェッカーを受けることに成功した。
レース1終了後、15時すぎに行われたQ1からQ3。このノックアウト方式の予選において、終始トップタイムを刻んだのはノルベルト・ミケリス選手(ヒュンダイ)、これに続く2番手がコンテ選手、そして3番手はイヴァン・、ミューラー選手(ヒュンダイ)というトップ3になった。
今回は前述のとおりシーズン途中での開催決定となったスロバキア、元々日程が組まれていたFIA ETRC(ヨーロッパ・トラックレーシング選手権)との併催ということもあり、変則的なスケジュールが組まれた。レース2は土曜日の19時に、決勝レースのスタートを迎えたのである。もちろんナイトレースというわけではなく、緯度の関係から“夕陽が沈みゆく中での一戦”といったシチュエーションだ。
リバースグリッドのレース2で、ポールポジションに陣取ったのはノルベルト・ナギー選手。グリーンの車体が存在感を見せるクプラ、その隣にはタルクィーニ選手のヒュンダイというフロントロー。この2台がサイド・バイ・サイドでターン1を駆け抜けてレースがスタート、じわじわとマシンを前に出したタルクィーニ選手がトップを奪った。
トップに立ったタルクィーニ選手は、後続に付け入る隙を与えることなくレースをリード。一度もトップを譲ることなくフィニッシュまで運び、最後は2.150秒の差をつけて今シーズン4勝目を獲得した。また、ナギー選手も2位を守りきって自己最上位、そして3位はミューラー選手という表彰台の顔ぶれになった。
レース3のスタートは、15日(日)の11時45分。11周のレース3もコンディションはドライ、スロバキアはレースウィークを通じて好天に恵まれた中での一戦となった。
ポールポジションからスタートしたのはミケリス選手、 順当にターン1をトップで通過する。その後ろはコンテ選手、ポジションをひとつあげたミューラー選手が続く。そして“大外刈り”でアウトから一気に4番手へポジションを上げたのが7番手スタートのフレデリック・バービッシュ選手(アウディ)だった。ところがこの4台の後方で、接触に端を発する大量のコースオフが発生。セーフティカーが導入されてレースは仕切り直しとなる。
5周目からレースは再開、ところがそのリ・スタートを前にして2番手のミューラー選手は左フロントのホイールが脱落してまさかのコースオフ、レースを終えるという展開に。これによりプレッシャーのひとつから解放されたミケリス選手がリ・スタートも綺麗に決めてトップでフィニッシュ、WTCR初優勝を飾ることに成功。2位はコンテ選手、そして3位にはリ・スタート時点で5番手だったテッド・ビョーク選手が(ヒュンダイ)が順位を上げて表彰台を獲得した。なお、レース3は終了後に抗議が提出されたことから、リザルトは暫定とされている。
【今回の成績 : Race1 23位、Race2 7位、Race3 優勝】
私は、WTCR初優勝の時を待ち続けていました。この週末、マシンの感触は良かったのですが、レース1はスタートのポジションが良くありませんでした。しかし、このレース3ではWTCR初優勝という、本当にハッピーな結果になりました。ここがシリーズにおける反撃の始まりとなることを願っています。チャンピオン争いではたくさんの浮き沈みがありましたが、後半戦で巻き返していきたいですね。