【FIA世界ツーリングカー選手権 第17&18戦/もてぎ (日本)】
WTCC Japan
(Motegi)
開催日 | 2015年9月11日-13日 |
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開催場所 | ツインリンクもてぎ (日本) |
コース距離 | 4,801m | 決勝予定周回数 | 13周×2レース |
ポルトガルでの第8大会(第15&16戦)から、2ヶ月以上の夏休みに入っていた2015年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。長い休みもようやく明けてシリーズはアジア・中東での4戦に突入、その皮切りとなるのが2008年から8回目の開催を数える日本ラウンドである。
これまで岡山国際サーキットで3回、鈴鹿サーキット・東コースで3回、同・フルコースで1回開催されてきた日本ラウンド。8回目となる今回は舞台を栃木県のツインリンクもてぎに移し、関東地区に初めてWTCCがやって来る運びとなった。
2015年のカレンダーとしては、ドイツのニュルブルクリンク、ポルトガルのヴィラ・レアルに続いて3回目の初開催コース。さらにこの後、タイのチャーン国際サーキット、そして最終戦はカタールのロサイルと、初めてとなる戦いの舞台が立て続けに用意されている。
現役のWTCCドライバーで、初開催コースでの勝率が高いといえばラーダのロブ・ハフ選手。市街地コースも得意とするハフ選手だが、今年に限って見ればここまでで初開催コースとなっているニュルブルクリンクとヴィラ・レアルの合計4レースで、ホセ・マリア・ロペス選手が2勝を挙げ、イヴァン・ミューラー選手とマー・チンホワ選手がそれぞれ1勝を手中におさめている。つまり、やはりタイトル争いをリードしているシトロエン勢が強さを見せているわけで、やはりシトロエンを軸にレース展開を予想していくのが王道であると言えるだろう。
WTCCを長くご覧になられている熱心なファンであればお気づきかと思うが、過去を振り返ってみると各ドライバーやチーム、マニュファクチャラーにとって故郷で開催される大会では勝率が高いというデータがある。例えば目下シリーズリーダーのロペス選手は故郷アルゼンチンでWTCCデビューウィンを飾っているし、ノルベルト・ミケリス選手もハンガリーでの勝率は高い。
この事実から言えることは、ツインリンクもてぎでの日本ラウンドにおいて、ホンダ勢への期待がますます高まるということだ。昨年の鈴鹿・フルコースでは第2レースでガブリエレ・タルクィーニ選手が優勝。意外にもこれがタルクィーニ選手にとって初めての日本での優勝だったが、鈴鹿というホンダのホームコースで受けたファンの声援が後押しになったとも言えるだろう。さらに2013年も第1レースでシビックを駆るミケリスが優勝しており、2012年のテスト参戦を除くとホンダは確実に日本ラウンドで勝利を挙げてきている。
一方、過去8回の日本ラウンドを振り返ってみると、ドライバー別最多勝利を記録しているのは3勝を挙げているトム・コロネル選手(シボレーRML)。岡山国際、鈴鹿・東コース、同・フルコースと、満遍なく1勝ずつを飾っており、日本での経験値の豊かさを武器にしているとも読み取れる。もちろん、ツインリンクもてぎについても全日本F3選手権で優勝を飾った経歴の持ち主であることは特集記事でもご紹介した通りで、今回も日本での戦いぶりには注目したい存在だ。
【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第16戦終了時点)】
順位 | No. | ポイント | ドライバー | 車両 | チーム |
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1 | 37 | 322 | ホセ・マリア・ロペス | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
2 | 68 | 267 | イヴァン・ミューラー | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
3 | 9 | 230 | セバスチャン・ローブ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
4 | 33 | 146 | マー・チンホワ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Citroen Total WTCC |
5 | 5 | 141 | ノルベルト・ミケリス | ホンダ・シビック WTCC | Zengo Motorsport |
6 | 2 | 138 | ガブリエレ・タルクィーニ | ホンダ・シビック WTCC | Honda Racing Team JAS |
7 | 18 | 124 | ティアゴ・モンテイロ | ホンダ・シビック WTCC | Honda Racing Team JAS |
8 | 3 | 76 | トム・チルトン | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
9 | 7 | 72 | ヒューゴ・ヴァレンテ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
10 | 12 | 58 | ロブ・ハフ | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
11 | 25 | 51 | メルディ・ベナニ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Sebastien Loeb Racing |
12 | 4 | 33 | トム・コロネル | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
13 | 10 | 23 | ニッキー・キャツバーグ | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
14 | 26 | 16 | ステファノ・ディアステ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INKL.COM Munnich Motorsport |
15 | 46 | 16 | ヤープ・ヴァン・ラーゲン | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
16 | 15 | 6 | ジェームス・トンプソン | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
17 | 27 | 5 | ジョン・フィリッピ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
18 | 29 | 5 | ネストール・ジロラミ | ホンダ・シビック WTCC | Nika Racing |
19 | 19 | 4 | リカルド・リデル | ホンダ・シビック WTCC | Nika International |
20 | 11 | 2 | グレゴアール・ドゥムースティエ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Craft Bamboo |
21 | 8 | 1 | サビーネ・シュミッツ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INKL.COM Munnich Motorsport |
22 | 98 | 0 | ドゥサン・ボルコビッチ | ホンダ・シビック WTCC | Proteam Racing |
23 | 14 | 0 | ミハイル・コズロフスキー | ラーダ・ヴェスタ WTCC | LADA Sport Rosneft |
24 | 70 | 0 | マト・ホモラ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第16戦終了時点)】
順位 | No. | ポイント | ドライバー | 車両 | チーム |
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1 | 5 | 123 | ノルベルト・ミケリス | ホンダ・シビック WTCC | Zengo Motorsport |
2 | 3 | 98 | トム・チルトン | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
3 | 25 | 91 | メルディ・ベナニ | シトロエン・C-エリーゼ WTCC | Sebastien Loeb Racing |
4 | 7 | 80 | ヒューゴ・ヴァレンテ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
5 | 4 | 63 | トム・コロネル | シボレーRML・クルーズ TC1 | ROAL Motorsport |
6 | 26 | 54 | ステファノ・ディアステ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INKL.COM Munnich Motorsport |
7 | 27 | 47 | ジョン・フィリッピ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
8 | 11 | 45 | グレゴアール・ドゥムースティエ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Craft Bamboo |
9 | 9 | 9 | ザビーネ・シュミッツ | シボレーRML・クルーズ TC1 | ALL-INCL.COM Munnich Motorsport |
10 | 98 | 5 | ドゥサン・ボルコビッチ | ホンダ・シビック WTCC | Proteam Racing |
11 | 70 | 4 | マト・ホモラ | シボレーRML・クルーズ TC1 | Campos Racing |
1997年8月にオープンしたツインリンクもてぎは、ロードコースとオーバルコースを併せ持つ世界でも珍しいレーシングフィールド。4.801kmのロードコースは直線をタイトなコーナーでつないだ典型的なストップ・アンド・ゴー・タイプのレイアウトで、ブレーキングとコーナー脱出のトラクション性能が勝敗を左右する重要な鍵となる。
WTCCは初開催となるので過去の公式データは存在しないが、参考として各カテゴリーのコースレコードを見ていこう。SUPER GTのGT500は日産・GT-Rの1分38秒258、GT300はメルセデス-ベンツ・SLSの1分47秒717で、ともに2014年にマークされている。スーパー耐久ではGT-XクラスがBMW・Z4で1分50秒774、こちらは今年の3月にマークされた。そしてST-2クラスは三菱・ランサーの2分00秒523、2009年の記録である。ちなみに、昨年の鈴鹿・フルコースでWTCCのレコードタイムはロペス選手(シトロエン)の2分05秒439。SUPER GTはGT500が1分48秒629、GT300が1分59秒115、スーパー耐久はST-Xが2分02秒728、ST-2が2分14秒159となっている。