2015 WTCC Round 13&14 Preview

【FIA世界ツーリングカー選手権 第13&14戦/ポール・リカール (フランス)】

[Preview] 2年目の開催となるフランスのポール・リカールは、WTCCらしい接近戦に適した舞台!!

WTCC France
(Paul Ricard)

開催日 2015年6月26日-28日
開催場所 ポール・リカール
(フランス)
コース距離 3,841m
決勝予定周回数 16周×2レース
2015 WTCC 第13&14戦 プレビュー

シリーズも折り返し、この週末のフランスから後半戦に突入するWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)舞台となるのは、昨年からカレンダーに加わったポール・リカールである。酒造メーカー創立者の名を冠したこのサーキットは1970年にオープンし、F1のフランス・グランプリも開催されてきた。しかし2002年に大幅な改修を受けるとともに、テスト専用のコースとして再出発。その後、再びレースも開催されるようになり、昨年からはWTCCもカレンダーに加わったという経緯がある。

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最大全長は5,809mだが、実に多くのレイアウトを実現出来るという特徴があるポール・リカール。WTCCは1980年代後半にF1が開催されたレイアウトに近い、3,841mのショートトラックレイアウトで競われる。もっとも、F1が開催されていた頃とは異なり、ミストラル・ストレートにはシケインも設けられる。それでも、シケインを通過した後にストレートを駆け抜け、そのまま右ターンの「シーニュ」へと飛び込んでいく様はアグレッシブ。パッシングポイントも多いため、WTCCらしい接近戦を楽しめるコースのひとつであると言えるだろう。



2014年はロペス選手が、最後尾スタートから優勝を飾った!!

ポール・リカールがWTCCらしい接近戦を楽しめるコースであることは前述の通りだが、昨年の結果を振り返ると実に興味深いことがわかる。2014年はシリーズ第2大会(第3&4戦)として開催されたポール・リカール、その勝者は第1レースがイヴァン・ミューラー選手、第2レースがホセ・マリア・ロペス選手でシトロエンが両レースを制している。

勝者だけを見れば、昨年からシトロエンが見せる強さからして順当と言えるところ。しかし注目すべきは第2レースを制したロペス選手で、実にスターティンググリッドはペナルティにより18番手と最後尾だったのである。

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決勝はホンダ勢が序盤をリードするも、シトロエン勢が激しく追走。4周目にはロペス選手が4番手にまで浮上、7周目には2番手に躍進する。その後、セーフティカーが導入されたが、これによってトップを走っていたティアゴ・モンテイロ選手のマージンが帳消しとなったこともあり、リ・スタートから間もなくしてロペス選手がモンテイロ選手をかわし、そのままマシンをウィニングチェッカーへと運んでいる。

18番手スタートからの優勝は、11年にわたるWTCC史の中で最もジャンプアップしての勝利。ちなみに昨年、ロペス選手はアルゼンチンでも第2レースで10番手スタートからの優勝を飾っている。このことからも、ポール・リカールの特に第2レースは大きな順位変動の可能性も高く、仮に有力選手が後方グリッドに沈んだとしても、そのレース運びからは目が離せない展開となるだろう。



【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第12戦終了時点)】

順位 No. ポイント ドライバー 車両 チーム
1 37 239 ホセ・マリア・ロペス シトロエン・C-エリーゼ WTCC Citroen Total WTCC
2 68 209 イヴァン・ミューラー シトロエン・C-エリーゼ WTCC Citroen Total WTCC
3 9 178 セバスチャン・ローブ シトロエン・C-エリーゼ WTCC Citroen Total WTCC
4 18 108 ティアゴ・モンテイロ ホンダ・シビック WTCC Honda Racing Team JAS
5 2 96 ガブリエレ・タルクィーニ ホンダ・シビック WTCC Honda Racing Team JAS
6 5 86 ノルベルト・ミケリス ホンダ・シビック WTCC Zengo Motorsport
7 33 84 マー・チンホワ シトロエン・C-エリーゼ WTCC Citroen Total WTCC
8 3 61 トム・チルトン シボレーRML・クルーズ TC1 ROAL Motorsport
9 12 55 ロブ・ハフ ラーダ・ヴェスタ WTCC LADA Sport Rosneft
10 7 55 ヒューゴ・ヴァレンテ シボレーRML・クルーズ TC1 Campos Racing
11 25 46 メルディ・ベナニ シトロエン・C-エリーゼ WTCC Sebastien Loeb Racing
12 4 27 トム・コロネル シボレーRML・クルーズ TC1 ROAL Motorsport
13 26 16 ステファノ・ディアステ シボレーRML・クルーズ TC1 ALL-INKL.COM Munnich Motorsport
14 10 13 ニッキー・キャツバーグ ラーダ・ヴェスタ WTCC LADA Sport Rosneft
15 46 11 ヤープ・ヴァン・ラーゲン ラーダ・ヴェスタ WTCC LADA Sport Rosneft
16 15 6 ジェームス・トンプソン ラーダ・ヴェスタ WTCC LADA Sport Rosneft
17 27 5 ジョン・フィリッピ シボレーRML・クルーズ TC1 Campos Racing
18 19 3 リカルド・リデル ホンダ・シビック WTCC Nika International
19 11 2 グレゴアール・ドゥムースティエ シボレーRML・クルーズ TC1 Craft Bamboo
20 8 1 サビーネ・シュミッツ シボレーRML・クルーズ TC1 ALL-INKL.COM Munnich Motorsport
21 29 1 ネストール・ジロラミ ホンダ・シビック WTCC Nika Racing
22 70 0 マト・ホモラ シボレーRML・クルーズ TC1 Campos Racing
23 98 0 ドゥサン・ボルコビッチ ホンダ・シビック WTCC Proteam Racing
24 14 0 ミハイル・コズロフスキー ラーダ・ヴェスタ WTCC LADA Sport Rosneft

【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第12戦終了時点)】

順位 No. ポイント ドライバー 車両 チーム
1 5 83 ノルベルト・ミケリス ホンダ・シビック WTCC Zengo Motorsport
2 3 74 トム・チルトン シボレーRML・クルーズ TC1 ROAL Motorsport
3 25 67 メルディ・ベナニ シトロエン・C-エリーゼ WTCC Sebastien Loeb Racing
4 7 62 ヒューゴ・ヴァレンテ シボレーRML・クルーズ TC1 Campos Racing
5 26 45 ステファノ・ディアステ シボレーRML・クルーズ TC1 ALL-INKL.COM Munnich Motorsport
6 4 41 トム・コロネル シボレーRML・クルーズ TC1 ROAL Motorsport
7 27 37 ジョン・フィリッピ シボレーRML・クルーズ TC1 Campos Racing
8 11 33 グレゴアール・ドゥムースティエ シボレーRML・クルーズ TC1 Craft Bamboo
9 9 9 ザビーネ・シュミッツ シボレーRML・クルーズ TC1 ALL-INCL.COM Munnich Motorsport
10 98 5 ドゥサン・ボルコビッチ ホンダ・シビック WTCC Proteam Racing
11 70 4 マト・ホモラ シボレーRML・クルーズ TC1 Campos Racing

CIRCUIT

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ポール・リカールは大規模な改修から既に13年を経過。しかし、近年はレースが再開されていることから、路面についても良好なコンディションを保たれている。路面そのものは比較的ザラザラとしているが、コーナーのライン上は石が磨かれてツルツルした感じになっており、これは典型的なヨーロッパのサーキット路面における特徴とも言える。

2014年は第1レースが小雨/ウェット、第2レースが曇り/ドライというコンディションで行われた決勝レース。予選はドライコンディションだったが、ここでマークされたコースレコードはシトロエンのイヴァン・ミューラー選手による1分29秒566(平均車速 154.38kph)。決勝ファステストラップは、やはりシトロエンのホセ・マリア・ロペス選手がマークした1分31秒468(平均車速 151.174kph)となっている。