2015 JAF CUP GYMKHANA Report

【JAFカップジムカーナ/名阪】

ウェットコンディションの名阪スポーツランドで
ADVAN A050がSA1クラスとSA2クラスの上位を席巻!!

JAF CUP GYMKHANA

開催日 2015年11月7日-8日
開催場所 名阪スポーツランド・Cコース
(奈良県)
天候
路面 ウェット
参加台数 198台
(ヨコハマタイヤ装着車 49台)
2015 JAF CUP ジムカーナ

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

[Photo]

全国8地域で開催されているJAF地方ジムカーナ選手権と、全日本ジムカーナ選手権の上位入賞者が戦うJAFカップオールジャパンジムカーナ。名前の通り、「JAFカップ」という銀杯が優勝者にだけ与えられるこの大会は、選手たちにとって全日本の1戦で勝利するよりも特別な意味を持っている。

今年の舞台は日本のほぼ中心に位置する奈良県山添村の名阪スポーツランド。東西からの高速道路によるアクセスの良さに加え、フェリーでの移動もしやすい。そのため、北海道や九州、沖縄からはるばるやってくる選手も含めて規定いっぱいの180台、併設クラスとしてB車両によるクラス、レディースクラス、2013年限りで廃止となったDクラスも成立し、全部で200台(出走198台)という、近年のジムカーナで最も規模の大きな大会となった。

出場台数の多さに加えて、決勝日の天気予報がほぼ雨模様と予想されたこともあり、主催者は土曜日の練習走行のコースよりも短いウェットコースを採用。前半は、様々な形の島回りをつなぎ合わせたテクニカルセクションで、540度のパイロンターンを配置。後半には連続S字から奥のヘアピンを逆走で抜ける“踏める”セクションが用意された。パイロンターンは観客席からも近く、雨にもかかわらず集まった大勢の観客の眼前で披露される見せ場。そんな一発のパイロンテクニックと、高速セクションでアクセルを踏めるマシンセッティングの両方が問われるコースになっていた。

決勝当日の天候は予報どおり雨。このレインコンディションに加え、低い路面温度、テクニカルコースという3つの要素をどう攻略するかが、勝負の行方に大きく影響した。

各地区の若手からベテランまで様々な年齢層が集まり、全日本戦でも熱い戦いが繰り広げられているSA1クラスでは、関東地区チャンピオンのベテラン松瀬篤弘選手、北海道地区2位の小武拓矢選手、北海道地区チャンピオンの阿戸幸成選手に加え、5位までをADVAN A050 G/2Sコンパウンドユーザーが独占。全日本勢を破って優勝した松瀬選手は「どんな路面でも乗りやすく扱いやすいG/2Sコンパウンドと雨の組み合わせが勝利につながった」と語った。

全日本戦では後輪駆動のRX-7やNSXが大多数を占めるSA2クラスでは、中部地区チャンピオンの大須賀義外選手、同じく中部地区4位の畠山純綱選手という、インテグラタイプRを駆るふたりが1-2フィニッシュ。このふたりもADVAN A050のユーザーだ。大須賀選手が言う「滑っても前に出てくれる」ADVAN A050が、JAFカップでの大金星に貢献した。

また、SA3クラスは北海道から遠征してきた村上公一選手が地元選手に次ぐ2位に入賞。マシンにもコースにも慣れない中で、扱いやすさに定評のあるADVAN A050のG/2Sコンパウンドが、村上選手をサポートした。

さらに、PN2クラスでは中部チャンピオンの下原幸登選手、PN4クラスでは関東2位の小野田了選手がともに2位と健闘。ADVAN NEOVA AD08Rの排水性の良さと走り出しからグリップする特性を生かして、第1ヒートでトップタイムをマーク。様々な要因が絡み第2ヒートでのタイムアップは叶わなかったものの、いずれも第1ヒートのタイムで2位の座を獲得した。

路面μが比較的低い名阪スポーツランドと雨という組み合わせの中で、走りなれていない遠征組の活躍を、ヨコハマタイヤが下支えすることができたと言える結果となった。

DRIVER VOICE

松瀬篤弘 選手 [PSカワイBPF六厘舎☆CRX]

【今回の成績 : SA1クラス 優勝】
JAFカップに出るのは7回目ですが、最高位も4位でしたし、どうやったら優勝できるか悩んできたので、今回の優勝は本当に嬉しく思っています。実は名阪スポーツランドを走るのも初めてだったので、攻略法を考えて悩むよりは、しっかり自分の走りをしようと心がけました。タイヤはウェットコンディションでしたので、ADVAN A050のG/2Sコンパウンドを使用しました。ウェットだったのでタイヤ選択に迷いはありませんでした。ADVAN A050はどんな路面でも乗りやすいオールマイティなタイヤなので、今回もしっかり走ることができたと思っています。

大須賀義外 選手 [ADVAN インテグラ Dマスター]

【今回の成績 :SA2クラス 優勝】
JAFカップは17年目なのですが、どうしてもJAFカップが欲しくて、今回ようやく獲ることができました。ウェットコンディションならFFでも大パワー車と対等に勝負できるので、雨が降ってくれたのも勝因ですね。名阪は5年ぶりだったので、過去の経験はほとんど忘れてしまいましたが、自分の提唱する「最短距離・最速理論」を実践できたのも勝因だと思います。自分はヨコハマファンで、ADVAN A050は滑っていても確実に前に出てくれるタイヤなので、今回の優勝はタイヤのおかげでもあると思っています。

下原幸登 選手 [ADVAN速心シビックZEST]

【今回の成績 :PN2クラス 2位】
タイヤはADVAN NEOVA AD08Rを使用しましたが、今回のコースはターンの場所にカント(路面の傾き)があり非常に難しい設定でした。でも、ADVAN NEOVA AD08Rは排水性も良く、ウェットでもしっかりとパフォーマンスを発揮してくれたのが今回の好成績につながりました。優勝できなかったのは非常に残念ですが、得るものは大きかったと思います。来年も中部チャンピオンを目指して頑張ります。

小野田了 選手 [ADVAN STP α ランサー]

【今回の成績 :PN4クラス 2位】
第1ヒートはトップタイムをマークすることができたのですが、第2ヒートはターンでミスしてしまったのが残念です。ただ、使用したADVAN NEOVA AD08Rはウェットコンディションにもかかわらず、第1ヒートから非常に高いグリップを発揮してくれました。2位だったものの、JAFカップでは来季につながる走りができたと思っていますので、非常に有意義な戦いでした。

小武拓矢 選手 [元TUMC・CRX艶々]

【今回の成績 :SA1クラス 2位】
JAFカップは4回目の出場ですが、今回の2位は今までの最上位なのでうれしいです。昨年までは関東で走っていたのですが、仕事の関係で北海道に転勤になり、北海道地区のシリーズ2位で出場しました。関東にいた頃も名阪のウェットコンディションは走ったことがなく、北海道の地区戦でも今年は一度もウェットがなかったので、実はADVAN A050のG/2Sコンパウンドを使用したのは今季初めてでした。ですが、非常に乗りやすいタイヤだと感じたので、思い切りアクセルを踏むことができました。ヨコハマタイヤはどんな条件でも裏切られることがないタイヤだと思いますし、それが今回の結果につながったのだと思います。

畠山純綱 選手 [ADVANNT・BOXインテグラ]

【今回の成績 :SA2クラス 2位】
自分ではウェットの走りは得意だと思っていたのですが、テクニカルセクションの進入でミスをしてしまいました。優勝した大須賀選手とはいつも中部地区で争っているのですが、なかなか勝つことができず、今回もやはり負けてしまったので非常に悔しい思いです。JAFカップは初めての出場でしたが、使用したADVAN A050のG/2Sコンパウンドの性能が非常に高く、逆にミスを犯してしまいました。今季は中部地区のSA2クラス4位でしたが、来年はぜひチャンピオンを目指したいと思います。

村上公一 選手 [team南国ディライトランサー]

【今回の成績 :SA3クラス 2位】
JAFカップは5度目の出場になりますが、今回の2位はかなりうれしく思っています。全日本8位の権利で出場しましたが、自分の地元である北海道ではSA3クラスが成立しないので、全日本戦も含めて走る場所を求めて遠征してきました。名阪を走るのは3回目であまり慣れていなかったのですが、使用したADVAN A050のG/2Sコンパウンドが非常に乗りやすいタイヤなので気にいっていますし、タイヤのパフォーマンスおかげで今回の成績が出たのだと思います。

FEATURED DRIVER

■SA1クラス : 佐藤勇人 選手

北海道から遠征してきたのがSA1クラスにEK9シビック タイプRで出場した佐藤勇人選手だ。「最初はFC3S RX-7のストリート仕様に乗っていました。こういうクルマに乗っているなら格好良く乗りたいと思い、最初はレースをやりたかったのですが、レースはクラッシュするリスクが高いですし、ラリーやダートラも考えましたが、やはり壊す危険性がある。クルマを壊さず楽しくモータースポーツができると思い、ジムカーナを始めました」


そんな佐藤選手は現在、シビックでJAF北海道ジムカーナ選手権のSH1クラスに出場している。北海道は参加台数が少ないこともあり、全日本戦のSA1クラス、SA2クラス、N1クラスに相当する車両の混走クラスがSH1クラスとなっている。今季はシリーズランキング2位を獲得してJAFカップ出場の権利を得た。

「JAFカップは初めて出場しました。昨年も出場する権利はあったのですが、諸事情により参加できなかったので、今年こそ出場したいと思ったのです。ただ、自信はまったくありませんでしたが(笑)」

今回の佐藤選手の成績も第1ヒートにパイロンタッチを喫したこともあり17位と低迷したが、佐藤選手としては大いに意義のある大会になったはずだ。

「今回はADVAN A050のG/2Sコンパウンドを使用しましたが、ヨコハマタイヤはADVAN A050が発売された時から使っています。当時、新しいタイヤが出たと思って使い始めたのですが、実際に使ってみると誰が乗っても乗りやすいタイヤだと思いますし、自分としても気にいっています」

佐藤選手の目標はやはり「日本一」だそうだが、「その前にまず地区戦で1勝したいです。そして地区戦のチャンピオンを獲ってから全日本戦にも挑戦したいです」と夢は大きい。ぜひそのステップアップが実現することを祈りたい。

TECHNICAL INFORMATION

名阪スポーツランドではカートなどが走っていることもあり、路面にラバーや2ストエンジン特有のオイルが乗った状態になる。そこに雨が降るとさらに滑りやすくなるため、雨の名阪を攻略するにはその滑りやすい路面を把握することが必要だ。また、過去に何度か行われてきた路面の補修により、滑る路面とグリップする路面がパッチ状に点在しており、慣熟歩行でその路面状況を見極めることが、攻略のカギとなる。

今回のJAFカップは雨に見舞われたが、PN部門で使われるADVAN NEOVA AD08Rはドライ性能だけでなく、今回のような路面温度が低い状態の雨も考慮した作りとなっており、排水性の良さも武器として、ヨコハマタイヤユーザーの上位入賞を後押しした。また、低温域からグリップ力を発揮する上に、比較的路面ミューが低めの名阪スポーツランドは、ADVAN A050の低温向けコンパウンドであるG/2Sにマッチしている。特に、G/2Sは今年マイナーチェンジを受けており、雨の鈴鹿ラウンドでもその実力を見せつけている。そのため、FF、FR、4WDなどの駆動方式を問わず、ADVAN A050を4輪に装着した選手が、N部門、SA部門で活躍した。

雨の中でも的確にマシンを操れるコントロール性の高さと、スタート直後の180度ターンからグリップを感じ取れる扱いやすさが、ヨコハマタイヤが気候が異なる全国のジムカーナ選手に愛される理由と言えるだろう。