2015 J-F3 Round 8&9 Report

【全日本F3選手権 第8戦&第9戦/富士】

第8戦では2番手スタートの山下健太選手が逆転で、
第9戦ではP.P.スタートのキャシディ選手がそれぞれ今季4勝目をマーク!!

Japanese F3 Round 8&9

開催日 2015年6月6日-7日
開催場所 富士スピードウェイ (静岡県)
天候 第8戦:曇り
第9戦:曇り
路面 第8戦:ドライ
第9戦:ドライ
決勝周回数 第8戦:15周
第9戦:21周
(1周=4,563m)
参加台数 15台
2015 全日本F3選手権 第8&9戦

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熱戦続く全日本F3選手権も、いよいよシリーズ中盤戦に突入。富士スピードウェイを舞台とする第4大会が、6月5〜6日に開催された。公式スケジュールに先駆けて行われる金曜日の公式練習では、ルーキーの福住仁嶺選手が最速タイムを記録。そして、F3-Nクラスでは岡山国際サーキットでの第3大会で連勝し、勢いに乗ったかに思われた、小河諒選手が電気系トラブルでまったく走れず不安を残す中、三浦愛選手がしっかりトップにつけていた。

その専有走行が終わった後、土曜日の未明まで降り続けた雨によって、予選が始まる前の路面はセミウェット。ただし、思いのほか回復も早かったこともあり、全車がドライタイヤを装着して挑むこととなった。特に第8戦の予選は、出だしのタイムこそ低調だったが、それぞれ周回を重ねるごとタイムを縮めていく。そんな中、ラストアタックを完璧に決めて1分35秒397をマークした福住選手が、初のポールポジションを獲得。しかしながらコンマ1秒と遅れず、山下健太選手、高星明誠選手、高橋翼選手が続いていた。

続いて行われた第9戦の予選では、路面状態の向上を示すかのように、1分35秒の壁も突き崩された。第8戦はクリアラップが取れず5番手に甘んじていた、ニック・キャシディ選手はいったんピットに戻って、しっかり間隔を保つ作戦が大成功。1分34秒726をマークして今季4回目のポールポジションを獲得し、やはり34秒台を記録した高星選手、山下選手、そして福住選手を従えることとなった。

一方、F3-Nクラスでは専有走行を走れなかったハンデか、第8戦では小河選手が2番手に留まり、三浦愛選手が第2戦以来となる2度目のポールポジションを獲得。しかし、短いインターバルで、しっかりアジャストできた小河選手が第9戦のポールポジションを獲得し、逆に三浦愛選手を従えることとなった。

決勝レース第8戦では、福住選手が好スタートを決めてトップでレースを開始するものの、山下選手がぴたりと食らいついて離れず。何度もけん制をかけた後、6周目の最終コーナーでインを刺して福住選手の加速を鈍らせた山下選手は、ストレートでスリップストリームを使って前に出ることに成功。そのまま逃げ続けて、今季4勝目をマークした。

抜かれた後の福住選手は思うようにペースを上げられなくなり、そこに襲いかかってきたのが高星選手とキャシディ選手だった。8周目のストレートエンドではスリーワイドになり、イン側のラインを選んだキャシディ選手が2番手に浮上。福住選手は9周目に高星選手に、そして11周目には佐々木大樹選手の逆転を許してしまう。佐々木選手は、ル・マン24時間出場のルーカス・オルドネス選手の代役として、久々の出場ながら相変わらずの勝負強さを見せていた。

F3-Nクラスでは小河選手が、スタートで三浦愛選手をかわしてトップに躍り出ると、コンディションの違いはあるとはいえ予選を上回るタイムで周回。誰もついていくことが許されず、6勝目をマークすることとなった。

日曜日に行われた決勝レース第9戦は、第8戦より5周多い21周で争われた。気温も上がっているため、より厳しい条件の戦いになったものの、新コントロールタイヤの効果は上々。ファステストラップは19周目に山下選手がマークして、ロングライフかつ安定の性能をアピールすることとなった。

そつのないスタートをポールシッターのキャシディ選手が決めたものの、それ以上に鋭いダッシュを見せたのが高星選手と福住選手だった。1コーナーまでにまず高星選手がトップに立ち、さらにキャシディ選手のインを刺した福住選手が2番手に。第8戦の予選に続いて煌めきを見せた福住選手ながら、キャシディ選手に2周目の1コーナーで、さらに12周目には、やはり1コーナーで山下選手に抜かれて、またも二度目の表彰台獲得が許されず。

一方、オープニングからの2周は逃げ続け、独走態勢に持ち込むかと思われた高星選手だったが、3周目からはキャシディ選手が許してくれなかった。じわりじわりと差を詰められ、6周目からはテール・トゥ・ノーズ状態に。14周目の1コーナーでのチャージこそ凌いだ高星選手ながら、16周目の1コーナーで抜かれてしまう。それでも高星選手は再逆転を狙ったものの、キャシディ選手はまったく隙を見せなかった。ランキングトップのキャシディ選手は4勝目をマークし、3位に留まった山下選手との差を再び広げていた。

F3-Nクラスでは小河選手が好スタートを切ったのが、かえって災いして選手権クラスの車両に追いついてしまい、ダウンフォースが抜けた状態の最終コーナーで三浦愛選手にインを刺されてしまう。しかし、すぐストレートで抜き返した後は、第8戦同様ひとりハイピッチでの周回を重ねて圧勝。7勝目をマークした。DRAGON選手があえてニュータイヤ1セットを温存し、「定位置脱出」を狙ったものの、三浦愛選手にプレッシャーをかけるまでには至らず。今季7回目の3位に甘んじた。

DRIVER VOICE

山下健太 選手 [PETRONAS TOM’S F312]

【今回の成績 : 第8戦 優勝 / 第9戦 3位】
予選は2戦ともうまくいかなかったのですが、第8戦はスタートの後、福住選手についていけたので、どこかで抜けるだろうと。ただストレートが速かったので、普通にやっても抜けないと思うようになったので最終コーナーで仕掛け、加速を鈍らせたことによって、1コーナーで前に出ることができました。トップに立ってからのペースが良くなかったのですが、逆に第9戦では、そのあたりが改善されていました。勝てるスピードがあったのに、スタートで出遅れてしまったのが痛かったですね。

ニック・キャシディ 選手 [PETRONAS TOM’S F314]

【今回の成績 : 第8戦 2位 / 第9戦 優勝】
今回は2戦ともいいレースができたと思います。第8戦の予選がトラフィックで良い結果ではなかったのですが、クルマの調子が良かったので、2位でゴールすることができました。勝てなかったのは悔しいけれど、まさか最後の周にファステストラップを獲れるとは思っていなかったので、いいクルマといいタイヤをありがとうと言いたいです。第9戦はスタートが良くもなく、悪くもなかったのですが、2台に抜かれて僕は1コーナーで外に追いやられてしまって。それでもクルマが引き続き良かったので、追いつくことができて、逆転することもできました。これで走ったコースすべて勝てたので、再び走る次回の岡山が楽しみです。

小河 諒 選手 [KeePer TOM’S F306]

【今回の成績 : 第8戦 10位(F3-Nクラス 優勝) / 第9戦 10位(F3-Nクラス 優勝)】
金曜日の専有走行を電気系トラブルで走れず、予選はぶっつけ本番だったので、第8戦は2番手でしたが、第9戦には走りをしっかり合わせてトップになれたぐらい、チームは完璧なクルマを用意してくれました。第9戦で前のクルマに追いついて、ダウンフォースが抜けた状態の最終コーナーで三浦愛選手に抜かれてしまいましたが、すぐに抜き返せて、それから後は第8戦同様、予選を走っているつもりで、ずっとプッシュし続けて……。ただ、連勝できましたが、混戦の中でのバトルの仕方ももっと考えないといけないですし、まだ詰めの甘さも感じましたので、今後の自分のためにも、もっと走りの精度を高めていく必要があると、強く感じました。