2014 WTCC Round 23&24 Report

【FIA世界ツーリングカー選手権 第23戦&第24戦/ギアサーキット (マカオ・中国)】

第1レースはロペス選手が王座の貫祿を見せて優勝、
第2レースはマカオと得意とするハフ選手が自身7回目のマカオウィナーに!!

WTCC Round 23&24

開催日 2014年11月13日-16日
開催場所 ギアサーキット
(マカオ・中国)
天候 第1レース:晴れ
第2レース:晴れ
路面 第1レース:ドライ
第2レース:ドライ
決勝周回数 第1レース:10周
第2レース:11周
(1周=6,120m)
2014 WTCC 第23&24戦

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モロッコで開幕した2014年のWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)も、いよいよ最終戦を迎えた。舞台となるのはマカオ・グランプリ、今年のWTCCは開幕と最終戦をともにストリートバトルで決するというカレンダーである。

また、WTCC発足初年度から最終戦の舞台となってきたマカオであるが、来年はWTCCのカレンダーから落ちることが公にされている。アクレッシブでチャレンジングなコース、幾多の名勝負やチャンピオン決定の瞬間を見せてくれたマカオが最後となるのは残念であるが、それだけに既にタイトル争いは決しているとは言っても、各選手/チームはシリーズの最後に華を添えられるように全力で臨むこととなった。

新規定のTC1車両による初のマカオ、木曜日午前中のテストセッションこそアクシデント無く終わったものの、午後のフリープラクティス1回目ではヒューゴ・ヴァレンテ選手(シボレー)が山側区間でクラッシュを喫して赤旗中断に。この日はテストセッションでノルベルト・ミケリス選手、フリープラクティス1回目ではガブリエレ・タルクィーニ選手と、ともにホンダ勢がトップタイムを刻んで好調さをアピールした。

マカオ独特のフォーマットにより、WTCCの公式予選は金曜日に行われる。その予選に先立ってはフリープラクティスの2回目が行われたが、ここではドライバーズチャンピオンを獲得しているシトロエンのホセ・マリア・ロペス選手が2分26秒965と前日のタイムを上回るベスト更新で強さを見せた。

予選はQ1からQ3までの流れとなるが、Q1開始早々にクラッシュ発生から赤旗中断となる波瀾含みの展開に。さらに再開されたセッションも終盤で再びクラッシュが発生、マカオならではの“怖さ”を改めて思い知らされる展開となった。

12台が進出したQ2は、早々にシトロエン勢が速さを見せる。ロペス選手がトップタイムを刻むと、セバスチャン・ローブ選手、イヴァン・ミューラー選手と続いて、シトロエンがトップ3を独占するフォーメーションを形成。ロペス選手は終盤に更にタイムアップ、2分24秒329のベストでQ3へと勝ち進む。シトロエンの3台のほかには、トム・コロネル選手(シボレー)とミケリス選手がQ3へと駒を進めた。

そしてQ3になってもロペス選手を筆頭としたシトロエン勢の速さ、これが衰えることは無かった。ロペス選手はベストタイムをまたも更新、2分24秒294をマークして堂々のレース1(第23戦)におけるポールポジションを獲得。ローブ選手とミューラー選手が続いて、第1レースはシトロエン勢の3台がトップ3グリッドを独占する運びとなった。

土曜日はWTCCの走行が無いマカオ、日曜日は11時15分から第1レース(第23戦)、12時30分から第2レース(第24戦)が行われるタイムスケジュール。

第1レースは好スタートを決めたミケリス選手が4番手から勢い良くダッシュを決めて、ターン1までに2番手へとポジションアップ。しかしロペス選手には届かず、ポールポジションからスタートしたロペス選手はオープニングラップから磐石の体制を築いていく。

ラップを重ねる毎に激しさを増していく2番手争い、ローブ選手は3周目のリスボアベンドで果敢にミケリス選手に仕掛けていくがパスすることは叶わず。逆に失速を喫してしまい、タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手(ホンダ)、ミューラー選手にも先行を許してしまい、6番手にドロップしてしまった。

こうした攻防戦を尻目に、ロペス選手の快走は続いた。オープニングラップだけで1秒6のマージンを稼いでいたが、その後もペースは衰えることなく6周目にはファステストラップを刻んで主導権をがっちりとキープ。そのままポール・トゥ・ウィンでチェッカーを受け、チャンピオンの貫祿を見せつける優勝を飾った。

第2レース(第24戦)はリバースグリッドとなり、ポールポジションに陣取ったのはヒューゴ・ヴァレンテ選手、セカンドグリッドがトム・コロネル選手とシボレー勢がフロントローを独占した。しかし好スタートを決めたのは4番手スタートのモンテイロ選手、両者を間からかわして一気にトップへと躍り出る。

これに続いたのは3番手スタートのロブ・ハフ選手(ラーダ)、そして8番手から一気に追い上げたミューラー選手。三つ巴の展開も予想されるところだったが、ハフ選手とミューラー選手が激しい2番手争いを演じている間に、モンテイロ選手はじわじわとその差を開いていった。

ところが7周目、最終コーナーでマー・チンホワ選手(シトロエン)がクラッシュしてセーフティカーが導入される。一気にマージンが無くなったモンテイロ選手は10周目のリ・スタートこそトップを堅守したものの、このラップの終盤にマシントラブルに襲われてスローダウン。替わってトップに立ったのはハフ選手、そのまま今季2回目となるウィニングチェッカーを受けて、マカオに強いところを改めて見せつけた。

DRIVER VOICE

ホセ・マリア・ロペス 選手 [Citroen Total WTCC]

【今回の成績 : 第23戦 優勝 / 第24戦 5位】
今年はとても良いシーズンとなりました。そして、ここマカオにおける勝利で締めくくれたことは、素晴らしい一年を象徴していますね。自分自身にとっても大きな意味のあることですし、考えもよらなかったことです。だからこそ、既にチャンピオンを決めているのにも関わらず、マカオに臨むにあたっては少しナーバスになっていた部分があったかもしれません。レースウィークは始まりから良い感じで来られました。チームも良い仕事をしてくれましたしね。第1レースは決して簡単ではなかったのですが、非常に良いペースで走れました。第2レースはもちろんとても難しかった。マカオはパッシングがとても難しいですからね。

ロブ・ハフ 選手 [LADA Sport Lukoil]

【今回の成績 : 第23戦 9位 / 第24戦 優勝】
またマカオで勝てたことは、本当に素晴らしいと思います。これで7回目ですからね!! 本当にこのコースとは特別な縁があると思います。そして今回、ラーダでも勝つことが出来たのは、とても幸せです。レースは難しい内容でした。以前のチームメイトでもあるミューラー選手からずっとプレッシャーをかけられていましたから。でも、私は彼のことを良く知っていますから、全力を尽くしました。何度かガードレールに車体を擦るような場面もありましたが、上手く行きました。チームもシーズンを通じて素晴らしい仕事をしてくれました。なによりスパ-フランコルシャンの時と比べて、ペースが5秒もアップしているのですから。アルゼンチンでは2位、そしてシーズンを通じて2勝を挙げ、ドライバーズランキングでも10位というのは、ただただ素晴らしい結果だと思っています。

TECHNICAL INFORMATION

今年も最終戦の舞台となったマカオ。ヨコハマタイヤにとっては併催されるF3に長くコントロールタイヤを供給しているほか、同時開催される多くのカテゴリーでもヨコハマタイヤ装着車が好成績をおさめている、知り尽くしたストリートコースである。
今回は既にタイトル争いは決していたものの、初のTC1車両によるマカオでの走行ということで注目を集める内容となった。結果はシトロエンとラーダが勝利を分け合ったが、随所で繰り広げられたアグレッシブなバトルをヨコハマタイヤが足元から支え、トラブル無くシーズンを終えられたことはWTCCのドライバーやチーム、関係者からのヨコハマタイヤに対する信頼をさらに高める結果となった。