2014 JGC Round 8 Report

【全日本ジムカーナ選手権 第8戦/本庄】

最終戦の本庄はヨコハマタイヤ勢が4つのクラスで優勝、
PN3・N1・PN4で王座を決めて2014年は6つのクラスでチャンピオン獲得!!

JGC Round 8

開催日 2014年10月11日-12日
開催場所 本庄サーキット
(埼玉県)
天候 曇り
路面 ドライ
参加台数 133台
(ヨコハマタイヤ装着車 49台)
2014 全日本ジムカーナ選手権 第8戦

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全国各地で熱い戦いが繰り広げられてきた全日本ジムカーナ選手権もついに最終戦を迎えた。舞台は全日本開催が2年ぶりとなる本庄サーキット。台風19号の接近に伴い雨が心配されたが、決勝日は終日曇天だったものの両ヒートともドライ路面でアタックすることができた。

本庄サーキットに設定されたコースレイアウトは、前半の第1コーナーを越えて左右どちらからのアプローチも可能な540度ターンをこなし、外周を走行するハイスピードなもの。後半はショートカットをつないだ内周を走行し、最後にパドック前の8の字ターンでフィニッシュという設定だ。
サーキットコースを活かしたレイアウトのためそれほど複雑ではないものの、特に540度ターンは車種によっては4速からのフルブレーキングでターンに入らなければならず、高いスピードコントロールテクニックが求められる。

最終戦までタイトル争いがもつれ込んだPN3クラスは、第3戦・名阪、第5戦・イオックス、第7戦・恋の浦で3勝を挙げた森嶋昭時選手がポイントリーダーとして最終戦に挑む。ここで優勝すれば無条件で、2位以下でもライバルの順位によってはチャンピオンが確定する。

その森嶋選手、第1ヒートはトップから0.5秒差の2位、第2ヒートでも0.3秒のタイムアップを果たして2位に入賞。有効ポイントでしっかりトップを死守し、念願のPN3クラスチャンピオンを獲得した。森嶋選手にとっては2011年以来通算4度目となる全日本タイトルとなる。

PN4クラスは、ここまで5勝を挙げている岡野博史選手をシリーズ2番手の角岡隆志選手が8点差で追いかける展開。ふたりともジムカーナでのスタート時から第2ヒートまで性能を発揮するADVAN NEOVA AD08Rを武器にシーズンを戦ってきたが、有効ポイントの関係から岡野選手は8位以上でタイトル確定という圧倒的に有利な状況だ。
岡野選手は第1ヒートをトップで折り返しタイトルに王手をかけたが、第2ヒートでは惜しくも逆転されて2位。しかし有効ポイントをしっかりと加算し、岡野選手がPN4クラス2連覇、通算5度目のチャンピオンを獲得した。

N1クラスは、第7戦終了時点ではランキングトップに1点差のシリーズ2番手につける箕輪雄介選手が、この最終戦で2位以上に入賞すればチャンピオンが決まる。
「もちろん勝つつもりで行きますよ」と明言してスタートした箕輪選手は、ADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着し第1ヒートで見事トップタイムをマーク。第2ヒート同じくA050のG/Sを使用した隅田敏昭選手がベストタイムを更新し、53歳のベテランドライバーが初の全日本優勝を飾るが、箕輪選手も隅田選手に0.02秒差で2位にしっかりと入賞。自身初となるチャンピオンを獲得した。

また、SA1クラスでは、チャンピオンの斉藤邦夫選手が第1ヒートトップの近藤岳士選手を逆転して優勝。2位に近藤選手、3位に志村雅紀選手が入るなど、ヨコハマタイヤ勢が最終戦でトップ5を独占した。

SA3クラスの天満清選手も、チャンピオン獲得の権利を有して最終戦に臨んだ一人。結果は4番手となり惜しくもタイトルは逃してしまったが、シーズンを通じて活躍を見せた。

一方、N2クラスではすでにチャンピオンを獲得している小林辰朗選手が第2ヒートで逆転を果たし今季5勝目をマーク。そしてSA2クラスでも、第1ヒートトップの柴田優作選手が第2ヒートで逆転されたタイムを塗り替え今季6勝目。SCクラスでも4輪駆動勢を相手にシティの西田竜治選手が3位表彰台を獲得するなど、最終戦でタイトルが決した3クラス以外でもヨコハマタイヤ勢が有終の美を飾った。

DRIVER VOICE

森嶋昭時 選手 [ADVAN レイズ K1 トヨタ86]

【今回の成績 : PN3クラス 2位 (シリーズチャンピオン確定)】
優勝してタイトルを決めたかったので結果的には悔しい成績でしたが、自分としては精一杯の走りをしましたし念願のチャンピオンも獲得することができ、その点では満足しています。
今年は本当にいろいろなことがあって、特に開幕2戦ではなかなか優勝することができず、今年は厳しいシーズンになると覚悟しましたが、第3戦の名阪で優勝することができたので、そこから波に乗れた感じです。終盤では前戦恋の浦が初めてのコースでしたし、今回(本庄)も自分としては2年ぶりの走行でした。恋の浦とはセッティングも逆方向だったのですが、うまく合わせることができたのも勝因だったと思います。
協力してくれたいろいろな方々に感謝したいと思います。

岡野博史 選手 [ADVAN リジット ランサー]

【今回の成績 :PN4クラス 2位 (シリーズチャンピオン確定)】
第2ヒートにタイムアップを狙ったのですが、大きなミスはしなかったものの、0.2秒のタイムダウンを喫して残念ながら2位に終わってしまいました。ただ、結果的にはタイトルを決めることができたのでホッとしています。
今年は最初から順調で、ここまで5勝を挙げることができましたし、その意味では順調なシーズンだったと言えると思います。特に開幕戦の岡山は初めてのコースで、しかもハイスピード設定でしたからやや不安もありましたが、開幕戦で勝てたことでいいスタートが切れたのもタイトル獲得の要因だったと思います。来季も同じマシン、同じクラスで連覇を狙いたいと思います。

箕輪雄介 選手 [ADVAN ペトロナス インテグラ]

【今回の成績 :N1クラス 2位 (シリーズチャンピオン確定)】
昨年はシリーズ2位で悔しい思いをしたので、今年はなんとしてもタイトルを獲得したいと思っていました。念願のタイトルが獲得できて非常にうれしく思っています。
シーズン中盤は自分のミスからポイントを取りこぼした戦いもありましたが、十分にチャンスはあると思っていたので、諦めないで良かったですね。今回は2位ということで、その点では悔しい面もありますが、今回使用したADVAN A050のG/Sコンパウンドも路面にマッチしていましたし、最後までしっかりとグリップしてくれました。

隅田俊昭 選手 [ADVAN三共ITOインテグラ]

【今回の成績 : N1クラス 優勝】
全日本戦はツアーシリーズの頃から参加していますが、途中は10年ほどブランクがあります。5年ほど前に全日本戦には復帰しましたが、これまで5位が最高位でした。今回は路面温度的にはADVAN A050の低温向けのG/2Sコンパウンドと高温向けのG/Sコンパウンドで迷いましたが、勝負をかけて選んだG/Sコンパウンドがものすごくグリップしてくれましたし、タイヤチョイスも正解だったと思います。

小林辰朗 選手 [ADVANトタルザクロスRX7]

【今回の成績 :N2クラス 優勝】
すでにタイトルは決めていますが、今回は絶対に優勝するつもりで挑みました。タイヤはADVAN A050のG/Sコンパウンドを4輪に使用しましたが、路面へのマッチングは非常に良好で、しかも自分も地元のコースなので得意だったので優勝することができてうれしく思います。特に、逆転した第2ヒートは今年一番の走りができました。

斉藤邦夫 選手 [ADVAN A050 シビック]

【今回の成績 :SA1クラス 優勝】
第1ヒートは540度ターンでのタイム短縮を狙っていたのですが、自分のミスでパイロンタッチしてしまいました。すでにチャンピオンは決まっていましたが、地元のコースということでぜひ優勝したかったので、第2ヒートは確実にターンすることを心がけました。そこでターンが成功し、その後も冷静に走れたのが勝因です。

柴田優作 選手 [ADVAN ペトロナス EXIGE]

【今回の成績 :SA2クラス 優勝】
今回はADVAN A050のG/Sコンパウンドもしっかりと最後まで高いグリップ力を発揮してくれましたし、第2ヒートでは一度逆転されてしまいましたが、そこで再び逆転することができました。今回のコースはそれほど熟知しているわけではありませんが、事前にしっかりと準備もできましたし、コースレイアウト的にも自分の得意なパターンが採用されていたのも勝因だったと思います。

FEATURED DRIVER

■SA1クラス : 深谷 洋 選手

2012年より全日本戦をフルに追いかけているのが、SA1クラスに「痛車」のEF8 CR-Xで参戦している深谷洋選手だ。2012年シーズンにはイオックスラウンドで見事全日本初優勝も飾った実力者でもある。

「最初はサーキットを走りたくて、そのための練習として大学の先輩に関越スポーツランドで開催されたジムカーナ練習会に参加したのがきっかけです。2001年には初めてJAF公認イベントであるJMRC群馬フェスティバルにAE86で出場したのですが、1本目は2番手で2本目は勝てると思ったらミスコースでダメだったので、それが悔しくて火がついてしまいました(笑)」

ジムカーナ歴は12年ほどで、地元の群馬県戦で腕を磨いた。最初はクローズドクラス、次にフレッシュマンクラス、さらに群馬県戦のB車両クラスにCR-Xで出場し、いずれもチャンピオンを獲得してきた。07年には関東ミドルシリーズのN2クラスにインテグラで参戦してやはりチャンピオンを獲得。09年からは現在のCR-Xで関東ジムカーナ選手権SA1クラスに参戦し、3年連続でチャンピオンも獲得してきた。

これまで続けることができたのは、ジムカーナという競技の魅力だという。 「ジムカーナはサーキットと異なり毎回違うコースで争うので、その都度しっかり考えて走りを組み立てなければなりませんし、他のドライバーと0.1秒差の争いができるのでそれが面白くて続けています」

タイヤに関しては、「現在使わせていただいているADVAN A050が非常に性能が高くて乗りやすいタイヤで、最初に使った時は驚きました」というほどのグリップ力を体験し、それ以来ずっとADVAN A050を使用している。ちなみに、「痛車」のカラーリングは昨年から施しているが、ジムカーナではあまりそういうマシンがいないのも面白そうだと思っているそうだ。

「今後は地区戦をメインに近場の全日本戦にスポット参戦していきたいと思っています」と深谷選手。ぜひヨコハマタイヤを使用して大いに活躍してもらいたい。

TECHNICAL INFORMATION

本庄サーキットは基本的に路面グリップの高いコースだが、今回は荒れた場所やホコリなどもそれほど多くなく、路面コンディションは非常に良好だった。ただし、当日の天候は曇りで気温も16〜22度ほどと上がらず、路面温度は予想より低くなった。その意味では、ADVAN A050ユーザーでは低温向けのG/2Sコンパウンドと高温向けのG/Sコンパウンドのどちらを使用するか迷う選手もいたが、車速が高く発熱するコース設定となっていたことから、結果的にはG/Sコンパウンドがマッチしていたようだ。特にフロント駆動車は、車種によってはフロントにG/S、リアにG/2Sを装着するケースもあった。

最終的に今シーズンは成立した11クラス中6クラスでタイトルを獲得。ヨコハマタイヤの実力を存分に発揮したシーズンとなった。