2014 J-F3 Round 12&13 Report

【全日本F3選手権 第12戦&第13戦/SUGO】

ランキングトップを走る松下信治選手がSUGOを連勝、
F3-Nクラスでは山口大陸選手が嬉しい初優勝!!

Japanese F3 Round 12&13

開催日 2014年9月27日-28日
開催場所 スポーツランドSUGO (宮城県)
天候 第12戦:晴れ
第13戦:晴れ
路面 第12戦:ドライ
第13戦:ドライ
決勝周回数 第12戦:18周
第13戦:25周
(1周=3,704m)
参加台数 15台
2014 全日本F3選手権 第12&13戦

第12戦は序盤からセーフティカーが導入される展開に

リスタートでも松下選手が後続を抑えてトップをキープ

第12戦の表彰台は松下選手、勝田選手、清原選手という顔ぶれ

第12戦のF3-Nクラスで山口大陸選手が初優勝

第13戦も松下選手がウィニングチェッカーを受けた

チームメイト同士の2位争いは山下選手に軍配があがった

全15戦で争われる全日本F3選手権もいよいよ佳境に差し掛かり、シリーズ第12戦&第13戦が9月27〜28日に宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。

予選は好天に恵まれ、絶好のアタック日和に。第12戦では松下信治選手が1分14秒287をマークして、今季5回目のポールポジションを獲得。これに勝田貴元選手、高星明誠選手が続いた。第13戦では赤旗中断があり、その最中に出されたタイムは抹消に。残り2分20分の計測で再開され、ワンチャンスを生かした高星選手が14秒917をマークし、今季4回目のポールを獲得し、2番手は松下選手、このふたりとタイトルを争う山下健太選手が3番手につけた。
一方、F3-Nクラスは2戦ともに久保凛太郎選手がトップ。ポイントリーダーの小泉洋史選手は第13戦こそ2番手ながら、第11戦では4番手に甘んじていた。

直前に行われた併催のスーパーフォーミュラ予選が赤旗の連発だったため、第12戦のスタート進行は15分遅れでの開始となった。
上位にこそスタート直後の大きな波乱はなく、清原章太選手が高星選手を抜いて3番手に浮上した一方で、フロントローのふたり、松下選手と勝田選手はポジションをキープ。その一方でF3-Nクラスは小泉選手と三浦愛選手が2コーナーで接触。三浦選手がリタイアとなり、さらにセーフティカーも出されてしまう。その前にスタートで久保選手をかわし、山口大陸選手がトップに躍り出てもいた。

4周目のリスタートでは、勝田選手が1コーナーのアウトから松下選手に襲いかかるも、逆転はならず。いったん1秒半ほどに広げた差を、最後はコンマ4秒を切るまでに縮められた松下選手だったものの、辛くも勝田選手を振り切ることに成功する。

そして、F3-Nクラスではリスタート後にも波乱が。6周目のSPコーナーで久保選手が単独スピン。その場でリタイアを喫していたからだ。2番手に繰り上がった湯澤翔平選手にプレッシャーをかけられたのは、中盤までだった山口選手が嬉しい初優勝を飾っている。3位は両クラスとも、これが今季初表彰台となる清原選手とDRAGON選手だった。

日曜日に行われた第13戦は、7周増となる25周での戦いに。よりハードな戦いが予想されたが、ポールシッターの高星選手がスタートを決めて逃げ続ける。ところが、19周目に差し掛かって間もなくスローダウン! エンジンが予兆なく息絶えたのだ。
労せずしてトップに立った松下選手が連勝を飾り、王座獲得に大きな前進を果たした。また、終盤にはチームメイト同士、激しい2番手争いを繰り広げたものの、山下選手が勝田選手を抑え抜いている。

F3-Nクラスではスタートを決めた久保選手が、今度こそ圧勝。ポイントリーダー小泉選手との差を詰め、逆転に一縷の望みを繋ぐこととなった。2位と3位は2戦連続で、湯澤選手、DRAGON選手のものとなっている。

DRIVER VOICE

松下信治 選手 [HFDP RACING]

【今回の成績 : 第12戦 優勝 / 第13戦 優勝】
今週は走り始めからクルマの調子は良く、手応えを感じていましたが、予選の2回目は赤旗が出て実力を発揮できず、連続ポールとはいきませんでした。
決勝では、第12戦でそれほどタイヤに気を遣わなくても勝てたのですが、逆に言えば課題にしてしまってもいましたね。第13戦は周回数がもっと長いので。スタートがちょっと失敗気味で、順位をキープするのに留まったばかりか、このままじゃ追いつかないかも、と思い始めたのですが、そんな矢先に高星選手がエンジントラブルでリタイア。気の毒だとは思いますが、これがレースですし、僕もトラブルで岡山のレースを落としているので、お互い様ですよね。
次の富士はミスなく落ち着いて、しっかりレースしたいと思います。あまりタイトルのことを意識しないようにして。

山口大陸 選手 [EXCEED MOTOR SPORTS]

【今回の成績 : 第12戦 9位(F3-Nクラス 優勝) / 第13戦 リタイア】
初優勝できて、すごく嬉しいです。
今回SUGOに乗り込んで、最初のうちは良かったのですが、予選になったらちょっと自分的に納得のいかないことがいくつかあって。そこで決勝に向けてチームと相談し、バランスを直していったら、これがぴったりハマっただけでなく、すごくスタートも決まりました。自分のペースで思い切り走って、18周走りきれて優勝できて、本当に良かった。ペースコントロールをしっかりしながら、自分で自分の手綱を緩ませないように走っていたことが、結果に結びついたのだと思います

久保凛太郎 選手 [Net Move Hanashima Racing]

【今回の成績 : 第12戦 リタイア/ 第13戦 8位(F3-Nクラス 優勝)】
小泉選手との差を、第13戦の優勝で少し詰められたので、そう思うと第12戦が本当にもったいない。予選で速さがあるのは確認できたのに、スタートで抜かれた後に単独のスピンで、自分のミスでしたからね。その分、第13戦では狙っていた以上の展開にできたというか、タイヤのマネージメントやグリップの落ち方を分析しながら走りながらなお、大差をつけて勝つことができましたので、本当に良かったです。
今日学んだことをうまく生かし、最後の富士はチャンスがある限り、諦めずに頑張って走ろうと思っています

FEATURED DRIVER

■再挑戦のF3で初優勝を飾った山口大陸選手!!

F3-Nクラスの第12戦で、嬉しい初優勝を飾った山口大陸選手。
ここ数年の歴史だけ見れば、F4からステップアップしてきたドライバーに過ぎないものの、実はF3を戦うのは今年が初めてではない。1997年にSRS-Fスカラシップを獲得し、出場した経験も持っているのだ。

[Photo]

ただし、目立った成績をおさめることができず、1シーズンでシートを喪失。しかし、レースへの情熱は断ち切れず、その後カートレースに戻って、特にスーパーカートでは「知る人ぞ知る」存在に。闘志に衰えがないことを自覚すると、情熱はより再沸騰!! そして、前述のとおりF4を経て、今年F3にカムバックを果たしたというわけだ。

淡々とレースをしているようで、実は妥協を許さぬ性格の持ち主で、第12戦も予選から決勝まで徹底的にシャシーバランスの向上を目指していた。これまで所属するEXCEED MOTOR SPORTSにとっても久々のF3だけに、なかなか理想値にたどり着けなかったものの、回を追うごとデータも蓄積されて、ついに望んだ時が来た。

もう決して若くはないが、年輪を重ねた分、「ペースコントロールがしっかりできて」後続も寄せつけず。目下ランキングは3位で、僅差で続く三浦愛選手、湯澤翔平選手をこのまま抑えられるか、注目されるところである。