2014 JAF-CUP Dirt-Trial Report

【2014年 JAF CUPダートトライアル/切谷内】

全国の地区戦戦士と全日本トップドライバーが青森県に集結、
Dクラスチャンピオンの谷田川敏幸選手がダブルタイトルを獲得!!

JAF CUP Dirt-Trial

開催日 2014年11月2日
開催場所 サーキットパーク切谷内
(青森県)
天候 曇り
路面 ウェット~ハーフウェット
参加台数 91台
(ヨコハマタイヤ装着車 18台)
2014 JAF-CUPダートトライアル

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毎年、ダートトライアルシーズンの締めくくりとして、全国9つの地域で開催されている地方選手権のトップドライバーと全日本トップドライバーが相見える大会が、JAFカップオールスターダートトライアルだ。地方選手権を勝ち上がってきた選手たちにとっては全日本のトップドライバーにどこまで迫れるかという腕試しの場であり、他地区の地方選手権ドライバーと同じ土俵で戦う場でもある。今年は青森県のサーキットパーク切谷内で開催された。

コースレイアウトは、起伏のある切谷内のコースの外周を最大限使用した攻めがいのあるレイアウトを採用。前夜に降った雨の影響で第1ヒートはハーフウェットコンディションとなったが、第2ヒート中盤からはドライ路面となり、大きくタイムアップを果たす選手が続出した。

ただし、出場台数が91台と少なく、さらに走行ラインが安定しない選手も多かったことから、コーナーによっては第2ヒートに入っても路面を覆う砂利が残った状態となった。また、クラスによって路面コンディションが刻々と変化し、路面状況に合わせたタイヤ選択が難しい難易度の高い戦いとなった。

そんななか、全日本選手権チャンピオンの貫禄を見せつけたのがDクラスの谷田川敏幸選手だ。まだ路面が乾き切っていない第1ヒートにADVAN A053を装着してトップタイムを奪った谷田川選手は、路面に砂利は残っているものの硬質路面が顔を出した第2ヒートはADVAN A036を装着してアタック。
第1ヒートで谷田川選手がマークしたベストタイムは第2ヒートに入って更新されてしまったが、一部にハーフウェットの路面が残るコースを果敢に攻め、ベストタイムを更新。2012年以来となるJAFカップを制覇し、全日本タイトルと合わせてダブルタイトルを獲得した。また、全日本選手権ではシリーズ8位に終わったものの、東北地方選手権でチャンピオンを獲得して出場した佐藤史彦選手が3位入賞を果たした。

N2クラスでは、全日本選手権シリーズ5位の星盛政選手が、第1ヒートはトップから0.2秒差の2番手で折り返したものの、第2ヒートに逆転。クラス唯一となる1分30秒台のタイムをたたき出して、自身初となるJAFカップを手にした。
星選手の出場するN2クラスは出走順が早めということもあり、第2ヒートの路面はハーフウェット状態。この路面状況に合わせてADVAN A053を装着したが、これが路面にベストマッチ。濡れている路面ではドライビングミスから大きくテールスライドしてしまい姿勢を乱す場面もあったが、「絶対にアクセルを緩めない」という気合いがこもった走りで攻め切ったことも勝因のひとつだった。

PN2クラスでは全日本選手権シリーズ3位の佐藤秀昭選手が、ウェット路面の第1ヒートに2番手タイムをマーク。路面の一部が乾いてきた第2ヒートはその路面状況に翻弄されてしまったものの、しっかりと3位に入賞を果たした。

SA2クラスでは、関東地方選手権でシリーズ5位に入り、今回で3度目となるJAFカップ出場を果たした星野悟選手が、第2ヒートはADVAN A036をチョイス。うまく路面に対応するクレバーな走りを披露して3位に入賞した。

SC1クラスでは、全日本戦ではシリーズ3位を獲得した田口都一選手が3位入賞。このクラスでは少数派となるランサーを駆り、全日本戦では今季最終戦タカタラウンドにおいて優勝も獲得している。その実力を存分に発揮しての嬉しい入賞となった。

DRIVER VOICE

谷田川敏幸 選手 [ADVAN トラスト クスコ WRX]

【今回の成績 : Dクラス 優勝】
今回の大会はシーズンの締めくくりですし、盛り上げたいという気持ちもありましたが、優勝して当たり前というプレッシャーもあったので、実際に勝つことができて本当にホッとしました。第1ヒートはADVAN A053で走りましたが、第2ヒートはコースの大部分に硬い路面が出ていたのでADVAN A036を選びました。タイヤ選択は間違いなかったと思います。ただ、自分の走りとしては第2ヒートに濡れた箇所でラインを外してしまい、大きくロスしてしまいました。その後は気を取り直して少しずつ取り返していき、なんとか逆転できたので良かったです。全日本でもシリーズチャンピオンが獲れましたし、1年間応援してくださったヨコハマタイヤの方々に感謝しています。

星 盛政 選手 [モウル アドバン ワコーズ ランサー]

【今回の成績 : N2クラス 優勝】
自分のドライビングとしては少しミスしてしまい、リアを土手にヒットさせたりしてしまいましたが、アクセルだけは絶対に抜かないと決めて気合いで走りました。JAFカップは何度も出場していますが、優勝したのは初めてなのでとても嬉しいです。今年の全日本はシリーズ5位でしたが、全日本の切谷内ラウンドでも優勝していますし、コースとの相性はいいみたいですね。タイヤは出走直前までADVAN A053とA036で迷いましたが、まだ路面も乾き切っていないと思いADVAN A053を選んだのも勝因だったと思います。

佐藤秀昭 選手 [KYB ADVAN オクヤマ 86]

【今回の成績 : PN2クラス 3位】
今回は第1ヒートにADVAN A031、第2ヒートにADVAN A053をチョイスしました。第2ヒートでもまだ濡れている部分が多かったのですが、タイヤ選択としては間違っていなかったと思います。ただ、濡れている路面と乾いている路面が交互に出てくるので、路面に合わせたドライビングができなかったのが悔やまれます。優勝はできませんでしたが、やり切った感じはあるので結果満足しています。

星野 悟 選手 [アドバン 中越☆戸田山田ランサー]

【今回の成績 : SA2クラス 3位】
優勝できなかったのは残念ですが、3位に入賞できたことと、自分の走りには満足しています。第1ヒートは比較的路面も濡れていたのですがADVAN A053を選びました。第2ヒートはかなり乾いた路面が多く露出していたのでADVAN A036を迷いなくチョイスしました。一部濡れているコーナーがありましたが、そこはしっかりインベタで抑えて失敗しないように走ったのも良かったのだと思います。来季も関東の地方選選手権と全日本戦で頑張りたいと思います。

田口都一 選手 [ADVAN☆SP ヤマダ ランサー]

【今回の成績 : SC1クラス 3位】
今回の第2ヒートは全日本戦のように完全に表面の砂利が掃け切れていなかったので、タイヤ選択もADVAN A036とA053で迷いましたが、最終的にはA036を選択しました。タイヤは路面に合っていましたが、自分の走りがミスばかりだったのが優勝できなかった原因だと思います。これまで何回かJAFカップには出ていますが、まだカップを獲ったことはないので、今回もぜひとも欲しかったのですが残念です。今年は全日本ではシリーズ3位に入れたので、来年もまた頑張りたいと思います。

佐藤史彦 選手 [栗原企画 ADVAN インプレッサ]

【今回の成績 : Dクラス 3位】
JAFカップは2007年にDクラスへ初出場して初優勝したので、ぜひともまた優勝したかったのですが、やはり谷田川選手はさすがですね。今回は第2ヒートにADVAN A053を装着しました。路面はかなり乾いていて、自分でもまずまずの走りができたと思っています。今回は東北地方選手権のチャンピオンとして出場しましたが、全日本ではシリーズ8位でしたので、来年はぜひ全日本戦でももっと上位を狙いたいと思います。

FEATURED DRIVER

■N2クラス : 浅沼賢志 選手

岩手県から東北チャンピオンとして出場してきたのが浅沼賢志選手だ。現在30歳という浅沼選手は18歳からダートトライアルのキャリアをスタート。これまで東北地区で活動してきたこともあり、切谷内はいわばホームコースでもある。今季は全日本の切谷内ラウンドにも出場し、10位に入って初のポイントゲットも果たした。今回も前日の公開練習ではベストタイムをマークしてライバルたちを驚かせてもいる。

「父が以前にラリーをやっていて、ランサーエボリューションⅡのラリー車を持っていたので、それでダートラを始めました。その後6〜7年ほどエボⅦに乗り、そのあと現在のエボⅨに乗り換えました。最初はラリーをやるつもりだったのですが、仕事が土曜日に休めないという事情もあったのでダートラを始めたわけです。でも、ダートを走るのが好きですし、今はダートラ一筋っていう感じです。特に4WDでダートを走るのは楽しいですね。とりあえずの目標は地方選手権のチャンピオンだったので目標は達成できたのですが、このあとの目標をどうするかは未定です。本当は全日本にもシリーズ参戦したいのですが、予算と時間と相談しながらになると思います」

今回のJAFカップでは、惜しくもN2クラス7位で入賞は逃した浅沼選手。ヨコハマタイヤを長年愛用し、今回も第2ヒートでADVAN A036を装着して激走を披露。今後の活躍に注目したい選手だ。

TECHNICAL INFORMATION

元々は轍ができないほどの硬質路面の良好なコースとして知られているのがサーキットパーク切谷内だ。全日本戦の場合は、第2ヒートになると路面に乗っている砂利が飛ばされ、下の硬い路面が露出するためADVAN A036が適している。だが、今回は出走台数が91台と全日本戦ほど多くなかったことと、走行ラインがやや乱れたこともあり、第2ヒートに入っても完全に砂利が掃けない状態となった。
砂利が飛ばされている部分も、硬い路面が露出している幅が狭く、ラインの選択肢が少なかった。さらにドライ路面とハーフウェット路面が混在し、タイヤ選択が難しい路面コンディションとなったが、2クラスを制したことに加え各クラスの上位に多くのヨコハマタイヤユーザーが入賞し、ヨコハマタイヤの優秀性が証明された。