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踏み込んだ先に見える真価。
ヒルクライムコースで感じ取った
ADVAN Sport V107の凄みとは?

2025.12.19

日本最大級のヒルクライムイベントへと成長した「MHヒルクライム/真庭速祭」。今回は地元警察・行政の許認可を得て万全な安全対策を施した上でクローズドされたこの公道ワインディングコースにおいて、YOKOHAMA/ADVANのグローバルフラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V107」の真価を試すべく、田口勝彦、柴田優作、そして織戸 学というYOKOHAMA/ADVANにゆかりの深いプロドライバーがBMW M340iツーリングでの“同乗インプレッション”に挑んだ。高速ヒルクライムコースで感じ取ったADVAN Sport V107の凄みとは? アクセルを踏み込んだ先に見える真価をレポートする。

Words:小浜耕助 / Kosuke Obama

Photography:安井宏充 / Hiromitsu Yasui

“ADVAN Sport”という名前は
やはり伊達ではない

「コレ、リヤは30扁平ですよね? なのに、この突き上げ感の少なさというか、路面のギャップを越える際のいなしかたはちょっと驚きです。コレは素直にいいですねー、さすがはYOKOHAMA/ADVANの“グローバルフラッグシップタイヤ”と謳われるだけの上質さがある」

ADVAN Sport V107(装着サイズ/Front:235/35ZR20 (92Y) Rear:255/30ZR20 (92Y)) を装着したBMW M340iツーリング(G21)のステアリングを握る田口勝彦はすこぶる上機嫌でそう言った。彼はJAF全日本ダートトライアル選手権を3連覇(2023-2025シーズン)したダートの名手にして、ラリーやヒルクライムといった公道でのスピード競技でも輝かしい実績を残してきたプロフェッショナルドライバーである。

田口がアクセルを踏み込み駆け上がっているのは岡山県真庭市の木山街道。ここは対向2車線のハイスピードなワインディングコースだ。2024年より開催されているヒルクライム競技を軸とした日本独自のスピードの祭典、「MHヒルクライム/真庭速祭」の舞台(地元警察および行政の指導・許認可を得た万全の安全対策を施し、公道を完全封鎖して行われている)でADVAN Sport V107の真価を試すのが、今回の田口のミッションである。

日本最大級のヒルクライムイベントへと成長した「MHヒルクライム/真庭速祭」。今回は地元警察・行政の許認可を得て万全な安全対策を施した上でクローズドされたこの公道ワインディングコースにおいて、YOKOHAMA/ADVANのグローバルフラッグシップタイヤであるADVAN Sport V107の真価を試した。なお、真庭速祭参戦マシンへのYOKOHAMA/ADVANタイヤの装着率は非常に高く、30台近くあるマシンの約7割近くが装着していた。今回のトップタイムは柴田優作の駆るARVOU S2000でタイムは1分58秒14(計測区間4.3km)、タイヤはADVAN A050 G/Sだった。

「普段のアシ車はSUVタイプに乗っています。V107は重量のあるSUVにも対応したタイヤだと聞いていますから、今回のインプレッションは楽しみにしていました。印象が良ければ自分のクルマにも履かせてみたいな、と。今回の装着車両はBMWの3シリーズのツーリング(ワゴン)。SUVタイプではないですが3ℓ直6ターボのスペックを聞くとパワーが387ps、トルクは500Nmもあるというから立派なハイパフォーマンスカーですね。実際、アクセルを軽く踏み込むだけで下からトルクが溢れ出してくるからこうした高低差のあるワインディングコースでも一切のストレスなく駆け上がってくれる。サスペンションのセッティングも硬すぎず、心地よく滑らかな乗り味。まさに“ツーリング”の名に相応しい高速ツアラーだと思います。どこまでも走って行きたくなる。V107には、まさにピッタリな1台ですね」

「MHヒルクライム/真庭速祭」に参戦したYOKOHAMA/ADVANにゆかりの深いドライバー(織戸 学、田口勝彦、柴田優作)たちが“同乗走行スタイル”でADVAN Sport V107の“アクセルを踏み込んだ先”にある真価を試してくれた。Channel YOKOHAMAのレポーターの沢すみれも助手席インプレッション。その模様は記事最後の動画リンクよりご確認いただきたい。

今回、このM340i ツーリングにはステアリングを握る田口のほかに、織戸 学、柴田優作というYOKOHAMA/ADVANにゆかりのあるレーシングドライバーも同乗。さらに助手席にはChannel YOKOHAMAレポーターを務める沢すみれも同乗して“フル乗車”でのV107のパフォーマンスの真価までを試すことにした。

「とにかく乗り心地がいい」と後席に座った織戸と柴田が口を揃える。

「田口さんも走り出しでスロープのギャップを越えたところから言っていたけれど、リヤに30扁平の20インチを履いているとは思えないタイヤのしなやかさ(コンフォートさ)を感じるね」と織戸。

「普段はあまり後席に収まることはないですけれど、まずV107は走行時のタイヤ自体の静かさが印象的ですね。あとは乗り心地もあくまでコンフォートだから長距離を走っても、ドライバーはもちろん、同乗者も疲れにくいと思います。走行時のノイズが少ないことって、想像以上にストレスを軽減してくれますから」と柴田。

「田口さんはかなりのスピードで真庭速祭のヒルクライムコースを駆け上がっていますけど、助手席に乗っていても不思議と怖さを感じません。ドライバーさんが百戦錬磨のプロフェッショナルということもありますが、コーナーでもクルマがフラつくようなこともなくタイヤがしっかりと路面を捉えているのが伝わってくる。それでいて乗り心地も上質だし、わたしのような素人でも『あ、いいタイヤ』って思えますね」と沢。

田口の駆るM340i ツーリングはあっという間に全長6km超のヒルクライムコースをゴール地点まで駆け上がってしまった。

今回のインプレッションではBMWチューニング&カスタマイズの老舗として知られる「3DDesign」のデモ車両となるBMW M340iツーリングを使用。3DDesignが手がけた、純正ダンパーとのバランスを考慮し電子制御サスペンションシステムのダンパーにも対応するローダウンスプリングや20インチのアルミホイール(TYPE3 FORGED)、洗練された機能美が光るエアロ・ボディパーツが装着された特別な1台である。取材協力:3DDesign(3Dデザイン) https://www.3ddesign.jp/

ADVAN Sport V107は「運動性能、快適性、安全性の高次元でのバランス」というコンセプトを貫くADVANブランドのグローバルフラッグシップタイヤ。専用の非対称トレッドパターンや、新コンパウンド、周方向の剛性を向上させるマトリックス・ボディ・プライ、さらに高剛性アラミド繊維を使うパワークラウンベルトとレーヨン・ボディ・プライ(一部サイズのみ)、新設計のマウンド・プロファイルなど、高性能を約束する技術は数限りない。今回の装着サイズはFront:235/35ZR20(92Y) Rear:255/30ZR20(92Y)となっている。

「V107はどちらかと言えばスポーツ志向ではなくコンフォート志向の強いタイヤという先入観がありました。もちろん、そのイメージは間違ってなくしっかりとコンフォートな乗り味なのだけれど、驚かされたのはスポーツ性能もかなり高い次元で両立している点。乗り心地が良くて静粛性やウェット性能にも優れたタイヤは、トレッドパターンも縦方向のバランスが整っている分、ワインディングやそれこそサーキットなどの高速域でのコーナリングだと横方向の強いグリップでは一線を越えるとグニャッとヨレやすい印象がある。でも、V107にはそれがない。かなり攻め込んでみてもすごく素直に、まさに“オン・ザ・レール”と評して問題ないくらいの安定した高速コーナリングを実現する。このバランスは本当に素晴らしいと思いますね」

ステアリングを握った田口のインプレッションに織戸が応える。

「“ADVAN Sport”という名前はやはり伊達ではないですよ。V107はそれなりの領域でスポーツ走行を楽しんでもしっかりと満足感が得られます。タイムアタックやレースのような極限域まで攻め込む種類のタイヤではないけれど、それでもかなりの速度域までクルマを追い込んでも優れたグリップ性能を発揮してくれる。プレミアムという価値観の中に、コンフォートとスポーツの両方の良さを高次元で融合させている。剛性感がしっかりあるけれど、かといってただ硬いのではなくしなやかさもある。このバランス感覚はそのまま乗り手に対して『気持ちいい』という、まさに上質=プレミアムな感覚をもたらしてくれる。ボクはこのタイヤ、とても好きです」

なお、高速域での優れた性能に関しては、同日に実施したChannel YOKOHAMAの収録でモータージャーナリストの吉田拓生が高速道路でのインプレッションをしているので、この記事の最後にある動画リンクからぜひご確認いただきたい。

「ADVANブランドのタイヤには開発テストも含めてこれまでたくさん触れてきました。タイムアタックからジムカーナ、さらにSUPER GTなどの純粋なレースまで含めれば、本当に多くの経験を積ませてもらった。その経験をもとにこのADVAN Sport V107を評すなら、“ドライバーとタイヤが対話できる”というADVANのタイヤに貫かれた素晴らしい性質、すなわちインフォメーション性の高さが非常に高いレベルでバランスされていると言えます。ふつうの速度域で流している分には良い意味でタイヤの存在感を不必要に感じさせることのない穏やかさをもっているのに、いざアクセルを踏み込み迫り来るコーナーへとステアリングを切り込んで行くと、一変して明らかにソリッドな印象のレスポンスまでを示してくれる。スポーツモデルからSUVモデル、さらにはスーパーカーと呼ばれるようなウルトラハイパフォーマンスモデルまで、とても幅広いカテゴリーに対応できるという点にもADVAN Sportのタイヤとしての懐の深さみたいなものを感じます。YOKOHAMA/ADVANが“妥協なきプレミアム”と謳う意味がよく理解できる、世界中のより多くの人に体感してほしいグローバルフラッグシップタイヤですね」

ヒルクライムコースでのタイヤインプレッション、その下り区間でステアリングを握った柴田優作(彼は今回の真庭速祭において1分58秒14という最速タイムをマークした)のとても満足げな表情とコメントに、ADVAN Sport V107の真価が表れていた。

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