2023年6月4日
ショップブログ
オールシーズンのメンテナンスと相性(2023.6.4追記)
本日、常連様のオイル交換を行っていたスタッフaが僕のところへきて
「タイヤがローテーション時期きてると思うんですが、当店タイヤ会員の優待ローテーション勧めたほうが良いんじゃないですかね?」
と報告してきたので、それならお客様のお時間のご都合だけ確認して勧めてあげて~と



タイヤを見たら、昨年装着したオールシーズンタイヤのブルーアース4S AW21だったので、スタッフがローテーション作業をやってる間に、ささっとデータ採集を行いました。
オールシーズンタイヤをお客様にお勧めするにあたって、このタイヤの摩耗傾向を知るのは重要なファクターであるからです。

これまでに当店ブログでは2回2銘柄のヨコハマオールシーズンレポートを行い、その性能の高さはわかりました。
しかし、オールシーズンタイヤをお客様にお勧めするにあたっては、走行性能以外にもう一つとても重要な要素があります。
それは、
「オールシーズン寿命がどれほどあるのか」
という部分です。
ここでいう「オールシーズン寿命」というのは、オールシーズンタイヤがオールシーズンでいられる間の期間を差し、つまりそれはタイヤのプラットフォームが露出される溝の半分までの摩耗寿命を指します。
これはスタッドレスタイヤでも同様の摩耗寿命があるのですが、冬にしか使わないスタッドレスでその冬の期間が短い松阪地域では、ほとんどのユーザーがアイスガードの当店推奨時間寿命である約4年を過ぎてもプラットフォームが余裕で残っている例が多いのですが、1年中使うことになるオールシーズンだとそうもいきません。
オールシーズンタイヤが「冬タイヤ」として使えるのは5部山まで。
夏タイヤを夏タイヤとして使える寿命が3部山程度までであるのに対して、オールシーズンがオールシーズンでいられるのは、3部山よりもっと前の5部山なのです。
5部山を過ぎたオールシーズンは、普通の夏タイヤになります。
ですので、オールシーズンタイヤを「冬に冬タイヤとしての役割」を求めて使う場合は、常に5部山以上を維持しなければなりません。
そうなると、オールシーズンをオールシーズンとして何年使えるかは、そのユーザーの使用環境によって大きく変動するのです。
スタッドレスタイヤが、冬の走行に意識の高いユーザーであっても1回買ったら最低でも「3シーズン」はもってほしいと考えるのが、この地域のユーザーの平均的な意識だと思います。
となると、せっかくオールシーズンタイヤを買っても冬タイヤとして使えるのが2年で終わったりすると「当てが外れた」ということになりかねません。
そういった残念な誤算を防ぐためには、我々販売者がそのタイヤの特性をできうる限り正確に把握しておく必要がありますし、お客様に対しては論理的な説明を行う義務があります。

僕の考える限り、オールシーズンの利点は3つです。
①冬と春のタイヤ屋の繁忙期にタイヤ交換をしなくて済むことと
②家にタイヤの保管をしなくて済むこと
③スタッドレスタイヤを買わなくて済むこと
このうち、おそらくオールシーズンを求めるのに最も一般ユーザーに期待される利点は③である事でしょう。
しかし、前述したオールシーズン寿命の理屈を考えると、そのユーザーの使用環境によっては必ずしも③の利点が生きない事例がある事を、販売員は正しく理解しなければなりません。
逆に①②の価値は不変であり、繁忙期にタイヤ屋に来なくていい利点や、保管コストが無いという価値はもっと評価されていいとさえ思います。
そして、そのお客様にとってオールシーズンタイヤの相性がいいかどうかをアドバイスするのが我々の仕事であり、その為には商談の席でしっかりと話を聞き出してお客様をよく知り、そして我々が売るタイヤの事をよく知ることです。
そうすればオールシーズンの商談百戦危うからずというわけです。
今回のデータでは、前回別のお客様の別のお車の別のタイヤサイズで採集した同じAW21のデータとは全く違う摩耗データがとれました。
これにより「〇〇の車で〇〇のサイズで〇〇のように使う場合のAS寿命は〇か月で、△△の車で△△で△△のように使う場合なら△か月もつことが期待できる」という事がわかりました。
これでまた、今後のお客様に対して オールシーズンを進めるべきお客様へ進めることができ、勧めるべきでないお客様へはスタッドレスや別の手段を提案する選択の判断材料となります。
我々の仕事は、他のお店と同じ物を売る商売ですからハード面では差がつきません。ですので、こういったソフト面でよりよいサービスを目指してゆきます。
その事に価値を認めていただけるお客様と末永いお付き合いができればと考えております。

冬タイヤの摩耗寿命を示すプラットフォーム

「公道走行可」の摩耗寿命を示すスリップサイン
なお、車検に受かる最低限の溝であるスリップサインは残1.6mmの所に用意されていますが
小型トラックが高速道路を走行する場合は走行可能な溝に更に厳しい制限があり、2.4mm以上必要となります。








