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共通車台とボルトピッチと時代の罠



先日、当店PITに初めて入庫した新型車がありました


三菱 アウトランダーPHEV

まだ発売されて間もない新型車です。


三菱アウトランダーといえば、つい最近まで現行車種だった先代アウトランダーでは初のPHEVが投入されたのが、まだ記憶に新しく
今回のアウトランダーはPHEVとしては2代目となるわけですが、今回驚いたことが一つありました。

それは


今回のアウトランダーから、ハブが日産系に切り替わっていた事。




(出典:KYO-EI PRODUCTS LINE UP 2022-2023 83頁より)

これがどういう事かというと、

ホイールナットのネジピッチが変わってしまっている

という事になります。
(当然、ハブ径も変わっているのですが、今回は割愛します)

具体的には、これまで三菱アウトランダーのネジピッチはP1.5だったのが、今回の世代からP.125に変わったのです。

こうなると、我々タイヤ屋さんは用意するナットが変わってしまうので要注意なのです。





何故そうなったのかは、調べればすぐにわかりました。

今回のアウトランダーPHEVは、ルノー・日産・三菱アライアンスで開発された共通プラットフォームを用いて作られた車だったからです。

そして、三社の共通プラットフォームとはいえ、実質的にそれは日産主体のプラットフォームである事は疑うまでもありません。

この冬のスタッドレス商戦から登場している(まだ実物を拝んでいませんが)新型 日産エクストレイルと親戚関係になる車になっていたのです。

日産ー三菱の関係は、日産DAYZが「日産車だけど、車台は三菱系なのでナットはP1.5」という今回の逆パターンが既にあったのですが、
そちらは初代三菱EKと日産オッティのOEM関係から始まっていたストーリーがあったので、最初から分かっていて驚く事もありませんでした。

他にも、10年前には日産フーガとシーマのOEMで、三菱プラウディアとデグニティの名が復活した時もあり、

あの時は「プラウディアという名前を、OEMで付けちゃうのか…」と、初代ディアマンテと共に過ごした少年期をもつ店長Kにとって一抹の淋しさを覚えたりもしましたが・・・

それでも、あくまでも本流ではない車種が中身他社製になっただけというイメージでしたし、万が一にも当店に二代目プラウディア/ディグニティが入庫したとしても「これは日産車だからナットはP1.25だね」と分かっていた事でしょう。

ですが、アウトランダーといえば三菱に残された最後の基幹車種たるデリカD:5と兄弟といえる本流の車種であるというイメージでしたので、いつのまにかモデルチェンジしていて、いつのまにか中身がごっそり変わっていた事は青天の霹靂だったのでした。

今回の作業は純正の20インチから18インチへのインチダウン。

ホイールとタイヤはお客様自身がご用意されたお持ち込み品。

前途したネジピッチ等は、実は色々とご自身で調べられてきたお客様との事前のヒアリングの中で判明した情報だったりします。
当店にあるマッチングガイドはネジピッチまでは書いていないのですがハブ径は書いてあり、それまでのΦ67からΦ66に変更されていた事を確認した為、その他の周辺情報と照らし合わせれば、ハブが日産系に変わっているという結論に達するのは当然の帰結でした。

ということで、この車に今回のお車に装着するタイヤ・ホイール等は全てお客様がご用意されたのですが、その過程でお客様が気になっていたことのご相談をお受けする形になりました。
その後、当店にてお持ち込み交換にて装着させて頂きましたが、工賃作業以外に唯一フクロナットだけ当店から社外品の使用をご提案させて頂き、装着させて頂きました。

今回の新型アウトランダーの純正ナットは、従来の三菱デリカ系のストレートのそれとは違い、一般的な60度テーパーであるので、そのまま使用しても理論的には問題無いのですが、テーパー部の面積が若干狭く、対してホイール側のテーパー面積が広く、純正ナットをそのまま使用するとナットが陥没してゆくような感触になるのを避ける目的です。

最終的は選択権はお客様に委ねていたのですが、僕の説明と目的にご納得頂き一般市販ナットに変更されました。もちろん、使うナットはP1.25になります。

それにしても…

ついにアウトランダーのブレーキも17インチホイールが装着できないまでに巨大化してしまいました。

また、対向ピストンタイプのいわゆるBIGキャリパーでは無いとはいえ、ホイール形状によってはクリアランスが厳しい場合もありそうです。

そしてこのアウトランダーのブレーキキャリパーは、つまりはこれから大いに市場に出回るであろう新型エスクトレイルのブレーキキャリパーでもあるんですよね。

事前に17インチが付かないという情報はキャッチしていましたが・・・、いやはや一昔前では考えられないほど一般車両のブレーキ大型化が進んでいます。

そういえば、先日登場した新型VOXYも遂に15インチが装着出来なくなった事が業界内で話題になりました。


これから、伝統的なブランドネームのフルモデルチェンジが行われる度に、先代モデルで使っていたスタッドレスタイヤは使えなくなっていく事が、もはや当たり前になっていくのかもしれませんね。

常に情報をアップデートして注意していないと、時代の罠に陥ってしまいそうです。