2021年9月19日
ショップブログ
作業事例 紹介シリーズ 「ロードスター(NA)アライメント調整 前編」
今回の作業事例は、初代ロードスターのアライメント調整のお話です。
アライメント調整の現場において、とても含蓄に富んだ結果となった印象深い調整作業でした。

■アライメント調整の動機
まず、最初のヒアリングでお客様が何故アライメントを行いたいのかを確認させて頂くと・・・
(1)長い間一度も調整をしていないので一度アライメントを確かめたい
(2)なんとなく車がまっすぐ走っていない気がするので直したい
という2点に集約されました。
(2)については当店のアライメント調整で十分対応可能ですが、(1)の要素についてはこの車両に関しては100%対応が出来ない部分があります。それはキャスター調整です。
当店のアライメントテスターは3Dテスターではないのでキャスター値は測定できません。とはいえ世の車の99%はキャスター調整が出来るようには造られていないので、3Dテスターを持っていてキャスター値が計測できたところで、3Dテスターを置いてある一般的なショップの殆どは何も出来ない事に変わりは無く、ここに当店と3Dテスター店とのパフォーマンスに差は出ません。
しかし、世の中にはこのキャスター調整が出来るように造られた車というのが極僅かに存在します。その極僅かの代表例こそが、この初代ロードスターなのです。
なので、ことロードスターに関してキャスター値までもしっかりと調整したいという要望があった場合、当店は系列の3Dテスター設置店を紹介することになるのですが、今回のお客様は当店のWEBサイトをしっかり確認してご来店くださっており、キャスター調整はしなくて良いとの事でしたので、このまま当店でアライメント調整作業を行う事となり、お客様には代車をお出ししてお車をお預かりしました。
■測定前の試乗で症状を確認


では、まずはアライメント測定前の試乗を行います。
いつも使う安全なテストコースで直進性の確認を行います。
すると、低速域でハンドルを真っ直ぐにした状態から手を離すとハンドルが左にとられてしまう現象を確認できました。
これは、リアアライメントに相当の狂いがありそうな予感がします。
■アライメント測定


ピットに戻り、アライメント測定作業を開始します。
すると予想通りリアのアライメントに相当な狂いがありました。
右リアトーが20分ほどアウト
左リアトーに至っては1度もインを向いています
つまり、この車の後軸は右を向いているので、車の鼻先は左を向く事になります。
これでは真っ直ぐ走りません。
キャンバーもバラバラですが、なんといってもやはり直進はリアトーです。
■アライメント調整 ★スタッフYさん大活躍★

では、さっそく調整作業に入ります。
初代ロードスターは、まさにこれぞダブルウィッシュボーンという言葉に相応しいくらいオーソドックスな形の二つのアームで構成されており、アライメント調整はロアアームの2つあるピボットの偏芯ボルトを回すことで調整を行います。
このタイプの調整アームは癖が強くて、キャンバーとトーをばっちり揃えるのに苦労するのですが、そこは流石のスタッフYさん。
バブル全盛期に某プロショップでこの手の作業を数え切れぬほどこなした経験は伊達ではなく、観測手の指示通りにあっというまに数字を合わせてゆきます。
(3Dテスターのように画面見ながらできないので、一人が観測手としてテスターの数字を常に観測しながら、作業手に+とーのどちらに数字を動かすかを指示します)

■数字はばっちり! なのに・・・

そんなわけで、前後のアライメントをばっちり揃え、満を持して試乗に向かいました。
すると・・・
Why!? ハンドルまっすぐで強烈に右に流れる!
アライメント調整前には起きていなかった、強烈な右流れが起きるようになっていたのです!
いったい何故こんな事が起きたのか?
次回へ続きます








