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作業事例 紹介シリーズ 「アライメント プリウスαの場合」

このお話は前回からの続きとなっております。

前回のヴェロッサの新規お客様T様のご紹介にて、プリウスαのN様のアライメント調整を承りました。

こちらのプリウスαのお世話をなさっているのはT様という事なので、ヒアリングは主にT様とさせて頂きました。

今回のプリウスαのアライメントをご希望された理由は

①フロントタイヤの内減り&早期磨耗(タイヤの現物は確認できず)
②N様が運転時、マンホール等を走った時にスタビリティ(操縦安定性)が悪く感じる

の2点です。

では、前回と同じように試乗を行ってからアライメント測定に入ります。

アライメント測定器具を取り付けようとして、ちょっとしたアクシデントが発生しました。

それは、ホイールからのボルト突出量が少なすぎて、測定器具が取り付けられなかったのです。

原因はホイールスペーサーでしたので、一度リフトアップしてタイヤを取り外し、スペーサーを抜いてから再度タイヤを装着し計測器具を付けるという工程が必要になりました。
(ストレートナットがかかるネジシロは十分あるのですが、測定器具はホイール座面にあたるのでネジがかからないのです)

アライメント測定時はタイヤ空気圧もしっかり合わせます。

当店の計測できるアライメント測定ポイントは
①フロントトー
②リアトー
③フロントキャンバー
④リアキャンバー

の4つなのですが、プリウスαで調整できるのはこのうちの①だけなのです。(前回のヴェロッサは4つ全て可能)
それ以外は標準では調整できません。


さて、色々すっとばして結果です(笑)


これが僕が一晩で作ったアライメント専用用紙プロトタイプです。

これでようやく、キャンバーやトーがお客様の目にも解りやすくなりました。

今回、アライメント測定の直前にリフトアップが入ってしまった事や、スペーサーの分でトレッド差の計算を間違えていたりで、最初の測定はなんと0度0分のまっすぐとなり、僕らの頭を悩ませました。

しかし、前途した事を考慮した上で再測定すると、若干のトーアウトという結果になりました。
アライメントの理論としては、フロントにネガティブキャンバーがほぼついていないので、キャンバースラストとトーアウトの相殺は起きず(左前は若干ありますが)、僅か10分とはいえ左右のタイヤは外へと外へ転がっていこうとしながら前へ進むため内減りは起きます。
ですが、この数字で”早期”磨耗となるかといわれれば少し疑問が残るといったところです。

こういった場合、我々は実際に磨耗をおこしたタイヤの客観的なデータが非常に大事となってきます。その為、当店ではすべてのタイヤ交換時に距離を記録し、当店でタイヤ御買上のお客様であれば何km使用したタイヤなのかを把握できるような環境を構築しています。

(例 写真はTG松阪オリジナル タイヤ交換距離ステッカーver.3 ) 今はVer.4になってるよ!

ですが、今回はそのデータがありません。

唯一の頼りは、「早期磨耗」と判断したT様の記憶と主観なので、再びお電話にてじっくりと相談させて頂き、結論としては弱トーアウトの現状から基準値内の弱トーインに調整する事としました。


これで、今回のお客様がアライメントをご希望なさった2つの理由

①フロントタイヤの内減り&早期磨耗(タイヤの現物は確認できず)
②N様が運転時、マンホール等を走った時にスタビリティ(操縦安定性)が悪く感じる

このうち、①に関しては対応ができました。 

次に②について、当店としての対応を行う必要があります。

お客様とよくよく話し込んでいくと、②を感じるのはN様で、T様がプリウスαを運転特にそう感じていないという事がわかりました。
そして、N様が②を感じるようになったのは、T様がN様の車両にダウンサスを入れてからという事も、話し込みの中で見えてきました。

そういった情報と、試乗を行った時のこの車の挙動(僕とスタッフYでそれぞれ1回ずつ試乗を行いました)から、スタッフ同士で検討した結果、おそらくN様が「スタビリティを悪くなったと感じた」要因はダウンサスによるものであろうと結論付けました。

装着されたバネのレートが何kg程度のものであるかはわかりませんが、純正形状のショックアブソーバーにダウンサスを入れた状態というのは、車高が下がった分だけバンプストロークの余裕が無くなっているので、マンホールを踏むなどしてタイヤがストロークをすれば、ほぼ間違いなくバンプタッチ(底付き)することになるので、スタビリティは悪化します。

ダウンサスというのは、カッコイイ見た目と引き換えに、純正の車が持っていたスタビリティは悪化する傾向になります。

今回の例に関しては、T様はそういったカスタムされた車に乗り慣れているので、現状のスタビリティに違和感がなく、逆にそれまで純正足で乗っていたN様は違和感を抱くことになったというのが、事の真相なのではないかと予想する事ができます。

スタビリティが悪いとは書きましたが、危険なレベルではなく、その車の個性と捉えて頂ければ良いかと思います。
人間というのは、なかなかにして優秀なセンサーをもっているので、ちょっとした”変化”を感じてしまうものです。
そして、それが「何故なのか?」が解らないと、いろいろと不安や不満に繋がってしまうのですが、何故かがわかれば安心や満足になります。

作業終了後、N様には上記のメカニズムを出来る限り解りやすくご説明させて頂きました。


それから一週間後、またT様より今度は別のお客様のタイヤ交換をご紹介頂く事がありましたので、N様のご様子を伺ったところ評判は上々との事で一安心でした。


アライメントのご用命ありがとうございました。

■アライメント作業料金(トヨタ プリウスα)
・前輪トー調整(一般国産車) ¥5,500