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持続可能なサプライチェーンの構築

天然ゴム調達の国際研究事業

持続可能な天然ゴム調達に関する国際共同研究・評価検証事業

未利用資源である天然ゴム種子の有効利用により環境問題解決を目指す国際共同研究

横浜ゴムは2024年9月、天然ゴム種子の有効利用により環境問題解決を目指す国際共同研究「未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究(以下、本研究)」に連携機関として正式に参画しました。本研究は外務省と文部科学省の支援のもと、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人国際協力機構(JICA)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が共同で実施している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択されています。
本研究は東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門の兼橋真二准教授を代表とし、世界最大の天然ゴム生産国であるタイと日本の2国間の産官学からなる研究体制で実施する国際共同研究です。
現在、タイヤの原材料を含め工業的に使われているほとんどの天然ゴムはパラゴムノキの樹液から作られており、その種子の多くは種苗の更新に使われるものを除き廃棄されています。本研究ではカーボンニュートラルな未利用資源であるパラゴムノキの種子の持続可能な有効利用技術確立を通じて、地球温暖化などの環境問題や新しいバイオマス事業の創出による農業労働者の経済格差問題の解決への貢献を目指します。
横浜ゴムは参画に先立ち昨年よりタイの天然ゴム加工会社Y.T. Rubber Co., Ltd.(ワイ・ティー・ラバー、以下YTRC)を通じて天然ゴム農園の現地調査に協力しており、2024年8月には兼橋准教授がYTRCを訪問し、東京農工大学からYTRCに対して研究協力に対する感謝状が授与されました。
今後は、パラゴムノキの種子の持続可能な採取システムの確立に向けて連携を強化し、当社の事業にとって欠かせない天然ゴム産業における新たな収益源の創出により労働環境の改善に貢献します。
また、横浜ゴム本社でもサーキュラーエコノミーの取り組みの一つとして、将来的な原料としての活用の可能性の検討を開始しています。

兼橋准教授から感謝状を受け取るYTRCの滝田昇社長

東京農工大学からの感謝状

環境省「先端技術を用いたASEAN地域からの自然資本のサステナブル調達の評価検証事業」への参画

横浜ゴムは、内閣府の「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」の対象施策として環境省が担当するプロジェクト「先端技術を用いたASEAN地域からの自然資本のサステナブル調達の評価検証事業(以下、本研究開発)」に協力機関として参画しました。(実施期間:2024年4月~2025年3月)
本研究開発は、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が国際航業株式会社と共同で、リモートセンシング技術※1などの先端技術を活用することで、プランテーションや農場の範囲を正確に把握し、自然資本に関する事業活動の定量的な評価指標と判断基準の作成、モニタリング手法の開発などを行い、持続可能な原材料調達の促進と自然資本に関する適切な情報開示の実現について検証しました。当社は天然ゴムの調達を行う事業者としてタイの天然ゴム農園においてモニタリング手法の評価検証を行いました。

天然ゴムのサプライチェーンには、多数の小規模ゴム農園、仲介業者および加工工場などが介在し、非常に複雑な構造となっています。そのため、サプライチェーンにおける違法な森林破壊、水資源管理などの環境問題に関するリスクの評価・モニタリングが困難となり、持続可能な調達を促進する上でトレーサビリティの確保が課題となっていました。本研究開発への参画を通じてモニタリングや情報開示の手法を確立することを目指し、サプライチェーンにおける天然ゴムのトレーサビリティの向上に貢献するとともに、本研究開発の解析手法の実装化の検討をしていきます。

インドネシアで蔓延するゴムノキの病害抑制に貢献

横浜ゴムは、2020年からゴムノキの病害抑制により天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指す国際共同研究「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発(以下、本研究)に協力会社として参画し、2024年からスクリーニングにより選定された殺菌剤が天然ゴムの品質に与える影響の調査を開始しました。
タイヤの原材料を含め⼯業的に使われているほとんどの天然ゴムはパラゴムノキから作られていますが、現在、インドネシアを中心に葉枯れ病の感染が拡大し、ゴム生産に深刻な被害を与えています。本研究では殺菌剤による葉枯れ病菌の駆除と病害に耐性をもつクローンの育種基盤構築、人工衛星やドローン画像による感染地域の早期検出といった多角的なアプローチにより、インドネシアの天然ゴム生産の90%以上を担う小規模農園での生産安定化を目指しています。すでに大規模農園でのフィールド評価において、適切に散布・使用すれば殺菌剤がゴムの特性および加硫物性に影響を及ぼさないことが確認できており、現在は本研究がターゲットとする小規模農園での影響調査に協力しています。
本研究は国立研究開発法人理化学研究所をはじめとした日本の研究機関と世界第二位の天然ゴム生産国であるインドネシアの研究機関の産官学からなる体制で実施する国際共同研究で、外務省と文部科学省の支援のもと、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択されています。2025年12月には本研究の成果がインドネシア大学で開催された「5th Joint Coordinating Committee Meeting (toward application of joint technologies for new breeding of natural rubber trees)」で発表されました。

葉枯れ病に感染したゴムノキ

フィールド評価での有効性を確認