ヨコハマ・インディア・プライベート・リミテッド (YIN)(インド)

事業内容

乗用車用タイヤの生産・販売

敷地面積

99,923m2(本社・工場)

従業員数

863名 (2023年4月末現在)

所在地

Plot No.1, Sector 4B, Bahadurgarh Industrial Estate, HSIIDC Bahadurgarh, Dist – Jhajjar, Haryana 124507 India(本社・工場)

相談・苦情などの受付窓口

Environment Health & Safety Dept.
TEL:+91-1276-662200 FAX:+91-1276-662000

社長ご挨拶

田渕 裕介

当社は、インド市場向けに2007年タイヤ販売会社を設立し輸入タイヤの販売を開始、2014年生産工場の操業を開始しました。
2023年に世界第1位の人口となったインドは、GDP、モータリゼーションも著しく成長を続けており、既に2022年には自動車の販売台数が日本を追い越し世界第3位となっています。弊社はこの市場拡大の早さに遅れることなく、2020年から第2期工場で生産開始、2021年には第2期生産能力増強を完了、2023年には第3期工場の生産開始により4年で生産能力4倍と拡大を進めてきました。
このように成長を続ける自動車の重要な部品の1つであるタイヤは、環境意識の高まりと共にその環境性能や品質への要求がますます高まってきています。環境への配慮では、環境への負荷が少ない素材、必要最小限のエネルギーによる生産、そして輸送のムダ排除等で、お客様へお届けするまで環境負荷の少ない事業運営を行っています。また材料や生産設備も低燃費タイヤ対応を行っており、2024年から始まるラベリング規制への対応も実施しています。品質への対応では、最新のIT技術を最大限に用いた、製品、部品、設備、環境の品質モニタリングシステムの導入・拡大を通して均質な製品をお届けし、お客様から信頼を頂けるよう継続的改善を行っております。
労働安全衛生マネジメントシステムISO45001:2018、環境マネジメントシステムISO14001:2015認証、品質マネジメントシステムISO9001:2015の各認証の継続更新、またOE供給開始に伴いIATF16949:2016の認証 も2020年に取得し、マネジメントシステムを機軸に、毎年具体的な目標を定め、従業員全員参加による継続的な改善活動とフォローアップの仕組みを運用し、マネジメントシステムの効果的な運用を図っています。
環境保全の取り組みとしては、温暖化防止と環境意識向上を目的に、YOKOHAMA千年の杜プロジェクトとして、植樹活動を2016年より開始しています。植樹は、宮脇方式の杜づくりに準じており、この方式を行政、地域の方々および近隣の学校を訪問或いは招き、官民・地域と一体となった活動を実施しています。
また地域社会への貢献として、例年街頭での清掃、啓発、ボランティア、社会的に弱い立場の方々への支援などの活動を行政や地域住民の皆様と共に協働して実施しています。
2020年以降Covid-19、チップや電気部品の納期問題、大気汚染の拡大による建設工事の中断命令など、外部要因による事業活動への影響は予断を許さない状況が続いてきました。しかし、このような先の見通し難い状況の中でも、経済成長著しいインドにおいて途切れなく事業の拡大を行うため、不透明な環境を前提とした機動的な事業計画の立案実行により生産・販売能力の拡大を最大限のスピードで実行する事を通して、ステークホルダーの皆様、インドの皆様から安心・安定感の有る、さらに信頼される企業となるよう引き続き取り組んで参ります。

組織統治

組織・体制の強化

チームワークの良い生販一体の組織づくりを目指して、組織運営を実施しています。
特にここ数年、迅速な生産能力拡大を進めてきましたが、人員や組織の拡大は最小限に抑え、現地インド人による管理体制と合わせ、生産・物流・販売のシームレスなコミュニケーションと迅速な意思決定を行う体制を維持しています。
そしてこれを支えるために、業務フローから職務権限、人事制度、コミュニケーションなどあるゆる方面でIT化を推進しています。
また一方で健全な組織運営の為に、内部通報に対する独立した委員会の設置や外部監査などによる組織の健康管理にも注力しています。更に、従業員の法令や社内ルール順守に対する意識向上を図るために、入社時におけるコンプライアンス・ルール教育の実施や定期的なフォローアップ教育、外部監査なども実施し従業員への認知向上、周知を図っています。

人権

平等な雇用機会

従業員の採用や配置、評価においては国籍、人種、民族、宗教、性別、年齢、性自認などについて差別無く、ポリシーに則りいかなる前提条件もつけず公平かつ一貫した運用を展開しています。
特に2022年より生産工程への女性従業員の採用を開始しました。生産工程のモニタリングカメラ、女性看護師・セキュリティー、専用通勤バスなどの配置、女性専用施設、保育施設の建設も行い、安心安全に働ける環境の構築に努めています。
職場での非倫理的行動やハラスメントについても明確なポリシーに則り運用を行っています。一方、明確な判断基準、手続きが記載された「従業員行動規範」に基づき、従業員に対する懲戒や苦情処理制度、異議申立て制度などを公正に運用しています。

労働慣行

労働安全衛生

安全衛生基本理念

安全衛生を全ての基本とし、労働災害防止と健康で快適な職場づくりに取り組む。

基本方針
  1. 働く者一人ひとりが安全を全てに優先させ全ての職位・職制の参加と行動と協力の下に安全活動の向上を図る。
  2. 安全衛生に関わる法令・行政指針への確実な適合を図る。
  3. 働く者に対して安全衛生の重要性を周知し必要な教育・訓練を実施する。
  4. 関係する協力会社との連携強化に努め事業活動に係る全ての人の安全と健康の確保に取り組む。
  5. 労働安全衛生マネジメントシステムにより作業と設備に係る潜在的危険を排除するためPDCAを回し継続的改善を図る。
  6. “整理整頓は安全衛生の基本である”との考えをもとに2Sを徹底する。
  7. 安心して働ける快適な職場作りを推進するとともに心とからだの健康づくりを積極的に支援する。
  8. 自動車産業の一翼をになう企業として交通事故防止に取り組む。

安全衛生は、労働の基本条件であり、最優先課題として取り組みを継続しています。
ISO 45001: 2018労働安全衛生マネジメントシステムをベースに、リスクアセスメント活動・設備や人の本質安全化活動等、人、仕組み、設備、管理の4側面に加え、心理的安全、健康、環境、エンジニアリングの4側面を新たに加え、4×4活動を展開しています。

体感訓練とルールの見える化

2021年に体感訓練道場を新たに設置したモノづくり道場に統合し、入社時教育で会社のビジョン、職場での行動ルール、五感訓練、製造工程での安全装置や防火対策、製品に関する知識、品質・不適合品・過去トラブルに関する知識、設備部品知識など包括的な安全教育を実施し、職場へ配置する前に弊社従業員として必要な全般的教育を行っています。
2023年度も新入社員を含め、全従業員が年1回の訓練・評価を受けています。

COVID-19に対する取り組み

2020年の初めより、全世界がCOVID-19のパンデミックに見舞われました。 インドでもその影響は甚大で多くの尊い命が奪われました。当時弊社としても、人と事業への影響と損失を最小限に抑えるためCOVID-19に対する予防措置を徹底的に実施しました。
2023年現在インドでは全てが通常に戻ました。当時の予防措置は中断していますが、いつ何が発生するか不透明な中で、いつでも予防措置を即座に展開出来るようにしています。

全国安全月間

毎年3月は全国安全月間であり、工場長が安全宣言と安全誓いを立て、安全旗、国旗掲揚した後、呼び掛けを行いながら工場内巡回を行います。
更に、各従業員に対する安全に関する教育と消防訓練を行い、また安全意識向上活動として、安全スローガン、安全クイズ、安全ポスターを作成し優秀作品を表彰しています。

消火訓練や救出訓練、避難訓練を昼夜問わず定期的に実施する事で、緊急事態への準備とともに、問題点を洗い出して改善へとつなげています。

環境

環境マネジメント

統合方針

環境マネジメントの持続的改善を実現するため、ISO14001:2015を取得しております。

  1. 全ての活動分野において環境に配慮した施策に取り組みます。
  2. 国際規範を尊重し、地域貢献・社会貢献に努めます。
  3. 環境マネジメントシステムを強化し、先手管理による環境汚染・感覚公害の予防と環境負荷低減により環境改善を継続的に進めます。
  4. 関連する法規制および協定等を順守し、継続的に環境改善活動に取り組みます。
  5. 循環型社会および低炭素社会の実現に向けて、地球温暖化防止、省エネルギー、省資源、資源循環を推進します。
  6. 事業活動を通じて生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用に努めます。
  7. 地域の融和を進め、地域を大切にし、地域から信頼される環境貢献企業を目指します。

ISO14001登録証

環境データ

画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます

項 目 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
廃棄物処理量(t) 182 280 420 570 584
埋立率(%) 0.5 0.7 0.2 0.2 0.3
埋立量(t) 1.0 2.0 1.0 1.0 1.8
エネルギー使用量
(原油換算:kl)
電力 2,010 2,542 3,360 4,676 4,866
燃料 1,499 1,439 1,638 2,272 2,674
合計 3,508 3,981 4,998 6,948 7,540
温室効果ガス排出量(千t-CO2 11.0 12.7 16.1 21.1 19.9
水使用量(千m3 32.9 33.6 45.4 63.8 76.0

化学物質の管理状況についての報告(PRTR法への対応)

危険物の取り扱いについては、物質ごとに、保管・取り扱い(非定常時も含め)等、法令・要領に定められた内容で、運用・管理しています。
マネジメントシステムに基づき、定期的に検証改善する中で、事故等の発生もありません。

騒音、振動、臭気について

毎月1回外部検査会社によるモニタリングを実施しており、行政への報告と共に法規制項目以外に自主管理項目と自主管理値も設定し、環境会議にてフォローアップ、更なる改善に向けた討議・方向付けを行っています。

環境負荷低減の取り組み

弊社ではCO2排出量低減に向けた活動の一環として、計画的に太陽光発電施設の拡充を行っています。1期工場200kw, 2期800kwそして3期では第1弾として2024年に1,000kw(1Mw)、第2弾として2025年に1,500kw(1.5Mw)の増設を計画しています。最終的には3.5Mwの発電容量とする事で、CO2排出低減に積極的に取り組んでいく計画です。
また、ユーティリティ施設への高効率設備の導入、デジタル技術によるリアルタイムモニタリングで最適な運転状態の維持など、エネルギーの効率的利用も積極的に進めています。

環境事故・リスク低減の取り組み

リークゼロ活動

安全、省エネ活動の一環として、水・蒸気・油類・粉体・エアー、熱の漏れなし活動(=リークゼロ活動)を定期保全やTPM活動のみならず全部門が参加する改善タスクフォースチームも組織し、改善のスピードアップを図っています。
この活動を通じて、漏れゼロによる環境リスク低減と共に省資源化、エネルギー利用効率向上などの継続的な改善を行っています。

環境月間

毎年6月の環境月間では、環境改善実行計画の作成、実行、評価の取り組みを実施、また、従業員だけでなくご家族からも広く、環境標語、環境クイズ、環境ポスターを募集し、優秀作品を表彰することで従業員やご家族の環境意識向上の一助となるよう活動も行っています。

公正な事業慣行

契約、購買等におけるプロセスの透明化や承認権限の明確化、コンプライアンス教育の実施、マネジメントによる定期的検証、外部監査により不正を発生させない仕組み、未然に防止する仕組みを構築し徹底しています。

消費者課題

環境貢献商品Earth-1の生産を2014年より開始。インドは道路事情が悪く、道路の凹みなどでタイヤの破損率が高いため、特定のタイヤは再度開発からやり直す事により改善品をお客さまに提供することで好評をいただいています。更にインドのお客様の要求・嗜好にミートした製品開発をタイムリーに進める為、企画立案からローカルスタッフが主体となり、インド市場の実情に即した製品の上市を図っています。

苦情などへの対応

お客様からいただいた情報については、手順に基づき迅速に社内展開し、内容と原因の分析と対策、その改善実行計画を立て製品品質などの改善を随時行っています。

コミュニティへの参画及びコミュニティの発展

地域との関わり

行政、NGOや地域住民との会合の中で、学校教育環境の整備が大きな課題と認識しており、弊社でも主要な取り組み課題としてここ数年取り組んでいます。今年も近隣の公立学校の老朽化した校舎・教室の改修や清潔な水飲み場や手洗場、安全なトイレの新設など、行政/NGOや学校と協業させて頂きながら安心安全な教育環境の構築に向けて計画的に進めています。

千年の杜活動

ハリヤナ州バハドゥルガルのNGO「Clean&Green Association」による植樹活動に今年も参加し、620本の苗木を寄贈しました。 また従業員の自宅周辺のグリーン化活動支援のために、従業員に苗木71本を提供しました。そして2023年10月には3期工場での植樹を行う予定です。