Y.T.RUBBER CO.,LTD.(YTRC)(タイ/天然ゴム加工)

事業内容

天然ゴム加工

敷地面積

250,000m2

従業員数

260名(2023年12月末現在)

所在地

51/2 Moo. 1 Thambon Tha Sa Thorn, Amphur. Phunphin, Suratthani 84130, Thailand

相談・苦情などの受付窓口

+66 89-895-1825 +66 93-576-6556
メールアドレス:ytrc_envi@ytrc.co.th

社長ご挨拶

滝田 昇

Y.T.ラバー(略称:YTRC)は、横浜ゴムグループのタイヤ工場に天然ゴムを供給するために、2008年に設立された会社です。
工場所在地はタイの首都バンコクより南へ約600km、タイ南部(マレー半島北部)の東側に位置するスラタニ県(Suratthani)にあります。 タイの天然ゴム総生産量は年間約480万トンで、世界一の天然ゴム生産国です。このうちタイ南部での生産量は約3分の2を占め、スラタニはその主要生産地域の一つです。
工場周辺は広大なゴム農園を中心にパーム農園、熱帯雨林が広がり、自然が大変豊富です。
現在Y.T.ラバーでは、ゴムの原料を調達・加工し、高機能タイヤを含むタイヤ製品向けとして、タイ国内、日本、アメリカ、中国、フィリピン、インド等の横浜ゴムグループのタイヤ生産拠点に供給しています。
当社は横浜ゴムグループの一員として、環境貢献企業のポリシーのもと、ISO9001、ISO14001、FSC COC認証を取得しました。
工場敷地内で使用する洗浄用の水は完全循環システムを用いて、約2か月間かけて沈殿や浄化を進め、水の循環リサイクルシステムを続けています。
Y.T.ラバーは周辺の自然環境を守り、地元住民との共存を基本に運営しています。

組織統治

当社の従業員は日本人のほか、タイ人とミャンマー人で構成されており、タイ語とミャンマー語のコンプライアンスカードをそれぞれ作成し、配布しています。
コンプライアンス教育も定期的に実施し、コンプライアンス遵守のルール浸透を図っています。

コンプライアンスカード(タイ語)

コンプライアンスカード(ミャンマー語)

コンプライアンス教育の様子

コンプライアンス教育資料(タイ語/ミャンマー語)

人権

従業員の交流

新型コロナ明けの活動は、コロナ前のペースに戻り、積極的に取り組んでいます。 タイの仏教文化に基づいたイベントや、社内運動会、年末パーティー等、様々な場面でタイ人・ミャンマー人・日本人が交流し、親睦を図り協力意識を高めています。
当社は、スポーツイベントを含む社外の活動に参加し、地域の催しには協賛も行っています。
社内の敷地に毎年5,000本の苗木を植える植樹活動を2011年から毎年実施しており、すでに60,000本を越える植樹が実現されました。
これらの苗木は、当社の社員が地域で採取した種を使用し、天然ゴムの洗浄時に得られる栄養価の高い土を使って育苗ポットを作成し、育てています。
また、希望する周辺住民や農家などに無償配布して、大変喜ばれています。
さらに2024年からは、多くの周辺住民の要望に応え、果物の苗木(ドリアン、ジャックフルーツ、ランブータンなど)も育て、配布することにしています。

千年の杜 植樹活動

千年の杜 植樹活動

ソンクランセレモニー

スポーツデイ

イヤーエンド パーティー

バースデーボード

YTRCメモリアルボード

労働慣行

安全と健康を守る活動

「災害ゼロ」を目標に掲げ、日々の安全意識向上のために啓蒙活動を実施しています。そのため、日々の安全パトロールや定期的な安全教育、リスクアセスメントを行っています。
また、保護具の見直しを定期的に行い、適切な治具の選定と最適な使用方法の運用に努めています。
新たにAEDを設置し、使用教育を行い、緊急時に救命できる体制を整えています。
同業他社の災害事例を取り寄せ、当社の状況に応じた災害防止対策を話し合い、設備の改修を進めています。
天然ゴムの加工工場での火災は初期消火が最も重要であることを全社員に理解してもらい、誰もが消火器を扱える体制を整えています。
最近では避難訓練に、敷地内にある社宅在住の社員やその家族、出入りの業者の方々にも参加していただくようにしました。 交通安全教育にも力を入れており、オートバイ運転時のヘルメット着用はもちろん、長い休暇の前には改めて安全教育を実施しています。交通安全の取り組みとして、周辺の学校にヘルメットを無償配布しています。
また、政府が主導する禁止薬物撲滅運動にも積極的に協力し、従業員の健康と健全な生活環境の維持に努めています。
医療保険や定期健康診断についても法律に従い、タイ人・ミャンマー人を区別なく平等な労働条件を確保しています。

救命訓練

防災訓練

防災訓練

交通安全教育

交通安全教育

健康診断

環境

環境データ

画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます

項 目 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
廃棄物処理量(t) 32 28 28 23 29
埋立率(%) 50.0 75.0 54.5 65.0 59.0
埋立量(t) 14.0 14.0 21.0 15.2 17.1
エネルギー使用量
(原油換算:kl)
電力 1,863 1,535 1,750 1,955 2,404
燃料 1,115 920 1,128 1,344 1,630
合計 2,978 2,455 2,877 3,299 4,034
温室効果ガス排出量(千t-CO2 6.3 5.5 6.5 7.4 7.2
水使用量(千m3 30.1 31.0 30.0 28.7 26.8

省エネ活動

省エネ活動を推進した結果、生産原単位あたりの電力や燃料の使用量は年々減少傾向を続けています。
オフィスおよび生産現場の両方で、LED照明の導入を積極的に進めています。
2024年からは太陽光発電パネルの導入により、脱炭素への取り組みが大きく前進する見込みです。

省エネ促進教育資料

現場での省エネ教育の様子

生物多様性保全活動

当社敷地内にある遊水池や隣接するタピー川に生育する魚類・鳥類の調査を通じて、生物多様性の保全活動を継続的に実施しています。
遊水池の水質の維持管理に加え、遊水池の周囲を中心にマウンドを整備し、2011年からは毎年5,000本のペースで植樹を実施しています。 遊水池やその周辺が、鳥や魚が住みやすい環境になるよう気を配っています。稚魚の放流や雨期の増水時に周辺から水が流入することもあり、遊水池には多くの種類の魚が生息しています。
遊水池は年1回 のペースで、地域の方々へ開放しています。その際にはたくさんの魚が採れ、自由に持ち帰っていただいているため、参加された方々に大変喜ばれています。
工場で使用する水は洗浄池を利用して、約2か月かけて沈殿などを繰り返し、水を再利用するという完全循環型の水の使用方法を創業開始以来続けています。常に工場用水の水質の維持管理に努めていることから、水質は遊水池とほぼ同等です。
降水量の増大等で、一時的に洗浄池から遊水池へ水を移すことが必要となる場合は、事前に水質検査を行ってから、実施しています。
さらに遊水池から周辺の川へ排出する場合は、水質基準を満たしている事を確認した上で、地域行政の了解を得た後に行うようにしています。

遊水池での魚獲り(生育状況調査)

投網による捕獲

鳥類観察

敷地内の植生調査

公正な事業慣行

横浜ゴムの調達方針に基づき、公平公正な取り引きを行っています。
原料サプライヤーを定期的に訪問し、関係の維持および強化を図りながら、当社のCSR理念についても説明し、理解を深めてもらっています。

アグロフォレストリー農法の推進

アグロフォレストリー農法とは、ゴムの木と木の間に別の農作物を育てることで、ゴムの樹液収穫以外にも農作物の収穫を可能にし、小規模農家が安定した収入を得るための混合栽培農法です。
Y.T.ラバーではアグロフォレストリー農法を推進し、小規模農家の経営・生活の安定化と、生物多様性保全・森林保護の両立を図っています。
2024年からは、ドリアンやマンゴーなどの果物をY.T.ラバーが種から栽培し、その苗木を希望する農家に対して無償提供する取組みを計画しています。この活動により、アグロフォレストリー農法の推進をよりバックアップすることができると考えています。
また、大学でアグロフォレストリー農法を研究している専門家と協力し、Y.T.ラバーが展開する試験農園への苗木の提供も行っています。
Y.T.ラバーでは地域の豊かな植生を生かすべく、種の採取・選別から土の醸成と育苗のための容器(ポット)作りまでを、一貫して社員の手作りで実施しています。育てた苗木は地元の希望する学校・施設や農家、個人へ 年間を通して毎年1万本以上を提供し、好評を得ています。

種を集める活動

採取した種

育苗ポット用の土づくり

育苗ポットへ種の仕込み

社内で育てた苗の提供:RAOT(Rubber Authority of Thailand)を通して苗木を提供するルートも確立

CSR農家調査

横浜ゴムが掲げる『持続可能な天然ゴム調達の実現』に向け、天然ゴム生産の実態を把握すべく農家調査を2020年から実施しています。
2024年には累計で750軒を超える農家を訪問します。集めたデータを分析し、新たな取組みの方向性検討と改善に生かしています。
原料のトレーサビリティ改善も念頭に、多くの農家への教育機会を作り、肥料の無償提供を行うなど農家支援活動についても、2019年より積極的に実施しています。

農家調査の様子

農家調査の様子

天然ゴム農家 啓蒙・支援活動

横浜ゴムが掲げる「持続可能な天然ゴム調達」の実現に向け、タイ農業省傘下のRAOT(Rubber Authority of Thailand)と協業で、天然ゴム農家を招いたセミナーを定期的に開催しています。
同セミナーでは、天然ゴムの専門家から「肥料の適切な与え方」、「品質改善」、「収量向上策」などの講義を行っています。Y.T.ラバーの品証部門からは「異物混入撲滅の重要性」の説明をし、天然ゴム原料の品質維持の必要性に対する理解を深めてもらうよう努めています。
年間 100軒を越える農家の方々にこのセミナーに参加しており、多くの農家から「肥料」や「品質」の重要性に対する理解が深まったと、感謝の言葉が伝えられています。
イベントに参加した農家の方々には、市販されていないRAOTが独自で配合した「特製肥料」を無償で配布しています。
肥料の効果を分析するために、農家の方々からは毎月カップランプ原料を提出いただき、肥料による品質の変化の経過観察を行っています。
同時に、イベントの参加者全員にYOKOHAMAのロゴ入りキャップやポロシャツを配布し、YOKOHAMAに親しみを持ってもらうように努めています。

天然ゴム農家セミナー

天然ゴム農家への無償肥料提供

天然ゴム農家への無償肥料提供

消費者課題

ISO9001に沿った品質管理を行い、顧客からのクレームゼロを念頭に、日々改善を続けています。

ISO9001/14001監査

ISO9001/14001監査

コミュニティへの参画及びコミュニティの発展

毎月開催される地域コミュニティの会合に参加し、環境や地域社会への取り組みに関する意見交換を行い、当社の社会貢献活動についての理解を深めてもらっています。
また、近隣企業および公的機関(学校、病院、寺院など)との会合にも参加し、情報の交換を行い、寄付活動にも参加し地域の発展に協力しています。
地域の植樹活動やスポーツイベントにボランティアで参加したり、協賛を通じて、地域の発展のための取組みを進めています。 工場周辺の村で洪水が発生した際には、隣接する2つの村で被災した全世帯に対して、洪水直後に飲料水と米を支給し、大変感謝されています。

地元救急隊へYOKOHAMAタイヤを寄贈

学校運動会への飲料水支援

バレーボール大会支援

奨学金寄付

地域住民の方へ遊水池解放で魚捕り

地域住民の方々へ遊水池を開放して魚獲り