ニュースリリース
スチレン系ゴム使用の「粘弾性制震ダンパー」開発
減衰性能が高く温度影響が少ない
2003年03月13日
- 工業品関連
横浜ゴム(株)(社長:冨永靖雄)は清水建設(株)(社長:野村哲也)と共同で新型の粘弾性制震ダンパーを開発した。同製品は現在清水建設がスポンサーのJVで施工中の「日本橋一丁目計画」(来年1月末竣工予定)に約300台設置される予定。
横浜ゴムは1999年、本格的に粘弾性制震ダンパー事業に進出した。第一弾製品として、従来の粘弾性制震ダンパーの弱点とされてきた気温の変化による剛性、減衰性能の変動を大幅に抑えた高減衰ゴム系の粘弾性制震ダンパーを開発。同製品を品川駅東口B-1地区に建設された賃貸住宅棟「ストーリア品川」(2003年1月竣工)に納入するなどの実績を重ねてきた。
同時に横浜ゴムでは新たな粘弾性体の研究開発にも取り組んできた。このほど清水建設と共同で開発した新製品は、粘弾性体にスチレン系ゴムを採用することで、従来の粘弾性制震ダンパーを大きく上回る減衰性能と温度変化による減衰能力の低下抑制を実現している。この結果、従来の粘弾性系に比べ2割少ない設置台数で同等の耐震性と揺れの抑制機能を確保。さらに製造方法も粘弾性体と鋼板を一括熱処理するため簡易化でき、建方時に鉄骨フレームに斜めに取り付けるだけで効率的に設置できるなどの利点も備えている。
新製品の開発によって、横浜ゴムは温度依存性の少ない高減衰ゴム、減衰性能に優れたスチレン系ゴム2タイプの粘弾性制震ダンパーをラインナップすることになった。今後は使用する目的、環境、条件、目標効果などに合わせてきめ細かい提案を行い、新築、耐震改修など幅広いユーザーニーズに対応していく考え。
制震ダンパーは中高層建物の壁やブレーズ(すじかい)の構造部材として使用され、大地震への耐震機能に加え中小地震や強風による建物の小さな揺れを抑制する。鋼材系と粘弾性系に大別され、粘弾性系は鋼材系に比べ、減衰性能に優れる、過大変形が少ない、低コストなどの利点を備えるが、気温の上昇によって減衰性能が低下する問題があった。

