ニュースリリース

横浜ゴム、タイヤ開発の意思決定を支援する生成AIシステムを独自開発

~RAGを活用し、社内技術文書から必要な情報と根拠を迅速に提示~

2026年08月28日

  • タイヤ関連
  • 技術関連

横浜ゴム(株)は2026年8月、社内に蓄積されたさまざまな技術文書を検索し、その内容に基づく回答を生成AIが提示するRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を活用した生成AIシステムを独自に開発し、本格運用を開始しました。これにより、材料開発を含むタイヤ開発プロセスにおいて、意思決定に必要な技術情報を迅速かつ的確に参照できるようになり、タイヤ開発のさらなるスピードアップと高度化に貢献します。

当社は、2020年10月に策定したAI利活用フレームワーク「HAICoLab(ハイコラボ)※1」の実践環境を拡張するため、本システムを開発しました。これまで当社は、ゴムの配合物性値やタイヤ特性値の予測、ゴム配合の生成、金型設計の支援などを行うAIシステムを開発し、材料設計やタイヤ設計におけるデータ活用を推進してきました。一方、タイヤ開発における技術者の意思決定に必要な技術知識(ドメイン知識)※2は、規則・要領・技術報告書・事例情報などの膨大な技術文書に蓄積されており、その中から開発の目的や状況に即した情報を迅速かつ的確に探し出し、参照できる仕組みの構築が課題となっていました。
※1 社内に蓄積されたデータや知識を活用してAIを高度化し、人がメタ認知を働かせながら仮説を設定し、AIを活用し、その結果を解釈・判断することで、製品・プロセス・サービスの革新と人の成長を循環的に促していく“人とAIとの協奏”の枠組み
※2 専門知識やノウハウ

本システムでは、技術者が開発の目的や状況に応じた質問を入力すると、社内の技術文書から関連性の高い情報を検索し、その内容に基づく回答を生成AIが提示します。さらに、実装されたAIエージェントが技術者の質問の意図をくみ取り、検索計画の立案・情報検索・結果評価を自律的に繰り返すことで、回答精度を高める仕組みを構築しました。また、回答と併せて根拠となる元文書へのリンクを表示することで、技術者自身が回答の根拠や妥当性を確認し、解釈・判断に活用できるようにしました。これにより、技術文書に蓄積されたドメイン知識をAIで活用する仕組みを新たに加え、HAICoLabに基づくタイヤ開発環境を拡張しました。

横浜ゴムは、こうしたAIシステムの開発と併せ、HAICoLabを実践できるDX人材育成を推進しています。今後は、本システムをさらに高度化し、社内に蓄積されたデータや知識を一層活用することで、製品・プロセス・サービスの革新を目指します。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

“人とAIとの協奏”による技術情報活用プロセスの概念図

“人とAIとの協奏”による技術情報活用プロセスの概念図