ニュースリリース

横浜ゴム、2022年度第1四半期決算は増収減益

2022年05月13日

  • 経営関連

横浜ゴム(株)の2022年度第1四半期決算(2022 年 1 月 1 日から 2022 年 3 月 31 日)は、売上収益は1,856億円(前年同期比28.4%増)、事業利益は137億円(同2.5%減)、営業利益は135億円(同62.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は102億円(同63.5%減)となりました。主力のタイヤ事業において北米を中心とした値上げの浸透や為替円安が寄与し、売上収益は過去最高となりましたが、原材料価格や物流費の高騰、国際物流網の混乱、新型コロナウイルス感染症などの影響を受け事業利益は減益となりました。
※事業譲渡したハマタイト事業を「非継続事業」に分類し2021年度の数値を組替えて比較しています。
※事業利益は日本基準の営業利益に当たる指標として設定。事業利益=売上収益-(売上原価+販売費及び一般管理費)で算出。

タイヤ事業は売上収益、事業利益ともに前年同期を上回りました。新車用タイヤの売上収益は世界的な半導体不足による生産調整の影響を受けたものの、全体では前年同期を上回りました。市販用タイヤは、国内では「ADVAN」シリーズをはじめとした新商品の発売、降雪による冬用タイヤの好調な販売、値上げ前需要の取り込みなど高付加価値商品の拡販に努め、海外では旺盛な需要に対応したことにより、北米やインドなどアジア地域で販売を増やし、売上収益は前年同期を上回りました。YOHT(Yokohama Off-Highway Tires、旧ATG)も農業機械用、産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤの販売が好調でした。
※2022年度より「YOHT(旧ATG)」の業績は顧客および製品特性の類似性などを踏まえ「タイヤ事業」に集約しています。

MB(マルチプル・ビジネス)は、売上収益は前年同期を上回りましたが、事業利益は原材料価格高騰や米国での労働需給の逼迫による影響などにより下回りました。ホース配管事業の売上収益は国内外の建機向け油圧ホースが好調で前年同期を上回りました。工業資材事業の売上収益は、海洋商品は需要減少の影響を受けましたが、コンベヤベルトは国内販売強化により好調に推移したほか、航空部品も民間航空機向け補用品需要が回復し、前年同期を上回りました。
※航空部品事業部は2022年3月30日に工業資材事業部へ統合しました。

2022年度通期の連結業績予想は、2022年2月公表値を据え置き、売上収益は7,500億円、事業利益は600億円、営業利益は585億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は400億円を計画しています。

中期経営計画「YX2023」の進捗

横浜ゴムは2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023 )」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)の下、既存事業における強みの「深化」と大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進することにより、次世代の成長に向けた「変革」を図っています。

タイヤ消費財では「高付加価値品比率最大化」を掲げており、「ADVAN」「GEOLANDAR」「ウィンタータイヤ」の拡販に取り組んでいます。2022年度は「ヨコハマ夏の陣」と位置づけ、グローバルフラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V107」、高性能ストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」、「雨に強い」ミニバン専用低燃費タイヤ「BluEarth-RV RV03」、コンパクトミニバン・軽ハイトワゴン専用低燃費タイヤ「BluEarth-RV RV03CK」を発売し、販売強化に取り組んでいます。
プレミアムカー・プレミアムEVへの新車装着ではメルセデスAMG、Lexusなどに加え、新たにトヨタ自動車(株)初のBEVである「bZ4X」に装着されました。モータースポーツ活動ではSUPER GT開幕戦のGT300 クラスでワンツーフィニッシュし、また、メキシコの過酷なオフロードレース「SCORE SAN FELIPE 250」で「GEOLANDAR」装着車がクラス優勝しました。 

タイヤ生産財では「コスト」「サービス」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「商品ラインアップの拡充」をテーマに掲げ、市場変化を「探索」しています。成長ドライバーであるOHT事業の拡大を図るため、3月25日にTrelleborg ABとTrelleborg Wheel Systems Holding ABの全株式を取得する株式売買契約を締結しました。新商品ではトラック用オールシーズンタイヤ「BluEarth 711L」、トレーラ向けワイドベースタイヤ「505C」を発売。さらにCASE、MaaS への取り組みとして、アルプスアルパイン(株)と共同でタイヤ内面貼り付け型センサーからタイヤの摩耗状態を推定する技術を開発しました。

MB 事業は強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中し、安定収益を確保できる構造を確立します。生産強化ではホース配管事業の茨城工場に続き、工業資材事業では平塚製造所のコンベヤベルト生産能力を1.3倍に増強します。また新たなサービスの実現を目指し、RFIDタグ※によりマリンホースやコンベヤベルトの遠隔監視と損傷予知システムの実証実験を開始しました。また構造改革の一環として、3月末に航空部品事業部を工業資材事業部に統合しました。
※RFID(Radio Frequency Identification)=電波を用いて情報を非接触で読み書きする自動認識技術

ESGでは「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「自然との共生」を3本柱として取り組んでいます。「サーキュラーエコノミー」の主な成果では、日本ゼオン(株)と実施する資源循環に関する技術開発が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」に採択されました。サステナブル素材を採用したタイヤ開発では、全日本スーパーフォーミュラ向けタイヤの走行テストを開始したほか、6月に北米の「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に参戦するEVカーにバイオマス由来のブタジエンゴムを使用したタイヤを供給します。
そのほか、4月には国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき「横浜ゴムグループ人権方針」を策定しました。さらに1月に賛同した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に基づく気候関連情報を4月にCSRウェブサイトおよびコーポレート・ガバナンス報告書にて開示しました。当社のESG活動は世界的なESG投資指数「FTSE4Good Index Series」に17年連続で選定されるなど高い評価を得ています。

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