パイクス・ピーク・インターナショナル・ヒルクライムとは

アメリカのコロラド州、ロッキー山脈の東端に位置する山がパイクス・ピーク。合衆国の第3代大統領トーマス・ジェファーソンの命を受けて探検を行ったゼブロン・パイク大尉によって存在を広められたことにちなんで名付けられた。この山を、自動車で如何に速く駆け上がることが出来るか、単純明快にして実に奥の深い競技がPPIHC(パイクス・ピーク・インターナショナル・ヒルクライム)である。

戦いの舞台は、普段は観光道路として使われるルート。全長およそ20kmの一本道は標高約2,800mの地点をスタートとして、4,301mの頂上を目指して走る。以前は舗装されていなかったが近年は道の整備が進み、今では全線が舗装されている。しかし、ところによってはガードレールが皆無という場所もあり、競技の舞台としてチャレンジングであることに変わりは無い。

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そして、ドライバーを待ち受けているのは150を超えるコーナーの数々だ。平均7%、最大10%の登り勾配は、ワンミスがまさに命取りとなりかねないので、ドライバーは一寸たりとも気を抜くことは許されない。視界には空が広がり、天気に恵まれれば実に風光明媚なパイクス・ピークであるが、競技中のドライバーに景色を楽しむ余裕など皆無だろう。

この競技が始まったのは1916年、アメリカではインディ500と並ぶ歴史のあるモータースポーツとして高い人気を誇っている。地元にとっては年に一度の盛大なお祭りでもあり、レースウィークには街中でのショーも行われるなど、地域の住民や観光客が毎年楽しみにしているビッグイベントだ。

パイクス・ピーク・インターナショナル・ヒルクライムとヨコハマタイヤ

ヨコハマタイヤとパイクス・ピークで大いに注目を集めた参戦が、2009年に始まった電気自動車によるものだろう。4,000m級の標高を駆け抜ける競技ゆえ、内燃機関は酸素密度の低下でパワーダウンを余儀なくされる。対して電気自動車は全く影響を受けることが無いので、優れたパフォーマンスを発揮することが出来る。

そんな電気自動車での挑戦に加え、2011年にはエコタイヤを装着しての参戦が話題を集めた。この年はプロトタイプ仕様のタイヤで電気自動車での最速記録を更新。そして翌年には一般市販されている低燃費タイヤを装着して参戦し、前年のタイムを更新する速さを見せた。

2022年はエキシビジョンクラスに参戦する電気自動車に、バイオマス(生物資源)由来のブタジエンゴムを使用したADVANタイヤを供給。また、「Porsche Pikes Peak Trophy by Yokohama」へのワンメイク供給も継続して、ユーザーの走りをサポートする。

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