CUSTOM STYLE
MOONEYES×PARADA
働くクルマにも遊び心を!
アメリカンカスタムの老舗が提案する
“カッコいい商用車”の理想像とは?
2025.5.16
独自のアメリカンカルチャーを横浜・本牧から発信しているカスタム&ドレスアップの老舗、MOONEYES/ムーンアイズ。日産キャラバンをベースに“カッコいい商用車”をテーマに掲げてムーンアイズがカスタムを施した“Coast Liner/コーストライナー”の足元にはYOKOHAMAのバン/小型トラック用のドレスアップタイヤ“PARADA PA03”が選ばれた。働くクルマをカッコよくしたい──ムーンアイズが提案する商用車カスタム&ドレスアップの理想像に触れる。
Words:髙田興平 / Ko-hey Takada
Photography:安井宏充 / Hiromitsu Yasui
Cooperation:MOONEYES mooneyes.co.jp/
働くクルマをカッコよくして
世の中をもっと明るくしたい。
「働くクルマ(=商用車)をカッコよくすることが、クルマのカスタムやドレスアップを通して世の中をより元気に明るくさせるための近道だと思っています。子供の頃にクルマに憧れを抱く入り口が日々の生活の中で目にするバンや小型トラックなどの商用車だった、という人って結構多いですよね。だからこそ、今の子供たちにも素直に憧れを抱いてもらえるようなカッコいい働くクルマ(※趣味の領域で使う道具としてのクルマも含む)をたくさん作って、この先の世の中をもっと明るくしたいんです」

幅広く奥の深いアメリカンカルチャーを横浜・本牧から世界に向けて日々発信している“MOONEYES/ムーンアイズ”。今回、日産自動車とのコラボレーション企画でムーンアイズが日産キャラバンをベースにカスタムを施した“Coast Liner/コーストライナー”が生まれた背景を、同社の名物広報マンにしてデザイナー&プランナーとしても活躍する“Pan-Sumi”こと角 正和さんが説明してくれた。
「国産バンのトヨタ・ハイエースや日産NV200にはこれまでムーンアイズ独自のカスタムを施し、今も社用車として日々の業務や全国のイベント行脚などでガンガン使い倒しています。今回の“コーストライナー”のプロジェクトは日産自動車さんから『キャラバンをもっともっと世間で注目させたい!』という直球ど真ん中のオファーを投げ込んでもらったので、ボクらとしても全力でその想いに応えさせてもらったというわけです」

目の前に佇む“コーストライナー”はともあれ、「これぞアメリカン!」なポップで華やかな装いで見る者の目を一瞬にして奪う。しかし、だからといってこれ見よがしに派手でバタ臭いというわけでもなく、商用バン特有のスクエアで無機質なファルムをよりスタイリッシュかつクールな出たちで彩ってしまうあたりに、ムーンアイズのカスタムに対するセンスの幅、さらにはその経験値と技(ワザ)の奥行きが窺い知れる。
「敢えて大袈裟なことはしていません。大仕事と言えばボディの全塗装くらい。あとは程よくロワードしてホイールを換えてタイヤを合わせました。タイヤは横浜ゴムさんの協力を得てPARADA PA03(装着サイズ:215/60R17C 109/107S)を履かせています。バンや小型トラック用のホワイトレタータイヤは海外ブランドも含めていくつかありますしウチでもこれまでにアレコレと試してもきましたけれど、PARADA PA03はサイドウォールの4箇所にバランスよくホワイトレターが配されているのがカッコいいですよね。もちろんウチの新製品となるキャラバン専用サイズ(17×7J/INSET48)の“Baby MOON”ホイールとのマッチングも程よいレーシーさとレトロさを醸し出していて文句なし。あと、日産自動車もムーンアイズも横浜が地元の会社(企業)ですから、“YOKOHAMA”というブランドネームとの相性がバツグンな点も見逃せません。 そうした何かしら意味のある遊び心が備わるだけでも、カスタムやドレスアップの深度がグッと増していくから面白いんです」

日産キャラバンをベースにMOONEYES/ムーンアイズがカスタムを施した“Coast Liner/コーストライナー”の足元にはYOKOHAMAのPARADA PA03(装着サイズ:215/60R17C 109/107S)が装着されている。ムーンアイズがキャラバン用に新たにサイズ設定をした“Baby MOON”ホイール(装着サイズ:17×7J/INSET48/発売時期や詳細はムーンアイズまで問い合わせを)との相性もバツグン。PARADA PA03はスピード感のあるグラデーションデザインを含めた“フォーポイントホワイトレター”が特徴で、レトロかつレーシーなイメージをバランスよく感じさせるバンや小型トラックに向けたドレスアップタイヤだ。
本場のホットロッド文化から
ヒントを得て仕上げたカタチとは?
“コーストライナー”をカタチにする上で日産自動車から求められた「キャラバンらしさ」をカスタムとして体現するべく、角さんは吊るしの状態のキャラバンの形状を隈なく観察し、今回のカスタムプロジェクトの肝と定めたボディペイントの塗り分けポイントの最適解を探ろうとイメージを膨らませていったのだという。
「答えはボディサイドのプレスラインにありました。互いにクロスするかのように見えるフロントとリヤのキャラバン特有のプレスラインには個人的に以前から目を付けていて、改めてカスタムの方向性を考えながら『やはりコレしかないな』と、そのラインを生かしたペイントの塗り分けを頭に思い描きました」
ムーンアイズはポップなアメリカンカルチャーの世界観をオリジナルのカスタムパーツやグッズ、アパレル、さらにはイベント(カーショー)などに落とし込み提供してくれる存在(本牧にあるMOONEYES Area-1では色とりどりの商品が販売されている)として広く知られているが、実はその中身にはよりハードコアなアメリカのレーシングカルチャーの色濃い歴史と本気の哲学が存分に詰まってもいる。そう、ムーンアイズの真髄は南カリフォルニアを起点に古くから発展を遂げ今も絶大な人気を誇るドラッグレースやスピードトライアル(ボンネビル・ソルトフラッツに代表される最高速度計測競技)を戦うマシン(アメリカを象徴するカーカルチャーであるホットロッド)に向けた、“ムーンエクイップメント”の製造・販売事業、および自身が今も絶え間なく挑戦し続けるレース活動にこそあるのだ。


ムーンアイズの名物広報マンであり、デザイナー&プランナーとしても活躍する“Pan-Sumi”こと角 正和さん。“コーストライナー”のカスタムプランは角さんがデザインからすべてを手がけている。カラースキームのモチーフとしたのは1970年代のNHRA(世界最高峰のプロドラッグレース)で活躍した“マングース・コルベット”だという。このマニアックかつ適切な選択眼もアメリカのレース&カスタムカルチャーに精通するムーンアイズの“抽斗(ひきだし)”の多さがあってこそ成せるワザである。
「ボクは主にムーンアイズのソフト面の担当です。そして社長の菅沼(伝説のホットロッドビルダーである故ディーン・ムーン氏から1990年代に北米での事業を受け継ぎ、日本の横浜を拠点に独自のカルチャーとして日米双方のムーンアイズの事業を継続/発展させてきたシゲ菅沼氏)がムーンアイズのハードコアかつ伝統的な側面を今もしっかり守り抜いています。今回もその道の生き字引のようなウチの社長から資料を山のように借りて日夜必死に読み漁り、1970年代のNHRA(北米のドラッグレース統括団体)のレースで活躍したドラッグレーサー、“マングース・コルベット”のペイントスキームを塗り分けラインのモチーフとすることに決めました。この時代のコルベットは“コークボトル”と呼ばれるグラマラスなボディラインが特徴で、“マングース”にはこのラインを生かして異なる色味を組み合わせたラインが描かれていました。コレをキャラバンのプレスラインに合わせてみたら面白いなと思って、ホットロッドの世界に精通するウチの社長にも『その選択で間違っていないよ』とのお墨付きをもらったので、そこからマスキングテープ片手に実車のキャラバンにイメージしたラインを落とし込んでいく作業をはじめたのです」


ムーンアイズはこれまでにもバンや小型トラックをベースとしたさまざまなカスタムスタイルを世に示してきた歴史がある。アメリカ車のバンやクラシカルなVWタイプⅡなどムーンアイズの生まれ故郷であるカリフォルニアを起点とするスタイルは当然ながらお手のもので、ハイラックスなどアメリカでも人気のある日本製の小型トラックへのカスタムでも多くの名作を残している。またムーンアイズは現在も本格的なレース活動を国内外で精力的に行なっていて、ドラッグレーサーやホットロッドなどハードコアなマシンの製作、競技用パーツも含めたムーンエクイップメントの製造・販売を手掛けることでも知られる。
しかし、実際の作業は思った以上に困難だったという。
「やればやるほどバタ臭くなっていくんですよ。要はどうにも古臭いというか野暮ったいというか……異なる色味の配色やラインの強弱みたいな部分のバランスを取るのが本当に難しくって、そのうちに方向性が脱線してドアノブの位置を10センチ上げたいなとか、テールライトの位置を変えてラインの上辺をヘッドライトと合わせたいなとか、ボディにまで手を加えるようなより本格的なカスタムの発想にまで加速していったんですけれど、さすがにそれだとコストが合わないですし、何より誰もが楽しめるカスタムとしての提案でもなくなってしまうので断念しました(笑)」

構想過程のデザインプラン(白い車両)を見るとラインの幅の取り方や描く位置などに試行錯誤の跡が見て取れる。確かにカスタムとしての理想を突き詰めて行けばドアノブやテールライトの位置を変えたくなったという想いにも頷けるところはある。「カスタムの醍醐味って結局のところは試行錯誤に明け暮れることなんです。迷って悩んで試して捨ててはまた試す。どんなカスタムでもその過程を必死に楽しんでこそ価値が生まれる」と角さん。なんとも含蓄のある言葉である。
真夏の炎天下の駐車場で汗だくになってマスキングテープを片手に試行錯誤を繰り返し、夜は色鉛筆を片手にイメージスケッチを幾重にも塗り重ねた角さんの目に救いの神として映ったのは、自身が以前からフォローするSNSにアップされていた1台のBMWのカスタムカーの姿だった。
「ドイツの人が製作した“White Sugar/ホワイトシュガー”というE30型3シリーズのショーカーで、異なる色味同士が重なり合うラインの区切りに白い縁取りを入れるという発想が今っぽくて突き刺さりました。ラインがより立体的に映える効果もあるし、どうしても互いに喧嘩をし合ってしまう色味同士のキャラクター(重なり)がこの方法なら鮮やかに浮き立つところに、何よりの救いを感じましたね」


“コーストライナー”のカスタムの肝となるラインの塗り分けに頭を悩ませた際の救いの神となったというBMWのE30型3シリーズのショーカー。SNSを通した世界との繋がりがこうした大きなヒントをもたらすところに、現代のカスタムカルチャーの面白さがあると角さんは言う。実際、完成したラインは立体的な表情で描かれていてとてもスタイリッシュに映る。
そこからさらに細やかな調整を加えながら“コーストライナー”のカラースキームは仕上がった。ムーンアイズのコーポレートカラーでもあるイエローとシックなダークグレーの2トーンをベースに、オレンジ/レッド/ブラックの3色を重ねて互いを白く縁取りした立体的なラインを軸として区切り、そのラインがキャラバン特有の弧を繋ぐようなプレスラインを生かして伸びやかに描かれていく。実際にその仕上がった姿を目にすると誰もが素直に「カッコいい!」という言葉を発するような、それは従来のスクエアな働くクルマ(=商用車)のイメージを何倍にも光輝かせるスタイリッシュさを身に纏っていたのだった。

日常域で楽しめるカスタムにこそ
クルマ文化を底上げする答えがある。
「本牧にあるムーンアイズの“Area-1”には、バンや小型トラックに乗ったお客さんがたくさん訪れてくれます。各種の建築・工事関係などいわゆる“職人”と呼ばれるようなプロフェッショナルな方々が、仕事終わりに“Area-1”に立ち寄り自身の乗る働くクルマのためのカスタムやドレスアップ用のパーツやグッズを買い求めて行ってくれるのです。それはハンドルカバーだったりアンテナボールだったりエアフレッシュナーやステッカーだったりと、手頃に買い求めやすいアイテムがほとんどですが、そうした小さな遊び心みたいなものをどこか無機質なイメージの働くクルマに付加して日常を少しでも楽しげに彩ろうとする姿を間近で見ていると、こちらが色々と気付かされることも多いですね」
カスタムやドレスアップの世界は上を見はじめたらキリがない。時間やコストも上を目指した分に比例して掛かるというのもまた事実だろう。もちろん、そうしたトコトンまで突き詰めた世界もクルマ遊びの文化の質を高めるものだが、それでもよりささやかで日常的な楽しみ方にこそ、真にクルマ文化の価値を底上げする答えがあるように思う。



ムーンアイズのアメリカンカルチャー発信基地たる“Area-1”では誰もが気軽に手に取れるアイテムが豊富に揃えられている。ハンドルカバーやフロアマット、ライセンスプレートカバー(車検対応)などは日常的に商用車に乗る層にも人気が高いという。そのほかにもステッカーやペーパー式のエアフレッシュナー(日本にはじめて紹介したのはムーンアイズ!)など、まさに“ちょっとした遊び心”で愛車を彩れるアイテムが店内には所狭しに並べられている。
「働くクルマに代表されるような、誰もが日常的に街中で目にすることができて、値段も買い求めやすいクルマをカッコよくする──クルマの楽しみ方の裾野をこの先にもさらに広げて行くには、それも大切な取り組みのひとつだと改めて思います。大袈裟でなくっていいんです。それこそタイヤを換えてあげるだけでもクルマの雰囲気は良くなります。横浜ゴムさんのPARADA PA03はフォーポイントホワイトレターの雰囲気が本当に良いし、YOKOHAMAは実際にモータースポーツのフィールドでGTマシンやドリフトマシンにホワイトレターを施してもいるから、そのイメージを日常の領域でも楽しむことができる。レーシーだし、どこか懐かしくレトロな雰囲気までを愛車に醸し出せる。そういうさり気ない遊び心を働くクルマにまで落とし込めるというところに、ボクはPARADA PA03の真の価値があると思っています」

見る人たちの目を楽しませ、日常に広がる光景をパッと明るくしてくれる働くクルマ。YOKOHAMA PARADA PA03が足元を彩る“コーストライナー”は、今日もたくさんの遊び心を荷室に載せて港町・横浜を颯爽と駆け抜けて行くのである。
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