NEOVA AD09
ADVAN NEOVA AD09で
真夏の12時間耐久レースに参戦!
そこで見えたケイマンとの確かな相性。
2024.9.4
正に酷暑と呼ぶべき真夏の盛りに開催された「Starfield idlers Games 夏の12時間耐久レース」に、「Team Caymania with ADVAN NEOVA」(ポルシェ 987.2 ケイマン)がYOKOHAMA/ADVANのストリートスポーツラジアルタイヤ「NEOVA AD09」を履いて参戦した。そこで見えたポルシェのピュアスポーツカー「ケイマン」と「NEOVA AD09」との相性のよさをレポートする。
Words:髙田興平 / Kohey Takada(Takapro Inc.)
Photography:望月勇輝 / Yuki Mochizuki(Weekend.)
12時間走っても楽しさが続く。
それがNEOVA AD09の素晴らしさ。
去る7月21日にモビリティリゾートもてぎにて開催された「Starfield idlers Games 夏の12時間耐久レース」に、「Team Caymania with ADVAN NEOVA」(ポルシェ 987.2 ケイマン)がYOKOHAMA/ADVANのストリートスポーツラジアルタイヤ「NEOVA AD09」を履いて参戦した。
「一発での速さが求められるタイムアタック競技では、当然ながらとにかくハイグリップなレーシング直系のタイヤを履くことがほとんどでした。YOKOHAMA/ADVANの銘柄ではA050のGSコンパウンドやA052、あとはスリックタイヤでもアタックしてきた経験がありますが、走るステージが耐久レースとなると、以前からストリートスポーツラジアルのNEOVA AD09が気になっていました。何よりスポーツタイヤとしての全体的なバランスの良さをNEOVAという製品には先代のAD08やAD08Rの頃から感じていたので、その進化版であるAD09にも自然と興味が湧いたわけです。総合力が求められる長丁場のレースにおいては、これはきっと、ケイマンというスポーツカーのバランスの良さに合うのでは? と」
そう語るのは「Team Caymania」を牽引する小林 翔 選手。彼は純レーシングカーたる718ケイマンGT4RS/Clubsport (Checkshop Caymania Racing)を駆って「2023 FANATEC GT World Challenge Asia」のGT4 AMクラスで堂々チャンピオンを獲得。もてぎ戦ではGT4 PROクラスを走る格上のベテラン選手を相手にポールポジションを獲得したほどの速さと腕前の持ち主である。さらにはこれまでチューニングカーのタイムアタック最高峰とされる「Attack筑波」にも積極的に参戦し、ポルシェ・ケイマンにおける最速タイムを次々と更新してきたことでも知られる、まさに生粋の“ケイマン使い”だ。
「Team Caymania」を率いる小林 翔 選手は718ケイマンGT4RS/Clubsportで「2023 FANATEC GT World Challenge Asia」のGT4 AMクラスでチャンピオンを獲得した他、「Attack筑波」にもケイマンで積極的に参戦し、これまで記録更新を重ねてきたケイマン使い。今回はケイマンならではのバランス性能とのマッチングを期待してADVAN NEOVA AD09(Front : 245/40R18 97W/Rear : 295/35R18 103W)を装着して真夏の12時間耐久レースに挑んだ。
今回、真夏の12時間耐久レースに供された「Team Caymania」の987.2型ケイマンは2.9ℓの排気量を持つフラット6エンジンをミドマウントし、そのスペックは255ps/7,200rpm、290Nm/4,000 - 6,000rpmとまさに“良い塩梅”を示す、いわゆる“素”のモデルである。トランスミッションはマニュアルシフトだが社外ステアリングのパドルシフターが取り付けられている。加えてダンパーや冷却系、各部の軽量化などサーキット走行に適したモディファイは施されているが基本はノーマルからの大きな変更もない。idlers(アイドラーズ)のレースには911のGT3系やフルチューンドの空冷ターボなど猛者が揃うことで知られるが、最近はより“身近”で“ファン”な存在であるピュアスポーツモデルのケイマン(そしてオープンモデルのボクスター)の需要も高まっているという。そうした意味でも、何かに突出することなく全体的なバランスに優れたキャラクターを持つNEOVA AD09との耐久レースでの相性は、確かに気になるところだ。
「耐久レースでは燃費とタイムとの関係性が勝負の鍵になります。ウチのチームはエンジン回転数を4,500rpmを上限として縛る徹底した燃費走行作戦を立てて臨みました。それでも、ケイマンは4.8kmと距離も起伏もあるもてぎのレーシングコースで2分27秒の平均タイムでの走行を可能とし、一度の給油作業で許される僅か20ℓの燃料で50~55分の走行を実現してくれるのです。スプリントレースやタイムアタックのように極限を攻めることもなく、あくまで淡々と丁寧に走ることに変わりはありませんが、そうした走り方であっても総合優勝争い、少なくともクラストップを狙えるパフォーマンスを誇るところが、ケイマンというスポーツカーの凄さであり魅力でもあるのです」
今回の12時間耐久には車両オーナーの横山翔太選手、アイドラーズのスプリント戦にもケイマンで参戦しているベテランの西 翼 選手、鈴木博司選手、伊藤憲男選手、そして小林選手というまさに”ケイマンマニア”な5人が結成したチームでの参戦となっている。それぞれがケイマンというスポーツカーの“旨み”を知り尽くしているからこそ、その美味しい部分を巧みに引き出しての“突き詰めた燃費走行”が実現できるのだろう。
しかしながらレース、特にそれが長丁場での戦いとなる耐久レースともなれば、そこにトラブルは付きものでもある。実際、「Team Caymania」の987.2型ケイマンもレース序盤でトラブルに見舞われてしまった。
「足回りのトラブルです。2024年のidlers耐久シリーズの初戦となった春の6時間耐久レースでもNEOVA AD09を履いて参戦してクラス優勝を果たしましたが、惜しくも総合では2位だったことで、チームとしてさらに上を目指してアライメントをはじめとした足回りの仕様を一から見直したのです。しかし、その一段攻めた仕様が仇となりフェンダーとタイヤの干渉を引き起こしてしまった。最初は騙し騙しで走らせていたものの、それではクルマ本来のパフォーマンスが発揮できないどころか、結果としてもてぎのコースでは最も荷重のかかる左リヤタイヤのサイドウォールにダメージを負い、タイヤを交換するために、優勝を争う身としては絶対に避けたい緊急ピットインを余儀なくされてしまったのです」
ライバルとなる他のポルシェ勢をはじめ、強豪揃いの参戦クラス(E3)においてタイヤ交換のタイムロスは大きく、痛恨のポジションダウンに見舞われたのである。さらに、社外ステアリングに付くパドルシフトまでが故障するというトラブルも重なり、ドライバーが不慣れなシフトワークに気を取られてタイムロスをするという悪循環にも陥った。
結果として、「Team Caymania」の987.2型ケイマンは総合優勝を遂げたロータス・エクシージ、2位と3位に入ったGRヤリス勢に次ぐ、クラス4位でチェッカーフラッグを受けている。同クラスを走ったポルシェ勢の中では最上位ではあるものの、GRヤリスの2台はほぼ射程圏内だっただけに悔しさの残るリザルトとなった。
「悔しさはありますがそれもレースです。むしろ今回はそれ以上の大きな収穫があったことを喜ぶべきだと思っています。それこそがADVAN NEOVA AD09 の存在です。気温が35℃に迫る灼熱のサーキットにおける真夏の12時間耐久レースという戦いを、終始安定したパフォーマンスで支えてくれたのがNEOVA AD09でした。YOKOHAMAさんが『ストリート最強※』と謳うスポーツタイヤですが、耐久レースの舞台ではサーキットにおいても理想的かつ安定した性能バランスを示してくれたとチームの全員で感じています。耐久性・安定性・信頼性という、クルマのタイヤに求められるすべての要素をバランス良く備えたハイスペックタイヤとして、称賛すべき存在であることが改めて理解できました。路温もかなり高い12時間の長丁場を走り切っても最後までグリップ性能がタレることがなかったですし、序盤で交換した左リヤは春の6時間耐久レースで使った中古でしたけれどそれでも同様に最後までタイヤからのインフォメーションが優れていたことには驚かされました。
そして何より、走っていて常に『楽しい』とドライバーに思わせてくれるフィーリングには、『さすがはNEOVA!』と唸らされたものです。パドックでは他のエントラントたちからも『NEOVAいいの?』と興味の目が多々向けられていたので、ここからさらにユーザーが拡大すると思いますよ。ボク個人としては、ライバル勢にNEOVAの旨みを知られてしまったことは嬉しい誤算でもありましたけれど(笑)」
「Team Caymania」の987.2型ケイマンは、シリーズ最終戦となる「冬の3時間セミ耐久レース」にも参戦予定で、そこでは今回の4500rpm縛りからエンジン回転数を少しだけ引き上げ、今度こそ表彰台の真ん中を狙うつもりだという。2024年のidlers耐久シリーズ、そのチャンピオンの座をほぼ手中に収めている「Team Caymania」。次戦最終戦においてADVAN NEOVA AD09と共に頂点に立ち、さらには2025年の真夏の12時間耐久レースでもリベンジを果たしてくれることだろう。そのときを期待したい。
※横浜ゴムのタイヤ商品内における位置付け
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