Custom style

MAX☆ORIDO LAND CRUISER
織戸 学が創造する
“オトナのSUV”の理想形。

2023.1.10

世界的人気を誇るトヨタ・ランドクルーザー300をMAX☆ORIDOこと織戸 学がトータルコーディネート。独自に描いたエレガントなボディキット、効果的にブラックアウトされたピラーフィニッシュ、専用デザインの22インチ鍛造ホイールなど、MAX☆ORIDOならではの「分かるオトナのライフスタイル」を演出する1台、その魅力に迫る。

Words:髙田興平 / Ko-hey Takada(Takapro Inc.)
Photography:安井宏充 / Yasui Hiromitsu

分かる人には分かる――
そういう世界観で構築されている。

MAX☆ORIDOがトータルコーディネートを手がけたランドクルーザー300。実車と対面してまず驚かされるのはその見た目のコンパクトさである。

「コンパクトと言うと少し誤解を生むかもしれないけれど、より分かりやすく言えば“引き締まった”印象はうまく表現できたと思う。ポイントはAピラー、サイドステップの内側、あとはリヤウインドウの両サイド、さらにはリヤスポイラー裏などをブラックアウトしたこと。本当に細かなところではあるけれど視覚的にクルマ全体を引き締めることができる。特に白いボディだとその効果は大きいと思います」

織戸 学といえばスポーツカー。誰もがそのイメージを強く持つはずだ。実際、“ミスタースープラ”の異名を取るほどスープラを愛し(JGTC、そしてSUPER GTにおける80スープラで築き上げた伝説は有名だ)、自身のブランドであるRIDOXの真紅の80スープラは織戸の代名詞になっている。さらにはMAX☆ORIDO×AKEa GR SUPRAやGR86 &トヨタ86といったエアロスタイルのプロデュースも長年、積極的に仕掛けてきた。

「年齢を重ねるごとに旧車に対する想いも強まっていて、ナローのポルシェ911やS30のフェアレディZも自分のスタイルに仕立てることを楽しんでいる。Zはオートサロンに出展するためにまさに仕上げの真最中(2022年12月末の取材時)ですよ。若い頃から走ることを純粋に愛してきたからスポーツカーは自分にとっては何より特別な存在。でも、だからといってそれだけではない。これまでハマーH2やタンドラといった4駆も楽しんできました。遊び、すなわちライフスタイルにおいてはしっかり幅を持って楽しみたい。バイクも含めて、僕は乗り物全体が好きなんだと思う」

織戸が手がける“スタイル”はそのどれもがやりすぎ感のない、絶妙なバランス感覚が光る。それはこれ見よがしな派手さよりも“分かる人には分かる”という、そういうどこか上質でオトナな世界観で構築されているように感じる。

「ノーマルのラインを崩して違和感を与えるカスタムは僕の好みではない。あくまでオリジナルのラインを生かしてよりスポーティかつエレガントな表情を描き出すことを意識しています」

MAX☆ORIDOの描き出す世界観はスポーツカーであってもSUVであっても変わらない。そこにはやりすぎ感のない絶妙なバランス感覚が見て取れる。写真右はMAX☆ORIDO×AKEa GR SUPRA。ARDEデザインによるAピラーやルーフ、リヤクオーター、リヤフードなどのブラックアウトがGRスープラをより伸びやかでエレガントな印象に仕立てる。

自身初の試みとなるSUV用エアロデザインの素材としたのはランドクルーザー300のトップグレードたるZX。世界のハイエンドSUVと並べても一切見劣りしないラグジュアリー感のある重厚なフォルムを湛えたモデルである。エアロキットはフロントのリップスポイラー、オーバーフェンダー、リヤのアンダースポイラーという構成。フロントはリップに合わせてライセンスホルダーの位置を5㎝ほど上げてノーマルではどこかツルんとした印象の顎下のボリューム感を効果的に増させ、オーバーフェンダーのアーチも4㎝ほど下げてタイヤとのクリアランスを狭めるなど実に細やかな“調整”が加えられている。リヤのアンダースポイラーはノーマルの水平基調のフィニッシュを僅かにカチ上げディフューザー風とすることでスポーティさを演出。それらに先に紹介した“ブラックアウト”のアクセントを配すことで下半身に力強いボリューム感を与えながらもクルマ全体としてはギュッと引き締まった印象とすることに成功している。

フロントはリップに合わせてライセンスホルダーの位置を5㎝ほど上げて顎下のボリューム感を増させ、オーバーフェンダーのアーチも4㎝ほど下げてタイヤとのクリアランスを狭めるなど細やかな“調整”が加えられている。リヤのアンダースポイラーはノーマルの水平基調のフィニッシュを僅かにカチ上げディフューザー風とすることでスポーティさを演出。Aピラーやサイドステップ内側、ホイールアーチなどの“ブラックアウト”のアクセントがボディシェイプをグッと引き締めている。マフラーエンドはFUJITSUBO製。撮影時はカーボン製カバーが未装着の状態となる。

「ホイールのデザインもオリジナルです。ホイールのデザインはスポーツカー用のモノをプロデュースした経験はあるけれど、自分でイチからデザインしたのはこれが初めて。大径を履くSUV用のホイールだと直線基調の面構えが主流だけれど、僕はなるべくコンケーブを意識した丸みのあるデザインを描きました。きちんとJWS規格の認証も得ていて信頼度も高い。鍛造ですから何より軽さが魅力。純正の鋳造ホイールだと重くてどうしても足回りのバタつき感はあるけれど、それが解消できるのは大きなポイントですね。少しグリーンパールの入ったブロンズのカラーも大人っぽいでしょう?」

そう言って微笑む織戸の表情はまるでクルマ好き少年のように純粋に輝いて見えた。自分が理想とするスタイルを描き出せる喜びが、そこには見て取れた気がする。

ホイールはMAX☆ORIDOオリジナルデザインの鍛造22インチ(Front &Rear:22×10.0J 6H/139.7 inset46)を履く。カラーはブロンズ。組み合わすタイヤはADVAN Sport V107(Front &Rear:295/35ZR22 108Y)。欧州のハイパフォーマンスSUVが支持する銘柄だけにマイルドながら芯はしっかりとした上質な乗り味を提供する。

「タイヤはADVAN Sport V107を履かせています。名前にあるスポーツという印象よりむしろコンフォートな印象が強いですね。これは良い意味での印象で、こういうハイエンドなSUVには尖ったシャープさよりも、丸みのある、マイルドだけれどそれでも芯はしっかりとしたフィーリングが合う。欧州メーカーのハイパフォーマンスなSUVが承認タイヤとして採用する理由もこのフィーリングに触れたら素直に頷ける。ADVANブランドの懐の深さがよく現れたタイヤですよ」

高速道路を並走してMAX☆ORIDOランドクルーザーの姿を眺めながら思った。それはハイエンドSUVらしくエレガントながらも芯にはスポーティさを秘めていて、何より走っている姿が似合うな、と。

都会でのステイタスとしても、休日の上質なクルーザーとしても、まさに幅のある世界観で“違いの分かるオトナ”のライフスタイルに寄り添ってくれる。永遠のスポーツカー少年が描き出したそのスタイルはランドクルーザーという日本最高峰のSUVに、そうしたより豊かな一面をさりげなく付け加えているように感じた。

(了)

(問い合わせ)
車両協力 / MAX☆ORIDO Racing
https://maxorido.com

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