2018 MACAU GRANDPRIX =Friday Report=

2018 MACAU GRANDPRIX Friday Report

マカオ市街地に作られた全長6,120mのギア・サーキットを舞台に、今年で65回目という節目を迎えた伝統のイベント「マカオ・グランプリ」。

走行2日目となる11月16日(金)は、ヨコハマタイヤがワンメイクタイヤを供給する「FIA F3ワールドカップ」のフリー走行2回目と予選2回目が、「FIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)」の予選1回目とノックダウン予選が行われた。また、「マカオ・ツーリングカーカップ」も予選が行われている。


FIA Formula 3 World Cup

FIA F3ワールドカップの走行2日目は、11時30分からフリー走行2回目が、15時10分から予選2回目が行われる。フリー走行2回目は序盤、ジョエル・エリクソン選手、カラム・アイロット選手らがタイムを上げていく展開となった。

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セッション中盤以降、路面コンディションの向上とともにタイムも上がりはじめ、クリアラップをとれたマシンたちが続々と順位を上げていく。そんななか、チェッカー間際にヨーロッパ勢を追走していた大湯都史樹選手がマタニティ・ベンドでクラッシュし、この処理のため赤旗となりそのまま走行は終了となった。

最終的に、2分10秒674をマークしたミック・シューマッハ選手がこのセッションのベストタイムを記録。アイロット選手が2番手、ユーリ・ヴィップス選手が3番手につけた。

15時10分からの予選2回目は雨の心配もあったものの、曇天のままドライコンディションでスタートしていった。開始11分には片山義章選手を抜きにいったキーファン・スーリ・アンドレス選手と片山選手がリスボア・ベンドでクラッシュ。さらにその直後、坪井翔選手がパイオールに向かう付近でクラッシュ。赤旗中断となった。

再開後も、アタックを展開するマシンが各所でクラッシュを喫し、イエローフラッグが相次ぐことに。さらに残り10分を切ってから、エナーム・アーメド選手がRベンドの立ち上がりでクラッシュ。コース全域でスロー走行となるフルコースイエロー(FCY)が導入された。

残り6分でFCYは解除されるが、ここで2分10秒594にタイムを上げたのはアイロット選手。しかしその直後、予選1回目でもトップタイムを記録したダニエル・ティクトゥム選手が2分10秒198、さらに翌周には2分09秒910を記録し、一気にトップへと浮上した。

チェッカーフラッグが振られるなか、各車が懸命に最後のアタックを展開するも、7番手にポジションを上げていた佐藤万璃音選手がクラッシュ。さらに、最終のRベンドでは、アウト側に笹原右京選手がクラッシュ。コース中央にマシンがストップしたところへ、エリクソン選手がヒットしてしまい、これで赤旗が出され予選2回目は終了となった。

最終的に、2日間に渡って行われた予選の結果17日(土)に行われる予選レースのポールポジションを獲得したのはティクトゥム選手。2番手にはアイロット選手がつけ、サッシャ・フェネストラズ選手が3番手につけた。

なお、ティクトム選手がQ2でマークしたタイムは2分09秒910。これまでのマカオにおけるF3のコースレコードは2016年に記録された2分10秒100で、この年は他社製タイヤのワンメイクだった。それを今回、10秒の壁を破ってレコードを塗り替える速さを見せるとともに、2番手から4番手までが10秒台に叩き込む結果を残した。


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FIA WTCR (ワールド・ツーリングカー・カップ)

15日(木)に行われた2回のフリー走行に続き、16日(金)は現地時間8時50分から予選が行われた。この予選では、17日(土)に行われるレース1のグリッドが争われる。

各チームともスピードが伸びるセクター1のタイムアップを狙う展開となり、チームメイト同士でスリップストリームを活用するシーンが見られた。序盤は順調に進んでいた予選ながら、開始から16分というところで、テッド・ビョーク選手がフィッシャーマン・ベンドでバリアにヒットしたことから赤旗中断に。また、さらに終了まで7分というところでは、オーレリアン・パニス選手がポリス・ベンドでバリアにクラッシュ。ただ、こちらは自走で戻ったため、赤旗中断とはならなかった。

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クラッシュも多発した一方でセッション終盤に向けアタックは激しさを増していき、決勝さながらのポジション争いが展開される場面も。終盤、エスティバン・グエリエリ選手が2分29秒519にタイムアップしてトップに浮上。しかし、チェッカーまで残りわずかというところで、ギリギリのタイムアタックを展開したロブ・ハフ選手が2分29秒040を刻み、レース1のポールポジションを獲得。グエリエリ選手が2番手、チャンピオンを争うイヴァン・ミューラー選手が3番手につけた。

13時35分にスタートしたノックアウト形式の予選は、トップ10がリバースグリッドとなるレース2、そしてレース3では予選順位どおりに各レースのスターティンググリッドが配され、さらに予選上位5台にポイントが与えられる。天候は引き続き曇天のなかで行われた。

Q1で序盤から好タイムをマークしていったのは、やはりハフ選手。次いでグエリエリ選手、ヤン・エアラッシ選手らが2分30秒台をマーク。残り10分を切ると、多くのマシンが30秒台へと突入していく。

いち早く、2分29秒台にタイムアップしたのはハフ選手。さらにグエリエリ選手も29秒台をマークするが、最終的にハフ選手がQ1をトップで通過した。次いでグエリエリ選手、メルディ・ベナニ選手となった。一方、ランキング首位のガブリエレ・タルクィーニ選手はクラッシュを喫し、Q1脱落となってしまった。

続くQ2では、ハフ選手、エアラッシ選手、そしてジャン・カール・ベルネ選手が2分29秒台へ。終盤に向けてタイムが上がっていくなか、ベナニ選手がポリス・ベンドでクラッシュし、そのまま赤旗終了。ハフ選手がふたたびトップ、ベルネ選手、エアラッシ選手、ノルベルト・ミケリス選手、グエリエリ選手がQ3に進出。一方リバースグリッドのポールポジションは、10番手につけたティモ・シャイダー選手となった。

勝ち残った5台が、1台ずつワンアタックを競い合うQ3では、最初にアタックを行ったグエリエリ選手が2分30秒034をマークしポジションアップを果たす。しかし、最後にアタックしたハフ選手が、サイドミラーをバリアに当てるほどの激しいアタックを展開し、2分29秒660というタイムを記録し、レース1に続きレース3でもポールポジションを獲得。グエリエリ選手が2番手、ミケリス選手が3番手につけた。

FIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)は、17日(土)の13時25分からレース1が、18日(日)の午前8時20分からレース2、午前11時からレース3が行われる。


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Macau Touring Car Cup

10時40分にスタートしたマカオ・ツーリングカーカップの予選では、開始から5分というところで、フィッシャーマン・ベンド立ち上がりで横転してしまうマシンがあり、すぐに赤旗中断となってしまった。

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その後もバリアへのヒット、スローダウン等がコース各所で起きるものの、赤旗中断なく11時20分にセッションは終了。ヨコハマタイヤを装着するサニー・ウォン・ヤット・シン選手が駆るスバル・インプレッサWRXがオーバー1950ccクラス、そして総合のトップタイムとなる2分31秒910をマークした。

総合4番手につけたのは、ヨコハマタイヤ装着のポール・プン・タク・チュン選手のプジョーRCZ。1600ccターボクラスのトップとなり、ヨコハマタイヤ装着車は両クラスのトップに。同じくヨコハマを履くアレクサンダー・カー・チュウ・ファン選手のプジョーが1600ccターボクラスの2番手につけた。

FOOD4Uマカオ・ツーリングカーカップは、17日(土)の10時25分から決勝レースがスタートする。


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