2018 FIA WTCR Germany Report

【FIA WTCR ドイツ/ニュルブルクリンク】

ニュブルクリンクを舞台に開催されたドイツラウンド、
Mracing-YMRのミューラー選手とビョーク選手が強さを見せた!!

FIA WTCR Germany

開催日 2018年5月10日-12日
開催場所 ニュルブルクリンク
(ドイツ)
天候 曇り
路面 ドライ
決勝周回数 Race 1 : 3周
Race 2 : 3周
Race 3 : 3周
(1周=25,378m)
参加台数 27台
2018 FIA WTCR Germany

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全10大会のカレンダーで競われる2018年のFIA WTCR(ワールド・ツーリングカー・カップ)、第3会はドイツの名門コース・ニュルブルクリンクが舞台となる。2015年に前身のWTCCでカレンダーに加えられたドイツ戦は24時間レースと併催され、全長25kmを超えるロングコースで競われることが大きな特徴だ。

このコースをレース1~3まで、それぞれ3周で競うドイツラウンド。全体の距離は他の大会よりやや長めになるが、周回数が少ないためにレースの組み立てはいつもと異なることが予想される。そして、このドイツラウンドにヨコハマタイヤは専用の“ニュルブルクリンク仕様”となるスペックを投入。耐久性をさらに向上させた仕様で、各選手の足元をしっかり支えて臨んだ。

WTCRでは各開催地域毎に“ワイルドカード”という枠を設定しており、レギュラー選手に加えてイベント毎のスポット参戦選手が登場する。今回のドイツではDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のチャンピオンであるレネ・ラスト選手がエントリー、アウディRS3 LMSのステアリングを握ることも話題を集めた。

ラスト選手は期待に応え、10日(木)のフリープラクティス1で9分29秒163のタイムをマークして堂々のリザルト最上位にその名を刻んだ。さらに続くフリープラクティス2でもトップタイムをマーク、DTMチャンピオンの貫祿を見せつける結果となった。

しかし、予選で速さを見せたのは昨年WTCC最後のチャンピオンに輝いたテッド・ビョーク選手(ヒュンダイ)。気温12℃とニュルブルクリンクらしい肌寒いコンディションの中、2回目のアタックで8分58秒700をマークしてトップに立った。これに続いたのはビョーク選手のチームメイトであり、WTCCを代表するトップドライバーとして4回のチャンピオンを獲得しているイヴァン・ミューラー選手。

ミューラー選手は当初2016年を最後に、現役引退を発表していた。2017年にはボルボ車で参戦するポールスター・レーシングのアドバイザーに就任、同年のWTCC最終戦では自らも参戦してビョーク選手のタイトル獲得に貢献している。しかし2018年、FIA WTCRに自らの名を冠するチームで参戦を決定、自身も監督を兼任した“プレイングマネージャー”として本格復帰を果たしている。

そんな二人がフロントローからスタートを迎えたレース1、長いフォーメーションの1周を経て各車がグリッドオン。先頭列に陣取った白いヒュンダイは、サイド・バイ・サイドで1~2コーナーを駆け抜ける。そして前に立ったのはミューラー選手、直後にビョーク選手、さらにロブ・ハフ選手(フォルクスワーゲン)、ノルベルト・ミケリス選手(ヒュンダイ)の4人がトップグループを形成する。

アイフェルの森を駆け抜ける4台は、時にツーワイドやスリーワイドの攻防を展開。しかしミューラー選手は最後までトップを譲ることなくチェッカーまでマシンを運び、WTCR初優勝を飾ることに成功した。

ドイツラウンドは24時間レース併催となるため、そのフォーマットは変則的なものが採用されている。そのため11日(金)は最後の予選となるQ2が行われ、12日(土)にレース2と3の決勝という流れになる。Q2の結果に対してトップ10をリバースグリッドで配してスタートするのがレース2、そしてQ2の結果通りにグリッドを配するのがレース3という方式だ。

レース2でポールポジションに陣取ったのは、ペペ・オリオラ選手(セアト)。注目のラスト選手はセカンドグリッド、3番手にエステバン・グエリエリ選手(ホンダ)、4番手はロブ・ハフ選手(フォルクスワーゲン)、ヒュンダイ勢の最上位は7番手のミューラー選手というオーダーでスタートを迎える。

オリオラ選手はスタートをしっかりと決めて1~2コーナーでトップをキープ。一方のラスト選手はスタートして間もなく、他者との接触によりダメージを受けてマシンをコースサイドに停めた。そしてオリオラ選手には、ラスト選手の戦線離脱で2番手に浮上したグエリエリ選手が襲いかかり、オリオラ選手をかわしてトップに立つ。オリオラ選手も挽回のチャンスを伺い追走したが、グエリエリ選手が付け入る隙を与えることなくウィニングチェッカー。ホンダ・シビックのシーズン2勝目をマークした。

レース3はレース1で準優勝したビョーク選手がポールポジション、2番手はフレデリック・バービッシュ選手(アウディ)、3番手はミケリス選手というオーダーのスターティンググリッド。スタートを落ち着いて決めたビョーク選手はトップで1~2コーナーを通過、バービッシュ選手がこれに続く。そして3番手にはミケリス選手をかわして4番手スタートのミューラー選手がポジションを上げてきた。

トップに立ったビョーク選手は、安定した走りで終始レースをリード。トップでフィニッシュ、待望のWTCR初優勝を飾った。そして終始ビョーク選手を追走したバービッシュ選手が0.793秒の僅差で2位フィニッシュ、3位にはミューラー選手が入ってレース1に続いてビョーク選手と表彰台で並ぶ結果となった。

DRIVER VOICE

テッド・ビョーク 選手 [Mracing – YMR]

【今回の成績 : Race1 2位、Race2 20位、Race3 優勝】
レース3は本当に素晴らしいものとなりました。私のマシンはレースラップにあわせてセッティングされていたので、まずはスタートでトップを守ることが必要でした。バービッシュ選手のアウディはストレートが速いので、私は全てのコーナーで限界まで攻めてマージンを守ることに集中しました。レース1ではミューラー選手が勝利をおさめ、レース3では私が勝てたことはチームのために大きな結果になったと思っています。