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セルフでタイヤ空気充填する時は10%高く入れた方が良いという話

この記事は下記の順番で話を進めて行くよ!


①毎年恒例の店長K家庭内出張サービスで兄家族のタイヤ交換しに行ったよという話

②いつもタイヤ交換後に、近所のスタンドに空気入れに行ってるのだけど、今回はエアータンク持ち込んだよという話

③残念ながら225/55R17サイズを4本充填するには、あとほんの僅か足りなかったよという話

④いつものスタンドで、いつもの半自動エアー充填機使って空気を入れたら、おかしな事が起きたという話

⑤つい先日の、当店での出来事を思い出したという話

⑥そのスタンドのエアー充填機は、店長Kのマイツール(当店で使ってるのと同じミシュラン製)と40kpaもズレてたことが分かったよという話

⑦⑤のお客様と同じスタンドで空気を入れてたという可能性は低いと思うので、この手の充填機は誤差が大きめな気がするよという話

⑧だけど、そもそもタダで空気充填させてもらっておいて文句は言っちゃだめだよという話。

⑨じゃぁ、僕らはどうすれば良いかといえば、ドア指定より1割高めにいれておけばいいよという話。

⑩エアー圧が低いのは危険だけど、高いのはよっぽど入れすぎない限り危険はないし、良いこともあるよという話。

⑪最後にカレーを食べたという話

■毎年恒例 家庭内出張サービス

ある日、家に帰ると冷凍庫がカレーで埋め尽くされていた。

どうやら、兄からの贈り物であったようで、つまりは

「タイヤ交換よろしく」

ということであった。

前払いであった。

 

僕の好きな冷凍系カレー。

数えたら、カレーは22食あった。

 

これは今週の休みに出張行くしか無かった。

■今回はエアータンクを持って行こう

いつもはジャッキとインパクトレンチとトルクレンチだけ持って行くのですが

今回はガレージで使ってるコンプレッサーの補助タンクも持っていく事にしました。

 

目的はもちろん、タイヤの空気充填なんですが、ボルトのエアーブローもしたかったので。

 

 

それで、兄の家に着いてから、兄に照明係をやらせながら黙々と作業をしていったのですが

 

最後の1本のエアー充填あと20kpaという所でエアー切れを起こしてしまいました(;´Д`)

 

手持ちのミシュランゲージで、220kpaにちょっと届かない程度くらいでした。

 

ちなみに、この車の後輪のドア指定は240Kpaとなっていました。

■結局南極、いつものスタンドへレッツゴー

毎回、家庭内出張サービスの度に、近所のセルフスタンドに空気補充をしに来ています。

 

そこで、毎年2回だけ使うこのエアー自動充填機の設定値を入力し、慣れた手つきでエアープラグをバルブに差し込みました。

すると、一度も空気充填がされること無く ピーー という音が鳴りました。

 

もう一度、やってもやはり空気が充填されません。

ちなみに、この時の自動充填機の設定値は260kpaに設定していました。 元より、高めにいれるつもりだったのです。

 

この時、僕はある記憶が瞬時に蘇りました。

それはほんの数日前の出来事です。

 

 

■セルフで空気充填したばかりというお客様の車のタイヤ空気圧が異常に低かった

それは先週の土曜日の出来事です。

 

あるお客様のスローパンク修理で車をお預かりしていたのですが

(予約満杯でリアルタイムのスローパンク修理は不可なため、車を1日お預かりしていました)

 

その車のタイヤは4本とも全部異常に低かったんです。

 

あまりにも低すぎて「これ、パンクじゃなくて、単純に空気補充してないだけじゃ・・・?」と思ったくらいで。

(経験則的に、4本中1本だけ低いのはパンク、4本全部低いのはエアーメンテナンス不足です)

実際にはご指定通りの左後輪がパンクしてて、そこだけ他より20kpaくらいは低かったんですが、他の3本も全部パンクしてんじゃないか? ってくらいに空気圧が低かったので、その事を指摘して説明をしていました。

 

後からお車を取りに来たお客様と話をしてみると、

お客様はパンクに気づいた時に、スタンドの自動充填機で4本とも指定空気圧に合わせたばかりだという事でした。

なので、おそらく何か設定を間違っていたか、もしくは充填機が盛大に狂ってるかのどちらかでは? という予想を立てていたんですが

個人的には前者だと思っていたんです。 それくらい「空気圧充填したばかり」とは思えないくらいの低い数字だったからです。

 

ですが、実はこれが後者だった可能性が今目の前の現実を見て急浮上したんです。

 

■そして僕は機械の設定値を300Kpaにした

260kpaにしていた設定値を300kpaまで上げて、再びエアチャックをバルブに突っ込むと

今度は耳慣れた充填音と共にエアー補充が始まりました。

そして再びピーーーという充填完了音がなり、

そこである種の確信を持って、僕はマイエアーゲージを

たった今「300kpaの空気が充填されたはずのタイヤ」のバルブに装着しました。

 

 

ほら、やっぱりね

 

プロ御用達のミシュランゲージの値は260kpaを指していました。

この自動エアー充填機は、入力した設定値より1割強も低くくなる誤差が出ていました。

(ちなみにこのミシュランゲージの誤差はだいたい±10kpa以内に収まりますので、それを鑑みても30~50kpaの範囲でずれてる事になります)

 

このあと、4本全て300Kpaで充填してから全てミシュランゲージで測ってみると、全て260kpaを指していました。再現性100%です。

 

■無料で空気入れさせてもらって文句はない

いったい、いつからズレていたのかは分かりませんが、

もし前述のお客様がいれたスタンドでも、このようなレベルの誤差が出ていたのだとすると

ドア指定空気圧通りに入れて、あれほど空気が少なかったのも頷けます。

 

この手の無料で使わせてもらえる空気圧充填機は、誤差が大きくでるのでしょうね。

 

では、我々ユーザーはどうすれば良いのでしょうか?

 

答えは簡単です。

指定空気圧より10~15%くらい高く入れればいいのです。

 

元より無料で空気充填させてもらっておいて、スタンドにクレームをつけるのはお門違いもいいところでしょう。これが有料なら怒りますけど(笑)

 

僕は毎回家庭内出張サービスで、ここに空気を入れに来たときは、いつも高めにいれていました。

それは元々高めにいれるからなんですが、それによってもし昔からずれていたのだとしても、結果的には最低でも指定圧以上は入っていた事になります。

 

タイヤの空気圧は、指定圧より低いのは危険ですが、1~2割高くてもタイヤとしては危険ではありません。

 

例えば、昨今殆どのロープロタイヤサイズがXL(エクストラロード)になっていますが、XLは最大で290Kpaまで入れて使います。

しかし、そのサイズが元々の純正サイズの車両の場合、自動車メーカーの指定する指定圧はせいぜい230~250kpaくらいなので、タイヤの使用エアー圧としてはまだまだ上にマージンがあるわけです。(非XLサイズが純正サイズの車にXLサイズを入れた時は、ちょい高めが指定圧になりますが、それでもまだまだ上に余裕があります)

 

なので、タイヤの空気圧は指定値より高くても1割~2割くらいなら、タイヤ自体にはなんら問題ありません。

(今回の無料エア充填機は低い方に1割以上ずれてましたけど、もしこれが高い方にズレてたとしても、危険な領域まで高くはなりません)

 

むしろ、タイヤだけの都合で言えば指定空気圧より高めに入れてほしい理由すらあります。

 

 

■ひび割れの 二言目には エアー不足

タイヤのひび割れには、色々な種類のひび割れがあるんですが

 

最もよく見るひび割れがこのグルーブクラック(略してGCといいます)と呼ばれる縦溝の底に起きる亀裂です。

 

そして、この亀裂の原因の大半が空気圧不足です。

 

この画像のように、タイヤショルダー側によった縦溝の底だけが割れるGCは、ほぼ空気圧不足です。

 

ただ、問題なのはこの

空気圧不足

の

主語がどこにあるのか?

 

ですよ。

いったい何に比べて不足

なのか?

 

このGC、タイヤ屋人生が長い人は、誰でもクレームを受けた経験があります。

 

そして、場合によってはタイヤを公的機関に検査に出すのですが

 

まぁ経験則上 99.9999999999999999999999999%

「エアー不足です」

って回答が返ってきます。

そして、その回答をそのままお客様に伝えて激怒されるまでが

現場責任者の悲哀あるあるです。

 

そらそうでしょう。

だいたいのお客様は言います

「メーカー指定圧通りにちゃんと入れてる」

と

 

そして、それを確かめる術が我々にはないわけです。

 

でも、ここでお客様が嘘を言っているとも僕は思ってません。

 

じゃぁなんで、こんな悲しい出来事が起きてしまうのか?

 

今年でタイヤ屋現場人生18年になりますが、いい加減 僕も悟りました。

 

『メーカー指定圧じゃ足りない』

 

ってことに。

 

車メーカーは、GCの事まで考えて指定圧は決めてないでしょう。

あくまで、荷重指数と動的な性能を見ています。

 

つまり

 

車の動的性能が一番発揮されるタイヤ空気圧 ≠ タイヤにストレスがかからない空気圧 

 

だったということです。

 

そう考えれば、全ての辻褄が合う

 

ここに、全ての悲しみの原因があったように思います。

 

僕はもうそんな板挟みに疲れはてました。(´・ω・`)

 

なので、これからは声を大にして言います

 

『メーカー指定圧じゃ足りない』

 

だいたい、メーカー指定圧に合わせるってことは

そこから徐々に下がるんですから、必ず指定圧以下で走ってる期間が存在することにもなります。

もう、タイヤショルダー溝底部のストレスマッハです。

 

メーカー指定ぴったり派は、ショルダー側のGCには目を瞑ってください。

そこからエアーが漏れたりすることはまずないです。タイヤの空気袋とトレッドのゴムは別パーツなので。

少なくとも製造2年後とかに起きてる空気圧不足のGCでそんな事にはなりません。

 

そして、今回こんな出来事が分かってしまった以上は、更に言うしか無いでしょう

 

貴方が指定圧に合わせたと思っているそのエアーゲージ

もしかしたら全然あってないかもよ?

 

とね。

 

空気圧に拘りたい人は、信頼できるマイゲージを持ってダブルチェックしましょうね。

 

そこまで面倒なことを考えたくない人は、悪い事はいわないから黙って1割~2割高く入れておいてください。

 

 

そんなわけで、タダで空気圧入れてくるだけなんて事はせずに、ガソリンもきっちり入れて家に帰ってっ来ると

姪っ子たちとカレーがまっていました。

 

姪っ子が辛いカレーが苦手なので、このカレーは甘口ということで、香辛料も用意されていました。

 

激辛が好きな訳では無いですが、やはり甘口カレーはちょっと物足りないので嬉しい気遣いです。

 

人生は甘い方が良かったんですけどね。

 

おしまい