2022年7月16日
ショップブログ
気遣いとお節介の境界線
このブログは旧ブログサイトにて2014年夏に書かかれた記事を加筆修正したものです

これは昔、ガレージの場所の地主である伯父と、地元の飯屋に昼食を食べに行った時のこと。
青山高原に行く道の途中にある、山や川の自然豊かな場所にありながら、どちらかというと海鮮料理が名物なその料理屋のメニューを見ながら、本日のオススメの刺身定食にしようか海鮮丼にしようか、などと考えた挙句
「カツカレーひとつ(´・ω・`)」
と注文を。
そしたら、注文をとりにきたのは、明らかに「期間限定のアルバイトです!」って感じの女子高生っぽいウェイトレス(?)さんだったのですけど、この娘が発した次の言葉がインパクト絶大でした。
「あ、あの! そちら
ご飯は付いてきませんけど
よかったですか?(;・∀・)」
・・・3秒ほど固まった後、僕はゆっくりはっきりと疑問を口にしました。
「え!? ここのカツカレー、ご飯ついてないんですか?」
その瞬間、「( ゚д゚)ハッ!」という顔をした女子高生を確かに見ました。
「少々お待ちください!」と急いで厨房に帰っていったと思ったら、すぐに戻ってきて
「すいません、カレーは大丈夫です!(;´Д`)」
うん、わかってた。(´・ω・`)
周りのお客さんもクスクス笑ってるし、冗談好きの伯父が便乗して、ニヤニヤしながら「俺のカツ丼はご飯ついてるの?」とか聞いちゃってるし、なんかもう色々面白かったです。
でもね、ここでふとはるか昔のある日の事を思い出したんですよ。
あれは、僕がまだ中学3年生だった、ある冬の日の事。
既に進学が決まっていた地元の某私立校の入学前説明会に、当時仲の良かったクラスの仲間3人と行った帰りに立ち寄ったラーメン屋での出来事。
注文をとりにきた若い女性に、僕らは口々に
友人A「ラーメン」
友人B「ラーメン」
自分「チャーシュー」
と自分の注文の品を告げたのですが、その時一瞬だけその女性が「チャーシュー・・・(・´з`・)?」と怪訝な顔をしたものの、何も言わずに厨房に戻っていったのです。
そして数分後、僕らのテーブルに置かれたものは、ラーメンが2杯と、単品で4枚のチャーシューとモヤシが乗った小皿が1枚だけでした。
もう友人達は大爆笑。
説明するまでもないですが、僕はチャーシュー麺のつもりで「チャーシュー」と言ったのですが、あいにくその店にチャーシュー麺はメニューに無く、しかしながら単品メニューでのチャーシューはあったので、額面どおりに注文を受取ったそのウェイトレスは、単品のチャーシューを持ってきたのです。15歳の男子中学生に。
中年男性がビールと一緒に頼んだのならいざ知らず、中学生が3人できて、他の2人はラーメンを頼んでいるのに、1人だけチャーシュー単品だなんて明らかにおかしいのに「この子は何か勘違いしている」と思わなかったんでしょうか。
確かに、チャーシュー麺というメニューが無いのに、よく確認もせずに「チャーシュー」とだけ言ったのは当時の自分ですし、そのウェイトレスは言われた通りに注文を受け付けただけで、客観的には店側に過失は無いのですが、なんともやり切れない思いをしたのを今でも覚えているわけです。
その店に行ったのは、それが最初で最後だったわけですが、それから数年と経たずに閉店してしまっていたような覚えがあります。
さて、話はさっきのカツカレーに戻ります。
この女子高生(長いので以下JK)は、何故カツカレーという注文に「ご飯がついていない」なんて言ってしまったのでしょうか? 答えは明白です。そのカツカレーがあるメニューと同じページに掲載されている、単品メニューのヒレカツやロースカツと混同してしまったのです。
しかし、そのヒレカツやロースカツの単品メニューには、一言もご飯付きなどとは書いていませんし、この店にはトンカツ定食といった、ご飯と味噌汁がセットになったメニューがちゃんとあります。
だから、ここのメニューを見たほとんどの客は、単品メニューのトンカツにご飯がついて来ないことなんて、「言われなくても解ってる」のです。
だから、わざわざそんな事を言ってくるのは「お節介」でありますし、言われなくても解っている事をわざわざ確認されるのって、場合によってはイラっときてしまいます。
ですが、中にはいるんです。
ラーメン食べるつもりで、チャーシュだけ齧る事になっちゃうウッカリさんがいるように、もしかしたら単品メニューのトンカツに、ご飯と味噌汁付いてくると思い込んじゃう人が。
また、(どちらかというと、こっちの対策がメインだったでしょうけど)トンカツ定食の事をMyルールで「トンカツ」と省略して言っちゃう人が。
もしあの日あの時、注文をとりに来たウェイトレスが、このJKであったなら、僕はきっとラーメンを食べられていたはず。
ちょっと緊張した面持ちで「あ、あの! チャーシューにラーメンは付いてきませんけど よかったですか?(;・∀・)」
って聞いてくれた筈。
このJKのお節介は、時にはうっかり者を助ける気遣いにもなっているのでしょう。
そう思うと、このJKに対して、何だか微笑ましい気持ちになったわけです。
っていうか、おもしろかったし。
「気遣い」と「お節介」って、時にはまったく同じ言動であっても、相手によってその結果が変化するので、使いどころがなかなかに難しいところなのですが、接客業に携わる身である以上、その境界線は常に見極めていかねばなりません。
おわり








