2022年2月12日
ショップブログ
後医は名医
これは10年来の常連N様の、エルグランド(E51)のリアタイヤを2本交換した時のお話です。

それまでは某国産廉価タイヤを当店で買ってもらってたんですが、前回(2019年)交換時に当時満を辞して国内投入されたばかりの、弊社の某国産廉価タイヤ対抗商品を超オススメしてそちらを装着して頂いたんです。
それから約3年。
途中一度の裏返しを経て、丸坊主になって交換となったんですが
「前使っていたのとタイヤの持ちはかわらいねぇ~」

とN様。
んー、生活サイクルの中で3年というのはこの手のタイヤ寿命としては十分だと思いますけど・・・
磨耗が気になるならデータ調べましょうと、うちの過去アーカイブ(アナログな作業記録帳簿)を検索。
ふむ・・・前回が2019年7月で 51,518km そして2022年2月の今回が・・・63,943km
なるほど12,000kmしかもってないですね、これ。
3年という十分な時間でうやむやになってますが、データははっきりと早期磨耗ですね。
ソレに対して、データ上はフロントタイヤの寿命がリアの倍もってるんですよね。どこのMR2ですかって減り方です。
(2017年に某国産タイヤで4本交換、2019年にリア2本交換、2021年にフロント2本交換)
んー、わかりました。これ、多分リアのトーイン付け過ぎです。
「え!? でもこれ最初にアルミホイールセットと車高調買ったお店で、ちゃんとアライメントとってるんだよ?!」
んー、そうは言っても、目の前の現実としてフロントは全然大丈夫なのに、同じ銘柄のリアタイヤだけが1万kmちょっとで丸坊主ですからね。
多分、予想では30分くらいはトーインついちゃってますよ。
(ちなみにもしこんな幅広低扁平の超ネガキャンでトーイン1度ついてたら光の速さでダッシュするくらい早く溝がなくなる)
「タイヤ以外にする事はハブ防錆を考えてたんだけどー」

今、この車に真っ先に必要なのはハブを防錆することより、トーを測定することですねー(´・ω・`)
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まぁ別にいいんですよ。
なんだかんだ3年はもったんです。それだけもってれば、とりあえず十分とはいえます。
タイヤの減りは早くても、どのみちタイヤが健康でいられれる時間寿命は使い始めて5年です。3年で換えていくなら悪い話では無いですよ。
例えるなら、めちゃくそ燃費が悪い車に乗ってても、普段の通勤距離が片道5kmとかなら、年間の維持費の中で燃料代はたいしたことにならないでしょ?
それと一緒で、3年で15,000kmしか走らないなら、今のアライメントでも、現実的な問題は起きてないですし。
リアのトーインがきついのは一応(アウトに比べれば)悪い事ばかりではないですし。
「えー、どうしようかなー ちなみにアライメントいくら?」
この車で4輪トーだけなら8,800円ですね~
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「そんなにするんだ!」
いえ、かなり安いほうですけど・・・(まぁ安い理由もありますけど・・・)
ん~だったらこうしましょう。
うちの2Dアライメントは測定だけで終ったら3,300円ですし、それだけならわりとすぐできます。
それでまずは怪しいリアトーを測定して、あきらかに原因がそれだと言える数字がでたら、調整まですればどうです? その場合は代車だすので車半日あずけてください。
「じゃ、それで!」

ということで、測定を開始。
リアトー計測 +30分
Nさん、予想通りです。
「えー?! じゃぁお願いしようかなぁ」
承り~(´・∀・`)
ということで、本日臨時のアライメント調整は、いつもどおりスタッフYさんに指示通りの数字にばっちり合わせてもらいました。
(ちなみに店長Kは口だけなので、あれこれ言うだけで実際に作業するのはYさんですw)
キャンバーもばらついてたんですが、今回は予算の関係で前後トーだけです。それでも目的は十分達せますからね。

夕刻、N様が車を引取りに来て
何故リアタイヤがこんなに早く減っていくのかを解説し、ソレに対してどのような措置を行ったのを玩具を使って説明。
『掻い摘んで話せば、こんな幅広ロープロタイヤでキャンバーがー3度もついてるのに、更にトーインが30分も付いてたら、そら大根おろしですわ』
ってことです。
しかし、その最初にやったアライメントでどんな数字にしてたんでしょうねぇ。走ってる10年の間にずれてったんでしょうけど・・・
「アライメントやった時に渡された調整結果持ってるよ!」
え!? 10年以上前ですよね? なんでそんなに物持ちいいんですか(笑)
「これです」
・・・うーん、調整した時からリアトーは25分もつけてたのか・・・
「え? これは駄目なの? なんか『凄くいい機械を持ってるから』って、店の子に勧められたんだけど」
いや、まぁ機械は良いのは確かなんですが・・・これだともう最初からリアタイヤは大根おろしになる運命ですね・・・
「えー! あぁそれでかー! 当時お正月にこのお店でアルミセット買ってさ、1年点検だかで行ったらリアタイヤがもう駄目って言われて、買ってそんなすぐ交換できるか! って思って別のお店行ったのよ! それでどこ行っても高いタイヤしかなかったり裏返しローテしてくれなかったり、そしたら会社の同僚のMさん(当店のスーパー常連さん)にこのお店教えてもらってさー」
あ~10年前うちに来た時、そういう経緯だったんですか~
「じゃぁなに? このお店は全然アライメントとってないってこと?」
いいえ、そんな事はないですよ。
見てください、フロントはちゃんと整えられてます。(キャンバーはバラバラのままだけど)
元がー1度ってことは、典型的な車高ダウン時のバンプステアがついてるので、それをちゃんと補正してます。
もしこの補正してなかったら、フロントタイヤは1万kmももってないですよ。
それにリアも左右は整えられてはいるんですよ。ただ、この車に対してこの数字じゃ結果的には甘かっただけです。
でも、それも施工者の立場としてはこうなるのも分かります。
たまたまこの車がFRの先代エルグランドだったから、こうなっちゃってるんですが、これが先代アルファードだったら問題なかったんです。
むしろ、国産ミニバンのほとんどが車高下げてリアトーが+20分なんて普通にあるんですよ。
ただ、あれらはリアトーションビームのFF車なんで、車高下げてキャンバーがー3度とかにはならないだけで・・・
だから、普段他のミニバンのアライメントを多くやってたら、リアトーの数字をこの辺りにしちゃうもの不思議ではないんですよね。
それに、競技車両でもないのに、リアトーをアウトにふるって不特定多数相手の商売でやるのは結構怖いんですよ...
いいですか、Nさん。
医者の世界にね「後医は名医」 って格言があるんです。
患者さんを最初に診た医師(前医)よりも、後から診た医師(後医)の方がより正確な診断・治療ができるのは当たり前なんだけど、患者さんから見たら後から診た医者が名医に見えてしまうっていう意味の言葉なんですけど、
今回、僕はNさんのエルグランドの前後輪がそれぞれ何kmで減ったかという正確なデータを得たうえで診断をしてるから、そのリアトーが間違いだったと言えるだけで、何も情報が無かったら僕もそれくらいのリアトーつけちゃってたかもしれません。
だからNさん、決して今からそのお店にクレームをつけに行くなんて事は絶対にしちゃいけませんよ?
今回の事は言ってみれば、
そのお店さんのアライメントと、当店のこれまでのタイヤ交換のデータと、そして今回のアライメント測定の
3要素が備わって、初めてNさんの使用環境にもっとも相応しいデータにたどり着く事ができたといえるんですからね。
「ええ、それはよくわかります。最初のアライメントのお店にクレーム言いに行くつもりはまったくないです!」
それはよかった。
・・・ところでNさん、この最初のアライメントにはいくら支払ったんですか?
「20,000円です」

おしまい








