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作業事例 紹介シリーズ 「ダイハツ ハイゼット アライメント/オフセット調整 」

今回のアライメント調整作業は、
これまでとは大きく内容の違う予想外の作業となりました。




こちらのお客様も、インターネットで当店の事を調べて頂きアライメントのご用命を頂きました。

元々は2月の第二日曜に行う予定でしたが、お客様のお仕事が忙しくなり一度キャンセル。

再びご連絡を頂いたのが3月中頃だったのですが、冬タイヤから交換需要がピークを迎えており大繁忙のため、4月の日曜日まで待っていただての作業となりました。

そして迎えた4月の日曜日。お客様には午前中から来て頂きお車をお預かりする事となりました。

誤算だったのは、4月になっても交換需要のピークは過ぎておらず、昼からの作業予約枠がぎっしり詰まっていた状態でしたので、昼過ぎまでにはアライメント作業を完了させねばなりませんでした。

今回ヒアリングしたお客様のアライメント希望動機は

いつのまにか車がまっすぐ走らなくなった

というものです。
お客様からお聞きする限りは、特に何か足回りをいじったとか、ぶつけたということは無く、なんだか真っ直ぐ走らないとの事。
以前はもっと真っ直ぐ走っていたらしい。

ということで、実際にアライメント作業前の試乗を行うと、確かに左流れが見受けられました。

正直に言えば、測定する前まで今回の左流れは「タイヤのコニシティ等では?」とアライメント外の要因を疑ってました。

ですが測定してみると何故か計測器は左リアに少々強めのトーインがついてる事を指し示しています。右リアは0。

確かに、このリアトーが本当なら車は左に流れます....でも、この車のリアはホーシングなんです。

次にフロント測定すると、左フロントが弱トーアウトとなりますが....まぁでも今回の原因は左リアで間違いないでしょう...でもこれホーシングなんですよねぇ。

まずホーシングのリアトーは調整できません。
そして、事故もしていないのにホーシングのトーがずれるというのが俄かには信じ難いものでした。
最初はまっすぐ走っていたという事ですから、走行中にホーシングのリアトーがずれたということになります。

ところでホーシング最大のメリットって何だと思いますか? それは負荷に対する抜群の強度です。ちょっとやそっとじゃビクともしない、質実剛健なド安定のアライメントこそホーシングの真骨頂でしょう。

だから今もトラックや、本格的なクロカン車にはホーシングが使われているのです。なのに、そのホーシングのトーが、ただ走ってるだけでずれるなんて事があっては困るのです。

さて、どうしましょうか?

まず、これでフロント弄ったって意味がありません。
リアのトーがずれてるのだから、まずスラスト角がずれてます。
それをフロントで無理やりどうにかやってハンドル真っ直ぐで真っ直ぐ走らせたって、それは斜め向きながら真っ直ぐ走ってるだけなので間違いなくタイヤに片減りが出ます。
そんなものはアライメントではありません。

このまま手を拱いていても、午後には作業予約がガンガン押してるから悠長に考える暇ないし、(まっすぐ走らない事の)原因は分かるけど調整は出来ないから測定料(3,300円)だけ頂いて終わりにするしかないかなぁ・・・と思ってアライメント作業の中断を考え始めたその時でした。

スタッフY「これ、後軸ずれてない?」

え? どれどれ....とYさんがリアタイヤに当てたスケール越しに見えるフロントタイヤを左右見比べるると... あ、ほんとだ後軸が右にオフセットしてる。

ってことは...この左リアトーインって...

(オフセットしてる分を目測で補正して再測定)

あ、ほぼ0になった。

なるほど、そーいうことかぁ...

つまり、今回ずれていたのトーではありませんでした。

本当にずれていたのはオフセットだったのです!


ということで、今回の左流れの原因はこういうことです。

①軽トラ特有の短いホイールベースで
②後輪駆動で
③後軸が右にオフセット


その結果、車が左にに流れているという事になります。

さて、じゃぁどうしよう? とYさんと相談。

この時点で午後の予約作業枠は満員御礼で、フリー来店も冬夏タイヤ脱着祭りなので、当店に2台分しかないPITの片方をこのまま長時間占拠し続ける事は出来ません。
今からこの車の作業をどうするのかの方針だけは、早く決めねばなりません。

スタッフY「左リアにスペーサー入れるとか?(笑)」

ある意味その方法もありです。お安く効果的な方法ですね。でも、残念ながらこれスチールホイールだから無理です(笑)

まぁ冗談はさておき、このハイゼットの車体構造をよ~く観察して考えてみると、もしかしたら調整の可能性がワンチャンあるかもしれません? 元々、だから自然現象でズレたのだと考えれば理屈も通ります。

それに今回のお客様との事前ヒアリングで受けた印象としては、直る見込みがあるんだったらお時間はいただけそうです。(もともと1日仕事想定で車は2台で来て置いていってもらってます)

ということで、頭をフル回転させて本日スケジュールを管理、そしてお客様に電話をします。

最初に
「お客様が感じていたのは左流れですか?」
と確認しました。

まず、そこの認識が一致してないと始まりませんからね。お客様からの回答はYESでした。やはり左流れをお感じだったようです。

そして、次に以下の事をお話させて頂きました。

・左流れの原因は後輪にあること。
・でも軽トラなので後輪のトー調整はできないこと。
・でもでも、狂ってるのはおそらくトーじゃなくて車軸のオフセットであること。
・そして、今日何時間かかってもOKであれば、調整できるかどうか試せる事がある事。

如何ですか? と。

そして、お客様からご回答は....

「お願いします」と。

結果、見事に直りました。

リアトーも左右等しく弱トーインという、そうであるべき数字に収まっています。

これらの数字は歪んだ軸を真っ直ぐに整えた事で、自然と本来あるべき数字に戻ったのです。

これぞまさにアライメントが、車の整体と呼ばれる所以ですね。

注:調整前のトーの数字は、当店の測定器でオフセットのずれがトーのズレとして表れているので便宜上そう書いてあるだけで、リアトーそのものは最初から左右5分で揃ってる事になります。誤解されませんようご注意ください。


調整後の試乗では、明らかに左流れの改善が確認できました。

大成功です(・∀・)イイ!!


作業完了後、お客様にご説明させて頂き、とてもご納得して頂けました。

あとは実際に乗っていただいて、僕が感じた症状の改善がお客様にも感じて頂けたかどうかなのですが・・・

後日、アライメント後のフィーリングがどうだったかが気になって、お客様にメールでお聞きすると、こんな嬉しいお返事を頂けました。(^^


今回のアライメント作業事例は、前回の作業事例で解説した 
トー・キャンバー以外のアライメント調整
という分野になります。

前回のブログでは「当店ではその分野のアライメント出来ない」のだとご説明させて頂きました。

だけど、今回それを行って成功しました。

これは当店にとっても嬉しい誤算です。

ですが

今回こんな風に上手くいったのは本当に偶々です。

・車軸のオフセットが観測しやすい車であった事。
・当店の設備でも調整可能な構造であった事。
・今まで一度もやった事のない調整方法を、アドリブで行える確かな経験値を持った作業スタッフがいた事

等などの、色々な好条件が揃っていたからこその結果です。


なので、これからも当店のアライメントサービスは地に足をつけて背伸びせず、出来る事と出来ない事の境界線をしっかりと設けて、事前のヒアリングをしっかりと行う事で、お客様と当店がWIN-WINになれるアライメントサービスを目指してゆきます。


ご用命ありがとうございました。

■アライメント作業料金(ダイハツ ハイゼット)
・4輪トー調整扱い(後輪車軸オフセット調整) ¥8,800
・後輪タイヤ2本脱着工賃     ¥1,100
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                    合計 ¥9,900