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ニュルブルクリンクとヨコハマタイヤの永くて深~い関係
世界で最も過酷と名高いサーキット「ニュルブルクリンク」をご存知でしょうか? ここでレースを経験したドライバーが口を揃えて「怖かった」と唱えるほどタフなコースですが、実はヨコハマタイヤと深い関わりがあるのです。
世界一過酷で難攻不落なコース、ニュルブルクリンク
ドイツの北西部、アイフェル地方に設立されたニュルブルクリンク。 24時間耐久レースでも有名なこのコースは、 世界三大耐久レースの開催地、フランスのル・マン、アメリカのデイトナ、ベルギーのスパ・フランコルシャンと比べても、世界で1番タフなサーキットとして名を馳せています。
その過酷さを元F1チャンピオンのジャッキー・スチュワートは”グリーンヘル(緑の地獄)”と表現したという逸話があるほど。F1のレジェンドさえ唸る地獄たるゆえん、それは他には類を見ないコースレイアウトに理由があるようです。
ニュルブルクリンクは2つの個性的なコースから成り立ちます。
1つ目はグランプリ・コースと呼ばれるサーキット。1984年に完成した一周5.148㎞のコースです。
そして2つ目が北コース(ノルドシュライフェ)と呼ばれるサーキット。こちらは1927年に完成した歴史あるコースです。これこそがニュルブルクリンクを「世界一過酷」と言わしめるコースなのです。
全長20.832㎞、高低差は約300m、さらにコーナー総数は170以上……。数々のブラインドコーナーや路面のうねり、急な下り坂・上り坂、車が一瞬浮くようなジャンピングスポットなどもある超ロング&ハードなレイアウト。さらにはその広さゆえに場所によって路面コンディションが異なることもしばしば。攻略にはドライバーの経験とテクニックが欠かせないと言われるコースなのです。
ファンが熱狂する24時間の祭典
「ニュルブルクリンク24時間レース」は、世界中のモータースポーツファンを魅了するビッグタイトルです。グランプリコース、北コースを合わせた一周約25㎞が決戦の舞台となり、昼夜をかけてマシンが熱い火花を散らします。
特に日没後の北コースは、24時間レースならではの漆黒の闇がコースを覆い、高性能なヘッドライトを持ってしても、一瞬の隙でクラッシュやアクシデントにつながる可能性がコース各所にはらんでいるのです。
このタフなコースをより速く確実に駆け抜けるのはどのチームか。世界中が熱狂し注目する理由は確かにここにあるようです。
2026年の戦いに挑むヨコハマタイヤ勢
ヨコハマタイヤはニュルブルクリンク24時間レースに長年参戦を続けており、これまでに総合優勝を3回獲得しています。2026年はいずれ劣らぬ強豪3チームとのタッグで、待望の4度目の総合優勝を目指します。
Schubert Motorsport
BMW M Motorsportと公式ファクトリーパートナーシップを結び、BMW M4 GT3 EVOで参戦します。このマシンは伝統のADVANカラーをまとうことも注目を集めていますが、1989年と1991年にヨコハマタイヤを装着するE30型のBMW M3が総合優勝を飾っていることから、BMW M Motorsportとのタッグによる35年ぶりの優勝が期待される存在です。
HRT Ford Racing
2025年からFord Racingのサポートのもと、マシンをフォード・マスタングGT3に切り替えて24時間レース、NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)に参戦開始。24時間レースではSP9 PRO-AMクラスで優勝したほか、NLS第8戦では総合優勝を果たし、Fordにとって10年ぶりとなるNLS勝利をもたらしました。2026年の24時間レースではさらに磨きがかけられた速さを見せてくれるはずです。
KONDO RACING
世界各地の24時間レース参戦経験も豊富な名門Rinaldi Racingとタッグを組んで、2025年と同じくフェラーリ・296 GT3での参戦です。2025年はセカンドグリッドから決勝スタートを迎え、一時はトップを快走。惜しくもバックマーカー車両との接触によりリタイヤを喫しましたが、2026年は近藤真彦監督を筆頭にリベンジに燃えていること間違いなしです。
世界で戦うためのもうひとつの”聖地”として
そしてニュルブルクリンクにはもう一つ重要な役割があります。それは世界のカーメーカーの市販車両開発の地としての一面です。唯一無二のタフな環境を擁するニュルブルクリンクには、古くより欧州を中心としたカーメーカーが集い、各社のハイパフォーマンスカー開発のテストリンクとしてしのぎを削ってきました。
まだ日本メーカーの使用が稀であった1980年代、ヨコハマタイヤはこの地に小さなガレージを設け、市販用タイヤ、カーメーカー純正タイヤの両方の恒常的なテスト拠点としてスタートしました。2006年3月にはより設備の充実した「ヨコハマ・テストセンター・ニュルブルクリンク」を設立。ここを拠点に欧州でのテスト体制を強化してきました。ここから生み出されたタイヤはADVAN Sportはじめ幾多に及び、いまこの瞬間も次世代製品の産声があがっているのかもしれません。
ヨコハマ・テストセンター・ニュルブルクリンク
日本人技術者から見たニュルブルクリンク
「どんな状況でも安全に走れる車両、タイヤづくりをすることが、最終的に市場でも受け入れられるのだと実感します」
と語るのは、多くのドイツ人で構成される現地のテストチームで、日本人テストドライバーとして活躍する横浜ゴムタイヤ試験部の鈴木陽(取材当時)。
テストドライブ以外にも評価法の開発やテストドライバーの育成支援など、その業務は多岐に渡ります。
横浜ゴムタイヤ試験部 鈴木 陽(取材当時)
ニュルブルクリンクを拠点にすることについて、鈴木はこう語りました。
「ニュルブルクリンク周辺には、世界の名だたる自動車メーカー、タイヤメーカーのテストセンターが軒を連ねています。小さいながらも昔から拠点を構えていたヨコハマタイヤは、ここでは「馴染みの顔」の一つです。ドライバー同士で顔見知りも多く、仲間意識が強いオープンな雰囲気がいいですね。みんな企業の垣根を越えて、良い製品を作る仲間にリスペクトしている感じが分かりますね。」
ニュルブルクリンクとヨコハタイヤの関係は、「速く安全に走る」という自動車の一つのゴールに向かって共に歩む、“最高のバディ”と言えるのかもしれません。







