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ニュルブルクリンクってなんだろう?
ニュルブルクリンクってなんだろう?
歴史
日本では“ニュル”の愛称でも知られているニュルブルクリンク(Nürburgring)は、ドイツを代表する難攻不落のレーシングコースとして世界中のドライバーを魅了しています。その誕生は1927(昭和2)年、幾度かの改修を経て、現在は20.832kmの北コース(ノルドシュライフェ)と5.148kmのGPコースが存在しており、「世界一過酷な耐久レース」とも言われるニュブルクリンク24時間レースは両コースをつないだ25.378kmで競われます。
ニュルブルクリンク24時間レースが初めて開催されたのは1970(昭和45)年、オイルショックとコース改修により3回の中止があったことから今年で54回目の開催を数えます。記念すべき第1回には7つのクラスに全96チームが参加、ハンス=ヨアヒム・シュタック選手/クレメンス・シッケンタンツ選手のコンビが、記念すべきウィナーに輝きました。
ロケーション
コースはドイツ南西部のニュルブルク(Nürburg)に立地しており、山岳丘陵地帯です。サーキットの海抜は500m前後であり、高地であるため夏場でも気温が30℃に達するような暑さに見舞われることはほぼありません。
ニュルブルクリンク24時間レースは例年5月か6月に開催されますが、5月の平均気温は最高で16℃、最低は7℃というデータが見られます。これは平均値なので、例えば深夜帯には一桁台前半まで下がることも珍しくなく、一方で好天に恵まれれば20℃を超える暖かさに恵まれることも少なくありません。
緑の地獄 (Green Hell)
ニュルブルクリンク24時間レースの舞台は、全長25.378kmという広大なフィールドであることが最大の特徴と言えるでしょう。このコースの最大の特徴であるアイフェルの森は美しい新緑で世界中からやって来たドライバーを歓迎してくれます。
しかし、この森こそ「緑の地獄 (Green Hell)」という異名をとり、“魔物が棲む”とさえ言われていることを忘れてはいけません。
ニュルブルクリンクのコースは、海抜320~620mと実に300mほどの高低差があるのです。路面にはウネリの大きな箇所もあり、三次元的な挙動をドライバーはコントロールすることを強いられます。
コース幅は一般的なサーキットより狭く、ガードレールまでの余裕も少ない箇所が大半を占めます。そのうえで170を超える中低速から高速までバラエティに富んだコーナーが存在するため、まさにワンミスが命取りとなるチャレンジングなコースなのです。
24時間レースの過酷さ
丸一昼夜、86,400秒を戦い続ける24時間レース。その過酷さは想像に難くないところですが、ニュルブルクリンクならではの難しさも勝負をわけるポイントとなります。
コースの難しさに加え、山岳地帯ならではの不安定な気候は、時に“魔物”としてドライバーやチームに容赦なく襲いかかってきます。広大なフィールドゆえに場所によって降雨や濃霧となることもあり、コース内でドライとウェットが混在することも珍しくありません。
ましてや、雨が突然降り始めると、25kmを超えるコースだけにタイミングによってはピットインしてタイヤ交換を行うまでに相当の距離を走ることを強いられてしまいます。夜間に突然の豪雨が襲い、有力ドライバーでさえもコースオフを喫する場面が見られることも珍しくはありません。
また、ロケーションの項で触れたように冷涼な気候のニュルブルクリンクですが、一日の寒暖差はコースの路面温度を大きく変化させます。例えば夜間は冷え込んだ一方で日中は好天に恵まれると、同じレースの中で気温差が20℃を超えることもあり、比例して大きく変化する路面温度への対応が求められるのです。
ニュル24時間を楽しむ人々
年に一度のお祭りとして定着しているニュルブルクリンク24時間レース、その日を楽しみにしている地元の人々や全世界のモータースポーツファンはたくさんいます。2025年は28万人もの観衆が足を運び、思い思いのスタイルで24時間レースを満喫しました。
1970年の第1回を振り返っても、サーキットには「ルナパーク」というアミューズメントエリアが設けられ、さまざまな出店やイベントが来場者を楽しませています。
現在もエンターテイメント性に富んだ楽しさを提供しているニュルブルクリンク24時間レースですが、長丁場だけにキャンプをしながらレースを観戦するスタイルが定番のひとつ。コースサイドにはテントやキャンピングカーが並び、バーベキューをビールやワイン片手に楽しみながら、多くの観客がサーキットでの休日を過ごしています。そしてレース開始から徐々に積まれていくビールやワインの空き瓶は、レースフィニッシュのころには小山のようになっているのもお馴染みの光景です。
24時間レースとNLS、ふたつの戦い
ニュルブルクリンクといえばご紹介してきた24時間レースが広く知られていますが、もうひとつニュルブルクリンク耐久シリーズ(Nürburgring Langstrecken-Serie)、通称NLSも見逃せないところ。こちらはシリーズ戦としてカレンダーが組まれており、2026年は全10戦で競われます。
2026年で50周年という記念すべきシーズンを迎えたNLSは、通常4時間、一部の大会では6時間の決勝レースで競われます。また、24時間レースのおおよそ1ヶ月前に行われるQualifiers(予選レース)もこのNLSのシリーズ戦に含まれており、特に24時間レースの本戦まではこのNLSで準備を整えようとする有力チームが多数参戦しています。







