【NLS(Nürburgring Langstrecken-Serie) 第1戦 / ドイツ・ニュルブルクリンク】

Haupt Racing Teamとのパートナーシップでヨコハマタイヤが挑む2024年のニュルブルクリンク、NLS開幕戦はクラス優勝/総合6番手を獲得する速さを見せた!!

NLS Round 1

開催日 2024年4月6日
開催場所 ニュルブルクリンク
(ドイツ)
天候 公式予選 : 曇り
決勝 : 晴れ
路面 公式予選 : ウェット~ドライ
決勝 : ドライ
決勝時間 4時間
(1周=24,358m)

2024年のNLS(Nürburgring Langstrecken-Serie)が4月6日(土)に開幕、今年もアイフェルの森に難攻不落で知られるニュルブルクリンクに魅了されたドライバーが世界中から帰って来た。今シーズンは全6戦のカレンダーで競われるNLSだが、開幕はひとつの週末で4時間の決勝レースを2戦行うダブルヘッダーが組まれた。

ニュルブルクリンクと言えば誰もが真っ先に思い浮かぶのは、伝統の24時間レースだろう。今年は6月1日から2日にかけて決勝が行われ、それに先んじて4月13日と14日には予選レース(Qualifiers)が開催される。24時間レース本番前に、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェを走行できる機会は、予選レースとNLSの開幕ダブルヘッダーなど非常に限られる。この点からも、24時間レースに参戦するチームにとっては重要な週末となった。

昨年はNLSでシリーズチャンピオンを獲得したチームの走りを支えたヨコハマタイヤ、2024年は新たなチャレンジをスタートする。メルセデス-AMGのカスタマーチームであるHaupt Racing Teamとパートナーシップを組み、「Team ADVAN×HRT」としてメルセデス-AMG・GT3で参戦。FIA GT3規定車両が競い合う最高峰のSP9、その中でプロフェッショナルとジェントルマンのドライバーがタッグを組んでマシンを駆るSP9 Pro-Amクラスが戦いの舞台となる。

チームは2020年7月の設立という若さだが、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)でドライバーズチャンピオンを獲得しているほか、ニュルブルクリンクとスパ-フランコルシャンの24時間レースなど多くのシリーズに参戦し、その躍進が大いに注目を集めている存在だ。今回は22歳の若手デニス・フェッツァー選手、チームオーナーでもあるフーバート・ハウプト選手、26歳でフォーミュラを含むレース経験も豊富なラルフ・アーロン選手というドライバーラインアップで勝利を目指す。

現地時間の8時30分から90分間行われた公式予選、スタート時点では薄い雲が上空を覆っていた。気温は11℃、コース上には若干濡れた箇所が残っており、ゼッケン6をつけたTeam ADVAN×HRT のマシンには溝の刻まれたタイヤが装着され、ハウプト選手がコースインした。ハウプト選手はラストラップで暫定トップタイムを刻んでピットイン、フェッツァー選手へとマシンをリレーした。

フェッツァー選手は一旦コースへマシンを進めてコンディションを確認してピットイン、ここでタイヤをスリックに交換してピットを後にした。8分13秒台にタイムを入れてピットイン、セッションの残り25分ほどをアーロン選手に託す。アーロン選手はさらにタイムを伸ばし、8分03秒470を刻んで予選は終了。堂々のSP9 Pro-Amクラストップ、総合でも6番手の決勝スターティンググリッドを獲得した。

4時間の決勝レース、スタート時刻は12時ちょうど。予選終了からピットウォークとグリッドウォークの賑わいをはさみ、11時43分にフォーメーションラップがスタート、ステアリングを握るのはハウプト選手だ。この頃には青空も顔を見せ、コースはオールドライコンディション。隊列を先導したマーシャルカーがコースから離れていくと、エギゾーストノートが高らかにこだまして2024年シーズンの戦いがいよいよ幕を開けた。

注目のスタート、ハウプト選手は3列目左側のグリッドから鋭いダッシュを披露。センターのラインにマシンを進めると5台を一気に抜きさってトップで1コーナーを通過した。フォーメーションラップで念入りなタイヤへの熱入れを行っているが、スタートから優れたパフォーマンスをADVANレーシングタイヤが魅せたことは、開幕を待ち望んでいた多くのファンにも印象深いものとなったことだろう。

トップでオープニングラップを終えたハウプト選手は、そのまま2周目へ突入。しかしジャンプスタートについての審議が行われ、残念ながらドライブスルーペナルティを受けることとなってしまった。やや勢い余っての結果となってしまったが、2周を終えてハウプト選手はペナルティを消化して再びコースへ復帰。仕切り直しで、上位奪還に向けたラップを刻んでいくことになる。

ペナルティを消化したハウプト選手、3周を終えてポジションはクラス3番手にドロップしていた。しかしクラス2番手の7号車(ランボルギーニ・ウラカン GT3 EVO I)との差は0.170秒とごく僅かで、ポジションアップが大いに期待されるところ。翌周、ハウプト選手は期待に応えて7号車をかわし、クラス2番手へポジションをアップした。

5周を終えたタイミングで6号車はピットイン、ドライバーをフェッツァー選手に交代して前を行く17号車(アストンマーティン・ヴァンテージ GT3)を追いかけていく。そして7周を終えて17号車がピットイン、6号車はペナルティ分のタイムロスがあったものの9周を終えて17号車との差を8.986秒にまで詰めて行った。

そして10周目、フェッツァー選手は9分54秒842のラップタイムを刻み、10分06秒966を要した17号車をかわしてSP9 Pro-Amクラスのトップを奪うことに成功。そのままマージンを周回毎に拡大し、4時間の決勝レースは折り返しとなる2時間を経過して6号車はクラストップの座を磐石のものとしていく。

戦いは後半に入り、14周を終えて6号車をはじめFIA GT3車両勢の多くがピットイン。6号車はドライバーをアーロン選手に交代すると、ここからは総合ポジションをじわじわと上げていく快走を見せた。16周を終えて総合9番手、17周目にひとつ、18周目にまたひとつとポジションを上げ、ライバルのピットインタイミングの関係はあるものの22周終了時点で総合5番手まで浮上した。

この22周を終えたタイミングで6号車は最後のピットイン、ステアリングはアーロン選手が引き続き握ってチェッカーへの力走を重ねる。その中では終盤の25周目に8分03秒666という自車のベストラップを刻み、4時間の戦いでSP9 Pro-Amクラス優勝を飾るチェッカーを受けることに成功。総合でもSP9 Proクラス勢を相手に6位となり、高い戦闘力を見せつけつつ次戦以降の更なる好成績に期待を集める結果を残した。

Text : 斉藤武浩(Takehiro Saito / office North-Star)

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