【SUPER FORMULA 第1戦 / 富士スピードウェイ】

2023年の国内最高峰フォーミュラがいよいよ開幕、ルーキードライバー、リアム・ローソン選手がデビューウィンを飾る!!

SUPER FORMULA Round 1

開催日 2023年4月8日
開催場所 富士スピードウェイ
(静岡県)
天候 公式予選 : 曇り
決勝 : 曇り
路面 公式予選 : ドライ
決勝 : ドライ
決勝周回数 41周
(1周=4,563m)
参加台数 22台
※タイヤはヨコハマタイヤのワンメイク

新型車両と新しいタイヤが導入される2023年の「SUPER FORMULA(全日本スーパーフォーミュラ選手権)」がついに開幕。昨年同様に開幕大会は8日(土)に第1戦の予選と決勝、9日(日)に第2戦の予選と決勝を行う2レース制で開催となった。

昨年まで使用されていたSUPER FORMULA専用車両「SF19」から変わり、カーボンニュートラルを実現させる新型車両「SF23」がいよいよデビューを迎える。合わせて横浜ゴムが供給するタイヤも再生可能原料比率を約33%まで高めたサステナブルタイヤを投入する。

今シーズンはHONDAエンジンユーザーが6チーム11台、TOYOTAエンジンユーザーが6チーム11台の計22台で争われる。数々の熾烈な戦いを制し、2021~2022年とタイトルを連覇、速さと強さを併せ持つ絶対王者の野尻智紀選手を中心に実力派ドライバーが勢ぞろい。またリアム・ローソン選手、ラウル・ハイマン選手、ジェム・ブリュックバシェ選手と新たに海外から日本のトップ・フォーミュラに挑戦するドライバーも。新型コロナウイルス感染予防対策も緩和され、8日(土)の富士スピードウェイには12,700人のモータースポーツファンが詰めかけた。

7日(金)が強風と雨に見舞われたため、予定していた専有走行がキャンセルとなり、レースウィーク最初の走行が公式予選となった。通常ならばノックアウト方式が採られるSUPER FORMULAの予選だが、この状況を鑑み、45分間の計時予選へと変更に。序盤はコースコンディションや車両のチェック、セットアップの調整に費やし、各車がタイムアタックに入ったのはセッションの終盤。20台以上のマシンが一気にコースになだれ込んだが、その結果トラフィックが発生し、ほとんどのドライバーが自身のベストタイムを更新できずにチェッカーフラッグを受けていく。

最終的に、セッション中盤で野尻選手がマークした1分22秒062がセッション最速タイムとなり、野尻選手は昨シーズンの第9戦鈴鹿大会から数えて連続4回目のポールポジション獲得となった。フロントローには宮田莉朋選手が着け、終盤のタイム更新に成功したローソン選手が3番グリッド獲得。以下、大湯都史樹選手、佐藤蓮選手、坪井翔選手がトップ6に並んだ。

決勝レースは約4時間のインターバルを挟んでスタート。ポールシッターの野尻選手が抜群のスタートを切って1コーナーをトップで通過すると、その後ろに大湯選手、宮田選手、ローソン選手と続いた。その直後、中団のマシン複数台による接触アクシデントが発生。さらに2周目には7番手争いをしていた坪井翔選手と牧野任祐選手が接触。コース上にパーツが散乱してしまったことから、早くもセーフティカーが入ることになった。

この時点での順位は、野尻選手、大湯選手、ローソン選手、宮田選手というトップ4。これに、スタートに定評のある山本尚貴選手と佐藤蓮選手というTCS NAKAJIMA RACING勢が続く。レースは8周目にリスタートが切られ、その直後からローソン選手が果敢に大湯選手に勝負を仕掛けた。1コーナーで並んだ2台は、サイド・バイ・サイドのままコカ・コーラコーナーへと入っていくが、お互いに泊まり切れずにコースオフ。この隙に宮田選手がいったん2番手を取り戻したが、大きなロスなくコースに戻ったローソン選手がダンロップコーナーで宮田選手をかわし、トップの野尻選手とともにTEAM MUGENでワン・ツー体制を築き上げた。

ローソン選手はじわじわと野尻選手に近づいたが、バトルを挑むまでの距離には近づけず、レースは折り返し地点を迎える。21周を終えたところでローソン選手はピットイン。野尻選手よりも先にタイヤ交換を済ませるアンダーカットの作戦に出た。チームは約6秒の作業時間でローソン選手をコースへと送り出す。これを見た野尻選手は翌周にピットイン。作業時間はわずかにこちらの方が長かったものの、野尻選手はローソン選手より前でコースに復帰した。すでに1周を走行しタイヤに熱が入っているローソン選手にとってここが一番のチャンス。1コーナーでは野尻選手に抑えられたものの、100Rコーナーでアウト側から並びかけると鮮やかなオーバーテイクを見せトップに浮上した。

タイヤ交換のタイミングを遅らせ、ピットインで生じるロスタイムをコース上で稼ぐ作戦をとっていたのは平川選手と宮田選手の2人。レース終盤、31周終了時までタイヤ交換を引っ張った平川選手は、事実上3番手の山本選手より前でコースに復帰。直後の1コーナーでブレーキをロックさせてコースアウトしてしまい、再び山本選手が3番手を取り戻したが、タイヤに熱が入ると一気にペースを上げて山本選手を攻め立て、36周目の1コーナーで山本選手をオーバーテイク。アンダーカット作戦を成功させて3位に浮上した。

その直後、1コーナーの手前で福住仁嶺選手とジュリアーノ・アレジ選手が接触。福住選手はガードレールに激しくヒットしてしまい、アレジ選手も1コーナーの先でマシンがストップしてしまったことから、この日2度目のSCが導入された。残り周回数は5周だが、車両回収とコース清掃に時間がかかり、レースはSC先導のままでチェッカーフラッグ。ローソン選手がSUPER FORMULAデビューレースで優勝を飾ることとなった。2位に野尻選手が入り、TEAM MUGENがワン・ツー・フィニッシュを達成。平川選手が7番手スタートから3位表彰台を獲得した。

Drivers’ Voices

リアム・ローソン 選手 (TEAM MUGEN)

【今回の成績 : 優勝】

初めてのカテゴリーのデビューレースを前に、昨晩はなかなか眠れませんでした。とにかくベストを尽くすことを目標に戦いましたが、チームが素晴らしい仕事をして、いいクルマを作ってくれたことで優勝できました。ヨコハマタイヤで走るのは初めてでしたが、最後までプッシュできる素晴らしいタイヤです。今後もこのタイヤをさらにうまく使えるよういろいろなことを試していきたいです。

TOP