【パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム / アメリカ・コロラド州】
101回目の“パイクス”でADVANのサステナブルタイヤを装着するロビン・シュート選手が快走、二年連続の総合優勝を獲得した!!
Pikes Peak International Hill Climb
開催日 | 2023年6月20日-25日 |
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開催場所 | パイクスピーク (アメリカ・コロラド州) |
天候 | 決勝 : 晴れ |
路面 | 決勝 : ドライ |
決勝距離 | 12.42miles (約19.99km) |
参加台数 | 66台 |
1916年の第1回開催から数えて今年で101回目を数える伝統の一戦、「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)」。近代自動車史とともに歩んできたこの戦いはアメリカ・コロラド州が舞台、ロッキー山脈も東端に位置するパイクスピークに設けられているおよそ20kmの道で、海抜4,302mの頂上に待つフィニッシュを目指して如何に速く駆け上がるかを競い合うヒルクライムイベントだ。
いまでは全面舗装路となっていることに時代の移り変わりを感じるが、156のコーナーがドライバーを待ち受ける難攻不落の一戦であることは一世紀にわたって変わることが無く、“Race to the Clouds (雲を目指すレース)”として世界中から今も多くのチャレンジャーを魅了している。
ヨコハマタイヤも長くこの戦いへチャレンジを続けているが、記念すべき第100回となった2022年には「ADVAN」カラーのマシンを駆ってアンリミテッドクラスに参戦するロビン・シュート選手が総合優勝を飾り、歴史の1ページに大きな金字塔を打ち立てたのも記憶に新しいところだ。
ヨコハマタイヤは2023年、このPPIHCに新たなチャレンジを展開した。シュート選手は昨年に続いて「ADVAN」カラーのマシン(2018 Wolf TSC-FS)で連覇を目指すが、その走りを支えるのは日本のSUPER FORMULAにワンメイク供給しているものと同スペックのサステナブルタイヤ。従来のものと同等の性能を維持しながらサステナブル素材比率を33%に高めた、環境性能にも優れたタイヤである。
さらにエキシビジョンクラスのランディ・ポブスト選手(2021 Tesla Model S Plaid)には、サイドウォールのゴムをバイオマス由来のブタジエンゴムに変更した他、現行のSUPER FORMULA向けサステナブルタイヤにも採用されているカーカスを使用することで再生可能原料比率を高めた「ADVAN A005」を供給、伝統の一戦を通じて環境負荷を低減する技術開発をさらに加速化していく。
大会は6月19日(月)に参加受付や公式車検で日程がスタート、翌20日(火)からは3日間にわたって練習走行と予選が行われる。この3日間はコースを三分割して、ロワー/ミドル/アッパーの各区間をグループ分けされた選手が走行するというフォーマットになる。
既にカレンダーは6月の中旬だが、4,000m級のパイクスピークでは残雪も多く見られる。そんな中で予選から速さを見せたのはシュート選手、走り出しとなる火曜のアッパーセクションでトップタイムを刻むと、翌日のロワーセクションでも後続を大きく引き離した。木曜日は濃霧によりスケジュールが順延されたが、決勝を控えて連覇に向けて上々の滑り出しを見せた。
コロラドスプリングスのダウンタウンで恒例のファンフェスタも催され、市民も大いに盛り上がる中でいよいよ25日(日)に決勝を迎えたPPIHC。シュート選手は大観衆の声援を受けてスタート、「ADVAN」のサステナブルタイヤの優れたポテンシャルを武器にセクション1では2番手に約9秒の差をつける速さを見せた。そのままセクション2でもリードを広げて圧倒的な速さを見せ、普段は観光客が小一時間かけて登る頂上まで8分40秒080で駆け上がってチェッカーを受けた。平均スピードは約133.7km/hという韋駄天ぶりで2番手に7秒以上の差をつけ、自身4回目となる優勝で「ADVAN」カラーでの2連覇を達成した。
エキシビジョンクラスでは、ニューマシン「2023 Radford Type 62-2」を投入したタナー・ファウスト選手が快走。ロータス・エキシージをベースとしたこのマシンはトヨタ製の排気量3,500ccスーパーチャージャーエンジンを搭載し、700馬力を発揮する。ファウスト選手はセクション2からフィニッシュまでをクラストップタイムで駆け抜け、9分37秒326でクラス優勝を飾ることに成功した。また、同クラスで準優勝となったのはランディ・ポブスト選手。こちらはセクション1でファウスト選手を上回る速さを見せ、トータルは9分54秒901でフィニッシュ。「ADVAN」のバイオマスタイヤが支えた走りで準優勝を獲得、同クラスはヨコハマタイヤ勢のワン・ツー・フィニッシュとなった。
オープンホイールクラスに参戦するコディ・バフショルツ選手は、親子三世代にわたってPPIHCに参戦している。ステアリングを握った「2013 Ford Open Vahsholtz Custom」は2020年に父親のクリント選手が駆ったマシン、祖父の代から続けているチャレンジスピリットを受け継いで今年も好走を見せ、9分19秒192のタイムを刻んでクラス連覇を総合5番手で成し遂げた。
「ADVAN」とともにタイムアタック1クラスを制したのは、かつて北米ツーリングカー選手権のタイトルも獲得したデビッド・ドナヒュー選手。「2019 Porsche GT2 RS Clubsport」を駆るドナヒュー選手は北米ポルシェのテストドライバーなども務めているだけに、知り尽くしたマシンをまさに手足の様に駆ってチェッカーまで運んだ。そのタイムは9分18秒053、2番手に28秒ほどの大差をつけ総合でも4番手に食い込む速さでクラス優勝を飾った。
ヨコハマタイヤのワンメイクで競われる「Porsche Pikes Peak Trophy By Yokohama」では、若きドライバーが大いに活躍を見せた。18歳のハイデン・ブラッドリー選手は10分48秒387のタイムでクラス優勝を飾り、自身のSNSで「ヨコハマタイヤが私を信じて、新人にチャンスを与えてくれたことに感謝します。時代を超えた存在である赤と黒の『ADVAN』カラーをドライブできたことは、本当に光栄でした」と喜びを綴っている。
こうして101回目のPPIHCで、ヨコハマタイヤはシュート選手の2年連続総合優勝を筆頭にワンメイクの「Porsche Pikes Peak Trophy By Yokohama」を含めて全6クラス中5つのクラスで優勝を飾る強さと速さを見せた。