EVENT REPORT

ファンと作り手が想いをひとつにする。
GR-FOUR &YOKOHAMA WHEEL
FAN MEETING

2023.10.26

YOKOHAMA WHEELユーザー/ファンがFORMULA DRIFT® JAPAN最終戦が開催された岡山国際サーキットに集い、愛車と同じADVAN Racingブランドのホイールを装着してスポット参戦する“WRC世界王者”を応援する──そんな夢のようなイベントが催された。YOKOHAMA WHEELの作り手である萩原修とファンの皆さんとの交流、その中に見えた“想い”までをレポートする。

Words:髙田興平 / Ko-hey Takada(Takapro Inc.)
Photography:安井宏充 / Hiromitsu Yasui(Weekend.)

“WRC世界王者”を皆で応援しよう!
YOKOHAMA WHEELファンの誇りが集結。

「ユーザーの皆さんが欲しいモノを作る。すなわちそれは、ユーザーさんと同じ目線で自分のクルマをカッコよくしたいといつも考えている自分自身が欲しいモノを作る、ということなんだとボクは考えています」

YOKOHAMA WHEELの企画 / デザインCMPを務める萩原修が特設ステージのトークショーで熱く語り、その前には多くのYOKOHAMA WHEELユーザー/ファンの姿があり、そしてその背後にはYOKOHAMA WHEELを装着した“色とりどり”のチューニング &カスタム車両が並んでいた。

FORMULA DRIFT® JAPAN(FDJ)2023年シーズンのファイナルラウンドの舞台となった岡山国際サーキット。この週末の話題の中心にいたのは、5月に開催されたFDJ Rd.2/エビス西コース以来の参戦となった史上最年少のWRC(世界ラリー選手権)王者、カッレ・ロバンペラ選手だった。Rd.2では予選・単走、決勝・追走トーナメント共にまさに“異次元”と表すべきマシンコントロールを見せつけ問答無用の圧勝劇を演じ、それを目撃したオーディエンスはもちろん、FDJを戦う日本のトップドリフターたちにも“未知なる衝撃”を与え、彼らを覚醒させたことはまだ記憶にも新しい。

そして、そのロバンペラ選手のために特別に仕立てられたRed Bullカラーを纏うGRカローラのドリフトマシン(KR69 CUSCO Racing / Red Bull GR COROLLA)もまた、“王者のマシン”に相応しい力強く特別なオーラを放って多くの注目を集めたのだが、その足元を支えたのはYOKOHAMA / ADVANのNEOVA AD09(タイヤ)と、ADVAN Racing RS-DF Progressive(ホイール)だった。

スポットで参戦するヨーロッパでのドリフト選手権(ドリフトマスターズ / DMES)でもロバンペラ選手はADVAN Racingのホイールを履いており、本人もとても気に入っているという。ロバンペラ選手はドリフト競技においてYOKOHAMA WHEELとの縁が深いドライバーでもあるのだ。

今回はそんなロバンペラ選手を「YOKOHAMA WHEELのユーザー/ファンの皆さんで一緒に応援しよう!」というコンセプトを掲げ、同じくGR-FOUR搭載車両(GRカローラ &GRヤリス)ユーザー/ファンの皆さんとの合同で「GR-FOUR &YOKOHAMA WHEEL ファンミーティング」が開催されたのである。なお、この岡山国際のファイナルラウンドではロバンペラ選手のGRカローラのホイールはADVAN Racing GT BEYONDへとアップデートされ、装いを新たにしてファンの目を楽しませることになった。

ADVAN Racing GT BEYONDを新たに装着したKR69 CUSCO Racing / Red Bull GR COROLLA。世界王者のマシンに相応しい確たる風格を漂わせている。

気骨を感じさせるホイール。
それはまさにこだわりの結晶。

「ボクはホイール製品の企画やデザインをする際にはトレンドという概念を敢えて取り払っています。闇雲にトレンドに乗せるのではなく、その“時”に自分の目に映るカッコよさを描き出す。それが信念です」

萩原修の言葉はいつでも真っ直ぐだ。そして、そのブレない想いは彼の生み出すホイールの姿形にもハッキリと投影され、それがファンの心を掴むのである。

この日、岡山国際サーキット/Cパドックに集まったYOKOHAMA WHEEL装着車両たちの姿は、そのどれもが確かな存在感を放っていたのが印象的だった。中には特別展示として萩原自身の愛車であるマツダRX-7(FD3S)や織戸学の80スープラ、谷口信輝のS15シルビアなどの姿もあったが、その姿をこれまでの取材や撮影を通して幾度も見てきた経験のある筆者であっても、改めてその見事なキャンバー角を伴ったツライチ具合と絶妙にコンケイブされたスポークのフォルムに思わず目を奪われてしまう。そう、萩原が作るホイールは走るための純粋な機能、さらにはカッコよさをとことんまで突き詰めた先に宿る、唯一無二とも言える“美学”を感じさせてくれる。それは時代を超越した不変の美であり、例えそれを何度目にしたとしても飽くことのない、芯ある世界観なのだと再認識させられた。

「(年明けのオートサロンで発表予定の)R35のGT-Rに20インチの“Oni”(Oni 2 Progressive)を履かせた姿を先に少し見せてもらって、『なんだよコレは、カッコいいじゃん!』って素直に言葉が出ましたね。萩原さんとも、彼の作るホイールとも、もう長年の付き合いです。そこには常に信頼があるし、何より純なクルマ好きに『カッコいい!』と思わせてくれる何かがそこにはある。萩原さんの作りたいモノが、我々ユーザーやファンの皆さんにとっての欲しいモノへと確実に繋がっている。コレはすごいことだと思いますよ。単に物(モノ)としてカッコいいだけではなく、『想い』あるモノとしてファンとYOKOHAMA WHEELは繋がっている。私自身もだから、『もっと一緒にやるぞ!』という想いになれるんです」

関西を代表する名チューナーとして、YOKOHAMA WHEELをこれまで長年に渡って支持し続けてきたKansaiサービスの向井代表の言葉である。この日のステージでは向井代表と萩原とのスペシャルトークショーが催され、2人の歯に衣を着せぬその丁々発止のやり取りにファンは大いに沸いた。

「YOKOHAMA WHEELのイメージにはちょっと不良っぽさのようなモノもあるけれど、だからといって頭が悪そうな雰囲気では決してない。そう、インテリジェンスはあるんです(笑)。それと、トレンドには流されないという信念はあれど、新しい挑戦を常にすることだって大切にしています。11月のSEMAではオフロード4駆用のホイールも発表します。『これぞオトコ!』という形に仕上がっていますから期待してください」

“気骨”という言葉があるが萩原の描き出す世界にはまさにそれがある。そこには揺るぎない信念が貫かれ、世の中の流れの速さに翻弄されることもなく、信じてきた我が道を真っ直ぐに突き進む。

FDJ最終戦ではロバンペラ選手は惜しくも総合2位という結果となったが、ともあれ「世界超級」の圧倒的なマシンコントロール能力で岡山国際を魅了してくれた。その姿を「特別応援エリア」から観ていたYOKOHAMA WHEELユーザー/ファンの皆さんの表情がとても誇らしげであったことが印象的だった。

“世界最高峰”の走りを支えるYOKOHAMA WHEELを直に目撃し、同好の士と一緒に作り手である萩原修との「想い」を共有する。その想いとはすなわち個々のクルマに対するこだわり。そんなユーザーの求める強いこだわりがあってこそ、萩原修の“創作意欲”は刺激されるのだなと思えた。

(了)

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