ニュースリリース

1液性エポキシ樹脂接着剤「アドガードPC-1」を開発

1998年06月25日

  • 工業品関連

当社は、橋梁・道路建設用に1液性エポキシ樹脂接着剤「アドガードPC-1」を開発 、5月から本格的に販売を開始しました。常温湿気硬化型の1液性エポキシ樹脂接着剤 を実用化したのは当社が世界初です。
 現在、橋梁や高速道路などの建設では、主要部分をコンクリートブロックに分割し て工場生産し、工事現場で組み立てるPC(プレキャスト・コンクリート)ブロック工 法が増加しつつあります。PCブロック同士の接着には、高い接着強度が得られるエポ キシ樹脂接着剤が使用されることが多いが、これまでは主剤と硬化剤を現場で混合す る2液タイプしかありませんでした。
 「アドガードPC-1」は、コンクリート中や大気中の水分と反応して硬化する常温湿 気硬化型の1液性接着剤です。特殊な分子設計と配合技術で、従来困難であった長期 貯蔵安定性を実現しました。1液のため、現場で混合する作業が不要で軽量ミスによ る品質のばらつきが防げます。また、2液タイプに比べ硬化発熱が少なく可使時間が 長いため、一度の作業でより広い面積への塗布が可能となり、省力化と工期短縮が図 れます。
 さらに新製品では、かぶれや刺激臭の大きな原因となる硬化剤を直に取り扱う必要 がなく、従来の2液タイプに比べ人体への影響が少ないです。加えて1液タイプの容器 だけで済むため、廃缶・洗浄用溶剤などの産業廃棄物も半減できます。
 なお、「アドガードPC-1」は、すでにT型PCブロック橋の接合で国内数カ所で実績 を上げており、現在建設中の第2名神高速道路の弥富高架橋でも使用されています。
 今後当社では、このエポキシ樹脂接着剤の1液化技術をコンクリート構造物の耐震 補強やひび割れ補修の材料にも活用し、建築用接着剤や機能性塗料などへも幅広く応 用していきます。