ニュースリリース

タイヤに関するLCA手法を確立、環境保護をめざしたタイヤ作りに活用

1998年07月27日

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当社は、このほどタイヤについてのLCA(ライフサイクルアセスメント)手法を確 立しました。 LCA手法とは、製品の原材料、生産、使用、廃棄・リサイクルに至るライフサイクルにおいて、その製品がCO2、大気汚染物質などの面で環境に与える負荷を調査、分析する方法です。この手法によって得られた数値データは、環境負荷について、ライフサイクル各段階での状況把握、製品改良前後での比較などに活用できるため、環境保護に向けた重要な製品開発手法のひとつとされています。
 当社では1996年10月に「タイヤLCA研究会」を発足させ、主として地球温暖化に最も関係が深いCO2発生量についてのLCA手法を検討してきました。この結果、タイヤの一生においてタイヤが起因して発生すると推定されるCO2総量を計算し、原材料、生産、使用、廃棄の各段階での比率を計算する手法を確立できました。
 タイヤLCA手法を用いた結果、一般的にタイヤは、原材料を生産する段階、タイヤを生産する段階、車を使用する段階(タイヤの転がり抵抗による燃料消費)、用済みタイヤの焼却による廃棄の段階でCO2を発生するが、このうち使用段階での発生量が全体の80~90%を占めることが確認されました。このためタイヤに起因するCO2発生量を削減するには、タイヤ性能面からの転がり抵抗低減による低燃費化及び摩耗改善による長寿命化が求められることがデータとして明らかになりました。
 当社では、タイヤの生産段階においてCO2発生量の削減に努めることはもとより、今回確立したLCA手法を本年度中に社内の「設計手法」に組み入れ、これまで以上に環境保護に配慮した製品開発を進める計画です。また自動車メーカーなどにLCAによって得られた情報を積極的に提供するとともに、一般ユーザーに対しても空気圧チェックの必要性を訴えるなど、使用段階での環境保護を呼びかけていく考えです。