ニュースリリース

サムスン・チェイルと液晶表示パネル向け 電子材料用接着剤を共同開発

2008年11月12日

  • 経営関連

横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、韓国のサムスングループ会社であるチェイル・インダストリーズ(第一毛織(株))※と、液晶表示パネル(LCD)向け電子材料用接着剤の共同開発を進めている。開発しているのは導電性のある電子材料用接着剤で、横浜ゴムはその接着剤に使われる素材をチェイル・インダストリーズに提供する。開発後は世界最大の液晶パネルメーカーであるサムスングループ各社への納入を予定している。

 この接着剤は、導電性粒子を分散させた接着、導電、絶縁という3つの機能を合せ持つ。LCDに半導体を実装する際、接続する回路間に接着剤を挿入、加熱接着することで圧着部は導電性,圧着してない部分は絶縁性という電気的異方性を持たせることができる。フィルム状とペースト状の2つの形態があるこの接着剤は、今日のテレビ、パソコン、携帯電話向けLCDの組み立てラインでは欠かせない接着剤となっている。

この接着剤は接着、導電、絶縁という3つの機能を1つの材料内に持たせるため、性能を安定させることが難しい。横浜ゴムは、コア技術である接着剤技術、ナノテクノロジーを駆使して母材となる樹脂内にゴムの粒子を均等分散させる技術開発に成功した。チェイル・インダストリーズは母材に導電性粒子等を分散配合し、テープ状またはペースト状に加工する。

 この接着剤は有機ELディスプレイの接続や、半導体チップと基板の接続(フリップチップ接続)にも応用が進んでおり、今後さらに需要が拡大すると予測される。横浜ゴムではこのような接着剤の共同開発の成果をベースに、今後さらに接着剤技術の電子材料への応用を進めていく方針。

※ サムスン・チェイル・インダストリーズ(第一毛織株式会社)
チェイル・インダストリーズは1954年にサムスンの母胎企業としてスタートし、韓国の繊維産業の発展をリードしてきました。1980年代にはファッション事業に進出し、1990年代はケミカル事業、2000年代は電子材料事業に進出するなど、成功した企業変身を成し遂げました。