ニュースリリース

床ずれ防止のエアーセルクッション「Medi-Air」を開発

車椅子の長時間使用を手間なく快適に

2007年07月04日

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横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、床ずれ防止に効果のある車椅子用エアーセルクッション「Medi-Air(メディエア)」を開発した。床ずれの主因は圧迫による血流の低下で、車椅子は上半身の体重が坐骨結節に集中するため、横に寝ている時より床ずれが発生する危険性が高い。「Medi-Air」はエアーセルにより座面を空気で浮上させているクッション。臀部がクッションの底に付いた場合はセンサーでそれを検知し、自動的に空気を入れて座面を再浮上させ圧迫を回避する。この底付き自動回避機能の実用化は世界初。

床ずれの予防には体重が集中する部分の圧力を低く保つほか、接触面を増やし圧力分散を図ることが重要となる。「Medi-Air」は自動的にエア調整を行い、利用者それぞれの体型や体重などに合わせ常に最適な体圧分散状態を保つ機能もある。また、エアーセルが交互に膨縮を繰り返すことで臀部周辺の筋肉や皮膚に適度な刺激を与える。これらの底付き回避機能、体圧分散機能は全て自動で行うことができ、体圧分散機能の作動時間は利用者の状態に合わせ個別に設定することが可能。今後は使用対象者のさまざまな意見を聞きながら、改良を加え商品化を急ぐ。

「Medi-Air」の内部には六角形のエアーセルが多数配置され、系統的に連結して膨縮することにより体圧を分散する。クッションの大きさは横40cm、奥行き40cmで、利用者の体型や体重などに合わせて選べるようエアーセルは10cmと7.5cmの2種類の高さを用意。バッテリー式で、1回 の充電で約10時間使用できる。

※写真をクリックすると印刷用高解像度画像がダウンロードできます。

エアーセルの高さで10cm(左)と7.5cmの2種類を用意。利用者の障害度、症状、使用状況などに合わせて選択

エアーセルの高さで10cm(左)と7.5cmの2種類を用意。利用者の障害度、症状、使用状況などに合わせて選択

「Medi-Air」の特徴

センサーで底付きを自動回避

底付きとは特定部位に体重が集中してエアーセルが強く押しつぶされ、それ以上沈まなくなり座面がクッションの底に付く状態。「Medi-Air」ではセルの底部にあるセンサーが底付きを感知し、自動的にその箇所に空気を送りこれを回避する。底つき検知センサーがついたクッションの実用化は世界初。

利用者に合わせ最適な体圧分散に自動調整

利用者それぞれの体型、体重、姿勢に合わせ常に最適な体圧分散が得られる状態にコンピュータが自動的にエア調整を行い、特定部位に圧力が集中するのを防ぐ。一般的な圧力自動調整型クッションに比べエアーセルの数が35個と多いため、より細かい圧力制御ができる。

体圧分散と座位の安定性を両立

座位の安定した姿勢を保つため、両サイドにはより大きく、硬いセルを配置。やわらかいエアーセルクッションの欠点であった座位の不安定さを解消している。