Get Back ADVAN

“新たな10年”に向かって―
TAS2022で体現したADVANの想い。
/ 前編

2022.1.21

2年ぶりのリアル開催となった東京オートサロン / TAS2022。ニッポンのカスタム&チューニング文化をこの先も元気に、何より彩り豊かに発展させていくために――“オートサロン開催40周年”という大きな節目となったTAS2022の会場で、YOKOHAMA / ADVANが体現した“熱き想い”の在り処を、前編・後編の2回にわたってレポート。前編では屋外の特設コースでパフォーマンスしたドリフト・デモランを軸にレポートする。

Words:髙田興平 / Kohey Takada
Photography:真壁敦史 / Atsushi Makabe

TAS2022 / 前編

後編を読む

クルマにはやはり
“興奮”が必要だ。

「ADVANカラーはやっぱり、かっこいいね」――

2年ぶりの“リアル開催”となった東京オートサロン。幕張メッセ国際展示場の西駐車場に特設されたデモランコースは真冬の寒空の下にあってもその場にわざわざ足を運んでくれたオーディエンスたちの発する熱気で、かなりヒートアップした様相を呈していた。
コンクリート製のガードと安全フェンスで囲われたコースを取り巻くオーディエンスの前で、黒と赤のADVANカラーを纏った2台のトヨタGRスープラのドリフトマシンがエキサイティングな追走パフォーマンスを披露する。パパパッパンッ!!!というアンチラグによる炸裂音はまるでマシンガンの掃射のようであり、フルチューンの2JZが生み出す800psものパワーが路面を掻いて巻き起こす2台分の猛烈なタイヤスモークが、“ドリフト”という日本が生んだエクストリーム・モータースポーツ本来の突き抜けた興奮の在り方を、問答無用の迫力でアピールするのであった。

横浜ゴムは「YOKOHAMA TIRE / ADVANデモラン」と銘打ったドリフトパフォーマンスをTAS2022会期中の1月15日(土)と16日(日)にそれぞれ幕張メッセの屋外特設デモラン会場で実施。何よりエキサイティングで迫力あるパフォーマンスで寒空の下に集まってくれたオーディエンスを熱く魅了した。

冒頭のコメントは、コースサイドで2台のADVANカラーのマシンのパフォーマンスを見ていたオーディエンスの中から聞こえてきたものである。幅広い日本のモータースポーツシーンでこれまで数々の熱き名勝負を繰り広げ、今日まで色あせることのない伝説を残してきた歴戦のADVANカラーのマシンたちの姿が、目の前でド迫力のドリフト・パフォーマンスを披露する黒と赤のシンプルかつ鮮烈なカラーリングを纏ったGRスープラにも、きっと重なって見えたのだろう。

2022年の「東京オートサロン(TAS2022)」は、1983年に初開催された「東京エキサイティングカーショー」から数えてちょうど40周年(1987年に東京オートサロンに改称)という大きな節目で開催された。昨年はコロナ禍で全国的に発令された緊急事態宣言の影響でリアル開催は見送られ、オンラインのみでの開催となったことから、ファンにとっても、カスタム&チューニングを軸とした自動車業界関係者にとっても、今回はまさに待望の“参加できるオートサロン”となったのである。

「開催40周年を、来場されたお客さま、そしてこれまで長きにわたってオートサロンを支えてきてくださった自動車業界関係者の皆さんと、こうして一緒に迎えられたことを非常に嬉しく思います。やはり、オートサロンというイベントにとっては、いつの時代もこうしたライブでの、何よりエキサイティングな熱気は不可欠なものですからね」

リアルでの開催が実現できた喜びを口にする東京オートサロン事務局関係者の表情には、どこか安堵にも似たようなものが窺えたが、同時に、今回の開催に向けたこの1年間の労苦の深さもまた、その表情からは見て取れた気がする。

コロナウイルス感染症への万全の対策、来場者数の制限、そして、出展者や関係先への多岐にわたっての協力要請と、“リアルオートサロン”に向けた主催者側の並々ならぬ努力の甲斐あっての開催であることは紛うことなき事実であり、こうして“オートサロンならでは”と呼べる華やかかつ刺激的なアピールの場を再び作り出してくれたことには、改めて、心から感謝の意を表したい。そう、クルマを通した興奮、すなわちエキサイティングな感覚は、やはりバーチャルではなくリアルだからこそより真っ直ぐに伝えられるものなのだと、ADVANカラーのドリフトマシンが炸裂させる突き抜けた轟音に酔いしれるオーディエンスたちの姿を眺めていると、改めてその大切さが実感できたのだった。

織戸 学、谷口信輝、齋藤太吾による圧巻の3台ドリフトパフォーマンスも披露。ADVAN NEOVAの新作であるAD09のお披露目の場としても機能させるデモランとなった。先頭は織戸 学がドライブするHKSのGRスープラである。

カスタム&チューニングこそが
今も昔も“オートサロンの華”である。

“若者のクルマ離れ”や“最近のクルマはつまらない”といった、どこかネガティブなワードが囁かれるのは何もいまにはじまったことではなく、この10年ほどの間でそれが世の中の“流れ”として徐々に顕著化してきたというのが正しい捉え方だろう。その要因をここですべて挙げ切ることは難しく、その背景も実際に複雑なものだが、ひとつ間違いなく言えることは、時代とは常に移ろい、社会からの要求は想像以上のスピードで加速度的に変化していくということである。そう、自動車業界全体を次の時代へとシフトさせるもの、すなわち環境問題に連動したEV化の波やより効率的かつ安全な交通インフラに通じる自動運転技術の進化といった流れは、もはや誰にも止めることのできない未来に向けた正しく、何より大きな潮流として受け止めるべきものなのである。

しかし、だからといっていまだ多くの人がクルマに求める“エキサイティングな何か”がこのまま失われていくわけではない――TAS2022の会場には、そうした自動車業界全体としての強い意志のようなものがしっかりと貫かれていたように感じる。実際、自動車メーカーからは魅力的なスポーツモデルがお披露目されもしたし、モータースポーツの分野でもまだまだ胸をワクワクさせてくれるようなコンセプトが多数発表されもした。そして何より、「東京エキサイティングカーショー」から40年の歳月をかけて進化してきた「東京オートサロン」らしい、それはまさにエキサイティングかつ夢のあるカスタム&チューニングが施された数多くの出展車両が、いまも変わらず“オートサロンの華”であり続けていることが印象的であった。

国際展示場・西ホール2の「YOKOHAMA TIRE」ブースにもADVANカラーを纏ったトヨタGR86のドリフトマシンが展示され注目を集めた。1000psを発生する3.4ℓの2JZを搭載するモンスターだ。装着されたタイヤはADVAN NEOVAの新作“AD09”である。

40周年を迎えたオートサロンに
“超新星”が現れた!

TAS2022の会場で何より希望を抱かされたこと。それは子供たちの姿が多かったことである。クルマ好きの両親に手を引かれたまだ幼い世代はもちろん、小学生や中学生と思しき少年世代の姿も多く見受けられた。彼らが目を輝かせながら色とりどりのカスタム&チューニングカーの姿を眺めている光景には、“クルマという文化にはまだまだ多くの可能性が秘められている”と、古い世代のクルマ好きとしては嬉しい気持ちになったものである。

そうした中、YOKOHAMA / ADVANがこの先の未来に向けた“超新星”として投入した、それはまさに“秘密兵器”とも呼ぶべき存在がいた。

箕輪大也(みのわ・ひろや)――若干12歳の現役小学6年生である。冒頭で記したあの迫力のドリフトパフォーマンスを披露したドライバーの中の一人が彼だったと言ったら、実際にその事実を目の当たりにしていない人は、俄かには信じることができないだろう。

ドリフトレーサーである両親(フォーミュラドリフトジャパンに参戦する箕輪慎治&昌世選手)の影響で7歳から実車の運転をスタートさせ、その後はシミュレーターなども活用しながらドリフトのテクニックを磨いてきたという箕輪大也。2022年はYOKOHAMA TIREのサポートでフォーミュラドリフトジャパンへの参戦が決まっている、ドリフト界の、いや日本のモータースポーツ界期待の超新星である。

織戸 学、谷口信輝、そして、齋藤太吾。錚々たるドリフト界のレジェンドたちに混じって、実に堂々としたパフォーマンスをしてみせた小学6年生の存在は、どこかで閉塞感を抱かせる面もあったここしばらくのクルマという文化にとっての、それは、新しいエキサイティングな時代の幕開けを存分に感じさせてくれるものとして映った。

「緊張はしました。オートサロンのような注目される場所でドリフトすることは、はじめてでしたから。でも、1回目より2回目の方がリラックスできたし、エンジンも音がよくてタイヤから煙もたくさん出せたので、お客さんに向けたパフォーマンスとしては満足できるものでした。オーディエンスが喜んでくれてこその、ドリフトですからね」

2日間のドリフトパフォーマンスを終えての箕輪大也の言葉である。そう、彼は小学6年生にして、クルマという存在が人々に与える興奮の真の価値、さらにはその先に抱くことのできる“夢”の在り方までを理解して、パフォーマンスをしていたのである。

未来に向けた“夢”と“希望”は確実に新しい世代へと受け継がれている――ADVANカラーを纏い、ADVANの最新ストリートスポーツタイヤ”NEOVA AD09”を履いたGRスープラを駆って新たな希望を東京オートサロンのオーディエンスに向かって与えてくれた12歳の超新星の姿は、何より光り輝いて見えた。

TAS2022 / 前編

後編を読む

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TAS 2022
YOKOHAMA TIRE ブース

1月14日(金 / ビジネスデイ)〜16日(日)の3日間にわたって開催された東京オートサロン2022。「YOKOHAMA TIRE」のブースは幕張メッセ国際展示場・西ホール2に置かれた。2022年の展示車両は5台。うち4台にはADVANブランドの新商品がそれぞれ履かされたことでその注目度は俄然高まっていた。走りを愛するファンたちからの熱い支持を得てきたストリートスポーツタイヤの代名詞「ADVAN NEOVA」の新作であるAD09。世界基準のバランス性能を突き詰めたグローバルフラッグシップタイヤとなる「ADVAN Sport」の新作であるV107。ともに“走りを愛する層”にとっては文字通り待望となる新製品。最新のトヨタGR 86をベースに1000psの2JZ(3.4ℓ)を載せ、NEOVA AD09を履かせたADVANカラーのドリフトマシンをブースのセンターに鎮座させ、そのほかにもCUSCO Racing 86のドリフトマシン(AD09装着)や、ADVAN Sport V107を装着したStudie AG M4やポルシェ911カレラを展示し、幅広い層に向けて「ADVANブランド」の新たな魅力をアピールした。